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米作り(早期米のできるまでー⑥)

 昨夜は大雨注意報が出ていたが、夜が明けてみるとさほどではなかった。

 大雨が降って欲しいのは、実は田植え前の農家なのだ。田んぼに水を張るのに用水路からの水のほかに、天水があればあっという間に田に水が満たされる。もし、からからの天気だと用水路の水だけに頼るほか無く、折もおり、みんなが一斉に田植え前の代掻きにかかるので、なかなか水がまわってこないという羽目になる。

 それでも降らないよりはましだったようだ。Komedukuri0325_020

 Nさんの田んぼには水を引き入れているのだが、砂地のこの田は少しぐらいの水ではすぐにしみ込んでいってしまうという 。だから、昨夜の雨は恵みの雨だったそうだ。

 JA(農協)吾平の育苗センターでは、いよいよ27日から苗の販売が始まる。その一番苗を真っ先に手に入れて、その日のうちに田植えをするという農家があった。道を隔てた斜め向かいの田んぼでは、すでに代掻きを終え、水面を均していた。Komedukuri0325_023

 今年は去年より二日遅れているという。種蒔き後の3月が総じて気温が低めだったことが影響しているのだろう。それにしても農家は日付には敏感だ。農業は時間にはルーズだが、こと農繁期の日付となるときちっとこれを守る傾向にある。先例遵守ということだが、ここに代々受け継がれていく素地のようなものを感じる。

 ところが上には上がいるものだ。鶴峰東のこの地区から帰る途中、姶良川の堤防を走っていると、なんと田植えに出くわしたのだ。Komedukuri0325_016_1

 聞けば、苗は自家製でおそらく界隈では一番早い田植えだろうという。

 小型の田植え機だが、それでも四条が同時に植えられ、おそらく昔の手植え時代の7~8倍の能率ではないかと思う。

 苗を見ると、すでに丈は10センチほどになっている。田んぼの水はそう冷たくはない。植えつけてしばらくは温度管理に細心の注意が必要だ。

 

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米作り(早期米のできるまでー⑤)

 ふさふさになってきた。03180007

 ふさふさといっても髪の毛ではない。もちろん、稲の苗だ。

 03180008 思わず頬ずりしたくなるような産毛のような可憐極まりない苗たちだが、それでも高温管理と、太陽の光でしっかりと根を張って来ているようだ。なにしろ稲は熱帯性の植物である。寒さは最大の敵だが、米作りが最大の産業となった弥生時代以来、昭和になってビニールハウスというまさに革命的といってよい保育器が発明されてから、米作りは飛躍的に伸びた。その証拠が北の大地・北海道の稲作だ。ビニールハウスの育苗が普及しなかったら北海道の米の生産量が日本一になることはなかっただろう。

 難しいことはあとにして、米作り農家はせっせと田植えに向けて準備をしているので、それを紹介しよう。

03180011  鹿屋市吾平町の鶴峰東地区は吾平町育苗センターの台地から二キロ足らずの所にある姶良川沿いの田園地帯だが、そこの田んぼで若い夫婦が肥料をまいていた。

 話によるとこの田んぼは「妻の実家の田なんです」という。実家には母親しかいないらしく、田植えに向けて日曜ごとに、こうして加勢に来ているそうだ。田は二枚あるという。これから先、耕運し、水を張り、代掻きをしていよいよ田植えになるのだが、お願いしたところ快く一連の作業と稲の生育を観察させてもらうことになった。 

 若夫婦の軽トラックには可愛い女の子が乗っていたので写真を撮ろうとすると、おびえてしまって撮らしてくれなかった。今後、たびたびお邪魔するうちになついてくれるかもしれない。それまでお預けということにしよう。

 03180018 その軽トラックの向こうに見える丸い丘のすぐ下で、トラクターがうごめいていた。若夫婦と別れたあと、そっちへ向かってみた。するとそこでは既に肥料をまいた後の耕運に取り掛かっていた。

 聞けば、やはり日曜に農業をするサラーリーマン農家だった。次の日曜日に田んぼに水を入れるという。もう一軒米作り観察の現場が増えた。これは楽しみだ。ご両人、よろしくお願いします。

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米作り(早期米のできるまでー④)

 緑の絨毯(じゅうたん)だ。

 03110008 育苗箱に播かれたモミが目を覚まし、芽が出て、ビニールハウスの中に広げられてから今日で三日。吾平町農協育苗センターを訪れると、思わず「やったあ」と唸りたくなった。

 見事に「緑化」している。まさにゴルフ場のグリーンも驚くほどの美しさだ。03110004

これから二週間余り、米作り農家に渡されるまで、水遣り、温度管理が細心の下になされる。

 冬に逆戻りの寒さ、春を思わせる陽気に一喜一憂しながら、幼苗(嬰児)たちは水田への植え付けを待つことになる。

 次からは、農家の田植え準備の様子などをお届けしよう。

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ゼロ戦の掩体壕(えんたいごう)

 いや、驚いた。

 昭和を遥かに過ぎ、太平洋戦争にいたっては62年も前のことだというのに、その当時の生々しい構築物が、そのまま残っていたとは・・・。

 戦時の最優秀戦闘機といえばご存知のゼロ戦。これの格納庫の変形といえる「掩体壕」の実物が、鹿屋の笠之原の広い畑の中にまだあったのだ。03080016

 いつもは気にも留めていなかったのだが、きのうに限って単車で走っている時、遠くの畑に目を遣った。すると牧草の繁っている広々とした畑地帯の中に、違和感のある物に気付いた。よく見るとトンネル状の、通常畑にはあるべからざる奇妙なかたまりである。急遽そこに向かって単車を走らせると、折りしも、耕運機を止めてそのかたまりの周りに生えた枯れ草に火をつける老人がいた。03080013

 声をかけて話を聞く。

 案の定、戦時中の残骸だった。聞けば、ゼロ戦の「掩体壕」だという。「へえー」と驚くよりあきれた。昭和18年かその頃に、笠の原には海軍航空隊の飛行場と防空壕があったという。ところが20年の3月に空襲で壊滅的な打撃を受け、8つあった「掩体壕」だったが、結局、無事に残ったのがこのひとつだそうだ。

 終戦後、軍人が去ったあと防空壕の中に入ると、きれいにくりぬかれた地下室の天井にその頃の一般家庭では珍しかった電球がずらりと並んでいたそうだ。それだけが印象に残っているという。

 03080023 この「掩体壕」から300メートルほど北にその防空壕があり、今でもコンクリート製の頑丈な入り口(出口)が笠の原航空隊跡地という説明版と共に建っている。

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米作り(早期米のできるまでー③)

 芽だし完了。

 種蒔きをしてから5日目。見事に芽が出そろった。03080001

 芽はまだクリーム色をしている。これから別のビニールハウスに運び入れ、そこで「緑化」されることになる。

 一面に広げて置かれたあと、再びシートで覆われ、二日ほどたって、いよいよ太陽の光を浴びるようになる。するとクリーム色だった芽がみどり色に変化するという。03080004

 

その様子は三日ほど後に、見に行くことにしよう。

緑の芝生のようになるというが、本当にそうなのか楽しみだ。

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米作り(早期米のできるまでー②)

 育苗センターでの種蒔き。03040002_1

 澱粉工場の水槽に「浸種」されていたモミは、育苗センターのビニールハウスの中に運ばれていた。

 袋から取り出され、モミに付いた余分な水分を飛ばすべく、しばらく広い台の上に薄く広げられて、いよいよ一連の種蒔き作業の流れの中に入る。03040005_1

 

 育苗箱という縦20センチ、横50センチはどの薄い苗箱にまず土が入れられ、コンベアーにのって流れてくる。その途中で、左の写真のような播種機でモミが振りまかれるという仕組みだ。 このあとさらに土(覆土)がかけられて播種作業は終わるが、コンベアーは育苗箱を積み重ねて芽出しをする場所近くまで 箱を流していく。03040013_1

 育苗箱は5段ほどに重ねられ、回りをビニールシートでおおい、保温される。これを「芽出し」という。どんな植物でもそうだが、根を生やし、芽が出る際にはかなりの高温が必要になる。稲の場合、特に高温が要求される。ハウスの高温プラス播かれたモミの呼吸熱で、出芽が促進されるそうだ。およそ四日ほどできれいに芽が出揃うという。次回はその様子をお知らせしよう。03040015

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米作り(早期米のできるまでー①)

 大隅地方では、早期米の生産準備に入っている。早期米とは、3月下旬から4月中旬頃までに田植えをして、7月下旬から8月の中旬までには収穫するという、関西以北では考えられない早植え早刈りの米のことだが、鹿屋市吾平町のJA(農協)が運営する育苗センターでは、吾平町をはじめ鹿屋市の農家の需要を満たす、数万箱の苗を育てるそうだ。Komezukuri_023

農家では冬の間に、田を2、3回耕し、寒風にさらして土の中の害虫の越冬を防いだり、堆肥を鋤きいれたりする。

 田植えのおよそ一ヶ月前にまず前年のモミ(稲の種)を水に漬けることから始める(浸種)。水に漬けることでモミが目覚めるのだ。俗に言う「鳩胸」状態にふくらみをもったところで、いよいよ苗箱への種蒔きとなる。

 昨日、浸種をしてある吾平町の玉泉寺公園脇にある農協の澱粉工場の水槽を見に行った。ここは育苗センターの建つシラス台地の崖下にあたり、きれいな水が滾々と湧き出しているところで、すぐ近くには「小鹿酒造」という吾平の地元の焼酎工場がある。おそらく同じ水を使っているのだろう。Komezukuri_015

 たまねぎを入れるのに使われるのと同じようなネットにモミを入れて、コンクリート製の水槽に並べて水を入れる。左の写真では水は入っていないが、4~5日の間水に漬けっぱなしにするわけではない。モミも呼吸しているので、たまには水を切り空気にさらす必要がある。

 次回は種蒔きの様子を御覧に入れよう。

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