垂水フェリー
すべての車が乗り込むと、それまでフェリーへの橋だったグリーンの通路が立ち上がり、最後尾の壁に変身する。
日曜日なのに豚の運搬車がいる。はて、日曜は競りや堵殺場は休みのはずだが、と思いつつ荷台を覗くと、いたいた。よう肥えている。人間で言えば高校生くらいの年齢の豚だろうか、だが普通なら「ブヒ、ブヒ」と騒々しいのだけれども妙におとなしい黒豚だ。
まさか遠足ではあるまい。いや、遠足ならもっとはしゃいでうるさいはずだ。
肉用に出荷するのではなく、他の養豚業者の種付け用あるいは母豚として繁殖用に売られていくのかもしれない。
出港して十五分ほどで桜島が好位置に来る。だが、残念なことに島の中腹辺りから上が、すっぽりと雨雲に覆われていて姿を表さない。
そんな桜島でも遠方から来た観光客には物珍しいらしく、高齢の二人連れがお互いに桜島をバックに写真を撮りあっていた。湾の真ん中にぽっかりと浮かぶ島でさえ珍しいのに、それが活火山ときた日にはなおさら希少価値があるのだろう。
昔のイメージはなく、すべて背もたれ付きの客席で、とにかく明るい印象だ。テレビも液晶のが4ヶ所に惜しげもなく設置されている。
いよいよ対岸の鴨池港が近づく。
アナウンスがあると車の所有者は三々五々自分の車に戻り、エンジンを かけて降りる準備をする。
正面の壁が向こうへ倒れると鹿児島市だ。
所要時間40分の船旅が間もなく終わる。
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