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高山川流域散策(その4)

Kouyamagawa4_001 高山本城の公民館の横を通り抜ける内之浦(国見トンネル)への道。

 左手の本城麓の公民館の真向かいから、本城川にかかる小さな橋を渡って高山川沿いの狭い道を行くと、シラス台地から下ってきた道が高山川と交差する「嶽橋(たけばし)」の所に出る。

Kouyamagawa4_003 嶽橋の上から、下流(本城方面)を望む

 川はいよいよ渓流の様相になる。幅12,3mで流量は多い。この辺りは採石場が多く、ダンプカーの通行がひっきりなしだ。橋から上流になると道路はほぼ川沿いに走り、所々に人家と、川沿いの田んぼという風景が続く。

Kouyamagawa4_021_1  途中、よく手入れされた畦と、穂が垂れ色づき始めた田んぼが余りに美しいので道路から入って降りていくと川の淀みがあった

 すると川面まで3メートルの高さの所に看板が建てられていた。 「 泳ぐな 危険!!   PTA 」と書いてある。

 なるほど親の気持ちは分かる。でも子供の気持ちも分かる。夏休みの暑い日、こんな青い涼しげな天然のプールがあれば飛び込みたくもなろう。

Kouyamagawa4_006 5分も走ると川上地区だ。まず出会うのが左から流れ込む岩屋川で、上流を望むと川上地区のランドマークと言える山が聳える。ところがこの山には名が無い。そこで川上岳と呼んでおこう。標高312メートルは、隣の吾平川・神野地区のランドマーク中岳(677m)の半分だが、でんと構えたところが貫禄十分だ。

 この岩屋川が高山川に合流する所はちょっとした滝になっている。

Kouyamagawa4_007 2段に分かれ、上段は比高5m、下段は3mくらいか。下段のほうは滝というより激流と言うべきかも知れないが、もしその部分の岩を取り除いたら、上段の滝は比高8mという立派な滝になるだろう。そうなるとこのすぐ上にある川上小・中学校は「滝ノ上小・中学校」に変えねばなるまいが・・・。Kouyamagawa4_0011

 岩屋橋を渡って右側にあるのが川上中学校、左側にあるのが小学校だ。

 中学校は「きばらんな(がんばろう)」がキャッチフレーズで、なるほど一学期の終業日だというのに、校庭では暑さの中を、生徒たちが懸命に走っていた。木造校舎が懐かしさを誘う学校だ。

Kouyamagawa4_014  対するは道を挟んだ反対側にある小学校

 なんと、校庭の隅に水車が回っている。体験学習の一環か、PTAの寄付かは分からないが、なんとも贅沢なことだ。贅沢と言えば校舎も立派だ。全学年でおそらく50人はいないだろうが「小学校は地域統合の象徴だ」とは、以前住んだことのある山間部の地域でもよく聴いていた。だから不釣合いなくらい小学校にだけは手を掛け、暇をかけ、金をかけて守る。それが住民の心意気なのだ。

Kouyamagawa4_017 中学校の左隣に鎮座する川上神社。祭神は「猿田彦大神(サルタヒコノオオカミ)」で、天孫降臨の時、天の八街(あめのやちまた)にいて、皇孫の道案内をつとめた神。

 この神社は棟札によると天文23(1554)年、肝付氏第17代当主の良兼(父:16代兼続かねつぐ 母:阿南おなみ=島津日新斉・忠良の長女)が建立。ただし、それ以前のことは分からない

 川上地区は高山川本流と岩屋川の合流点なので、相当古い時代に開けたことは間違いない。だが、『和名類聚抄』の諸国郡郷一覧に大隅国肝属郡川上郷とある「川上郷」をこの地に比定する説があるが、それは無理だろう(私見では川上郷は雄川上流の南大隅町田代地区である)。

 神社と中学校のある一角の裏手にこんもりとした小山がある。どうもそこに上代の川上Kouyamagawa4_013 の豪族か、信奉する神が祭られていた気がする。ちょうど姶良川の神野地区で、二本の川に挟まれた小高い山にアイラツヒメが祭られているように(姶良川流域散策その6を参照)。

 片野橋から高山川越しに見る川上神社。左の森の中に神社がある。一方、右手の建物の上にさらに小高い森が見えるが、そここそがはるか昔の遺跡ではないかと思う。道が見当たらないので登るのは断念した。

 川上地区の棚田。この辺りは普通作だ。Kouyamagawa3_018

 田植え後、一ヶ月余りというところか、老農夫婦が暑いさなか畦草刈りに精を出していた。

  マップ(赤十字が川上地区。丸に十字は嶽橋)

    肝付町のスクロール地図はこちら

Mapkouyamagawa3_2

 

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