真夏だ!妖怪だ!
何と、肝付町で言い習わされている妖怪「一反木綿(いったんもめん)」が、鳥取県境港市(漫画家・水木しげるの故郷)の観光協会主催の「第一回妖怪人気投票」で、堂々の一位になった、あの「目玉おやじ」を抑えて・・・。
肝付町立歴史民俗資料館に行ったところ、館長の K氏から新聞の切抜きを見せられた。毎日新聞8月7日版の文化面で、いま「妖怪のこころ」シリーズを載せているが、上の成果を見てわざわざ記者が取材に訪れたという。
館長の K氏ともうひとりの郷土史家 T氏にインタビューしたそうだ。「一反木綿」とは一反(約11メートル)もある木綿の布が、たいてい夕方に高い所からヒラヒラと舞い降りて人を襲うという妖怪だ。この話が伝承されているのは肝付町高山だが、それも全域ではなくごく限られた範囲だという。それが、何らかのつてで水木しげるの知るところとなり、漫画化されて広まったことになる。
二人の見解では、遅くまで遊びほうける子供たちに、「暗くなると一反木綿が出るぞ。早く帰って来い」という戒めのために話されたのが真相であろう。そして「一反木綿」がなぜ使われたかについては、次のことが前提だろうという。
昔は死者が出ると集落の墓地に土葬した。一番新しい墓の周りには、白や赤の吹流しのような布が立てられ、風が吹くとヒラヒラと舞うものだった。中には強い風で宙に舞い上がり、思わぬ方向へ飛んで行ったりした。それをみんな気味悪がったが、そんな事実があったので一種の妖怪として扱われたのではないか・・・・・。
遊びほうけて時間を忘れる子供は、今は少なくなったろうが、30年前まではごくありふれた風景だった。筆者の生い育ったところでは「人さらいが来るよ」が威し文句だった。そして友達に「カラスが鳴くから帰ろう」などと言い合いながら別れたものだ。そんな光景が今でもまぶたに浮かぶ。古き、良き時代だった・・・。
鳥取県境港市観光協会のホームページ(水木しげるコーナー)
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