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鹿屋市串良町の歴史資料室

ええ!こんな所に!というのが正直な感想。Kushirasiryoukan_028

鹿屋市の串良町歴史資料室にいっておどろいた。高級ホテルか美術館風のエントランスを持つ建物が、田んぼといくつかの事業所の間にどんと構えている。

 「串良ふれあいセンター」というのが正式名称。何のことはない社会福祉協議会が主体の建物で、その中の一室が資料室にあてられていた。

 中に入ると、これまたちょっとしたホテルのロビーという感じだが、左手にある「鹿屋海軍飛行隊基地・串良航空隊」に関するコーナーの存在で現実から目をそらされる。予科練の串良航空Kushirasiryoukan_025_3 隊の旗と軍服はレプリカだろうか、真新しく見える。

 特攻が開始されてから、串良航空隊からは300人を超える若者が本土決戦の一環として、沖縄方面へ飛び立ちかえらぬ人となった。これと鹿屋基地からの出撃と併せると千名を超える戦死者を出している。

 その数は陸軍航空基地だったかの知覧をはるかに超えるのだが、「特攻と言えば知覧」が世間の通り相場となってしまった。鹿屋としては歯がゆい思いだろう。Kushirasiryoukan_022 

それは、それとして・・・・・、歴史資料館だった。重厚な建物なので資料館としてはよくマッチしているように見える。

 教室二つ分くらいの部屋には、縄文早期の土器から最近発見された弥生時代中期の環濠らしき跡(レプリカ)まで展示され、コンパクトにまとめられているという印象が強い。

Kushirasiryoukan_001 串良町内では初めての縄文時代早期の生活址が見られた「益畑遺跡」の出土品を中心に、鹿屋市からあるいは吾平町からも考古遺物の提供を受け、展示は充実しつつある。

 左の土器は「前平式土器」で9500年ほど前の物。前平式の前には「岩本式土器」が錦江町田代川原地区で恐ろしいくらいまとまって出土している。一万年前という世界最古の土器が相当な数出ているという、考古学上なんとも贅沢な地域が鹿児島なのである。Kushirasiryoukan_007

 縄文時代といえばおなじみの「黒曜石」の原材料や石斧の類が豊富に出土しているが、弥生時代も負けてはいない。

 ベンガラできれいに赤く彩色された高杯(たかつき)はいかにも人目を惹く。Kushirasiryoukan_014_2

そのほかにも高さ1㍍はあろうかという巨大な甕も圧倒的な存在感を見せている。Kushirasiryoukan_010

古墳時代のもので注目すべきは鉄製品、なかでも「鉄剣・鉄刀」の副葬品だろう。いわゆる大隅・日向隼人の墓制と言われる「地下式横穴墓」 のなかから出る鉄剣・鉄刀の類は熊本の江田船山古墳や埼玉の稲荷山古墳のものと遜色はない。ただし、刻銘はないが・・・。Kushirasiryoukan_018 Kushirasiryoukan_019

Kushirasiryoukan_020 串良町の岡崎古墳群からは最近巨大な初期の「須恵器」が発掘されて耳目を集めたが、以前には「長方板革綴短甲」や「硬玉製の勾玉類」が見つかっており、この地域の先進性が俎上に載せられるようになった。

 今回、さらに注目されるべき遺構が展示された。それは「西ノ丸遺跡」(弥生中期)から検出された「溝状遺構」である。環濠集落があった可能性が高いという。

 西ノ丸遺跡は肝属川と串良川の合流点のすぐ内側(海抜5㍍)にあり、弥生時代には干潟の状態でとても人の住めるところではなかったと思われていたのだが、住居跡まで確認されたのだ。Kushirasiryoukan_015 

 溝状の遺構はその断面が精巧なレプリカ(2.5㍍×4㍍)として展示されている。私見ではこの環濠集落は単なる集落ではなく、港と倉庫の機能を持った港湾事務所のような存在ではなかったかと思うが、いかに・・・。

マップ(赤い十字が串良ふれあいセンター内歴史資料室。矢印は西ノ丸遺跡)

Mapkushirasiryoukan

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おおすみウォッチング」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。

ふれあいセンターに行かれたんですね。
側までというか玄関まで行ったことはありますが、迂闊にも中に足を踏み入れたことはありませんでした。

話題の(?)溝状遺構のレプリカはここにあるんですね。
今度行ってみようと思います。

今夜はかなり冷え込んできましたね。
風邪などひかれませんように。

明日はやぶさめです。
もし来られることがありましたら、事務所に寄られませんか?
多分いると思いますので。

ではまた

投稿: 税理士窪田 | 2007年10月20日 (土) 22時15分

私は県内の歴史資料館は8ヶ所ほどしか行ったことがないのですが、どこの資料館もとても興味深い資料があり 見てまわるのは楽しいです。 出土品や古民具、書物など、各資料館で鑑定?年代などを調べているのでしょうか。すごいなぁといつも思います。串良町の資料館はまだ行ったことがないので 行ってみたいなと思います。

投稿: hanaori | 2014年1月13日 (月) 20時45分

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