吾平山陵の紅葉
久しぶりによく晴れ渡り、絶好の紅葉狩りが楽しめた。
案内板の隣の橋の向こうが、山陵の入り口だ。橋を渡ると「宮内庁書陵部」の管轄らしく、鉄製のスライドが設けられている。たしか開門時間は朝9時から午後4時だと思うが、年中無休のはずである。
(正確には「吾平山上陵」というのだが、地元では「あいらさんりょう」で通っているのでここでもそう記す)
最初の橋を渡ると実は島に上がるのだが、たいていの人は知らないと思う。もっとも島というのは大げさで、中洲と言うべきだろう。姶良川はこの上流で二手に分かれているのだ。
で、次に見える橋は中州から離れたもうひとつの島に架かっているのだが、こちらの小さな中州は「あ、小さな島だ」と子供でも分かるようになっている(上流で二手に分かれたうち東側(上流から見て右側)の川のほうが水量が多く、その川の中にかわいらしく、「島」があるというわけ)。
水辺から生えているので全容はつかみがたいが、高さ十メートルは優に超え、径もそのくらいはあるだろう。
たまたまそこは照葉樹林が切れているため、日が差し込み、まるでライトアップしたかのように明るく映えている。
「島」を抜けると、杉の植林地を歩くようになり、100メートルほどで小さな木造銅板屋根の家が目に入る。
宮内庁書陵部の管理者の事務所だ。
これをまっすぐ行った先に目指す山陵はある。川は右手を流れており、山陵を示す石の鳥居の直下は小さな滝つぼで、神秘的な濃い緑の水を湛えている。
「山上陵」というにはふさわしくない「洞窟陵」である。洞窟の上は高さ30メートルはあるだろう、絶壁がオーバーハングして見える。
だが、樹木がよく茂っているせいか、恐ろしいという感じはしない。
古本によると、洞窟の中は広さが4畝(120坪)ほどあり、切石の墓らしき物と土壇があるという。
それが「ウガヤフキアエズ命」と妃の「タマヨリヒメ」なのかどうかは、断定はしていない。
さて、帰りに、というより山陵への橋を渡る前にとっくに眺めていたのだが、実は案内所と休憩所のあるちょっとした公園(庭園)のモミジこそ見頃だったのだ。どこかモミジの名所、たとえば晩秋の嵯峨野あたりを思わせる雰囲気をほんの少し垣間見せてくれていたので、どうぞ鑑賞くだされ。
休憩所から川を望むと、手前のモミジ、実は桜の巨樹のヤドリギだったのには驚いた。
春は桜、晩秋は紅葉――と一本の木で二度人の目を喜ばす福樹だ。
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