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住吉神社の流鏑馬(曽於市末吉町)

Sumiyosijinjayabusame_025 曽於市役所(曽於市末吉町)の東南3キロほどに鎮座する住吉神社(祭神は住吉三神=ウワツツノオノ命・ナカツツノオノ命・ソコツツノオノ命)で秋の例祭に行われる流鏑馬を見に行った。

 このところ暦通りの晩秋の冷え込みが続いているが、風が無いので日中は過ごしやすい上天気。十二時過ぎに到着したが、走るのは1時頃からというので石の鳥居の少し先で待っていると、放送があり一時半だという。

 待つほかなく待っていると、やがてポニーに乗った小学2年生という子が手綱を引かれて神社の方から現れた。本走の前の清めの意味があるらしい。Sumiyosijinjayabusame_029

石の鳥居まで行くとUターンして走り出した。近くまで来たとき、その意外な速さにびっくりした。ポニーだからと侮ってはいけない。おそらく時速30キロはあっただろう。単車と同じか少し速いくらいに思えた。

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 そのあとようやく本走の馬が三頭、それぞれに騎手をのせて現れ、スタート地点の石の鳥居までパレードする。よく見ると一番手の馬には騎手の前にさっきポニーで走ったちびっ子が乗っている。ほほえましい光景だ。

 

 いよいよスタート。石の鳥居から二の鳥居までの350メートルを疾走する。Sumiyosijinjayabusame_035

 その前に急いで二の鳥居近くまで行くことにした。高山の流鏑馬では走る距離は2丁、約220メートルだが、ここのは優に1.5倍はある。そうすると最後の方は相当なスピードだろうと思ったのだ。

 案の定、下に撒いてあるシラスがひずめで巻き上げられ、砂ぼこりとなって舞っていた。乗り手も怖いだろう。

 Sumiyosijinjayabusame_036 二の鳥居前では神職らしき大人が二人がかりで手綱を握り、どうどうと押さえつけていた。

 大隅半島ではこの住吉神社の流鏑馬と、今しがた触れた高山の四十九所神社の流鏑馬が長い歴史をとどめているが、鹿児島県ではもうひとつ薩摩半島の旧吹上町(現日置市吹上町)の大奴牟遅(オオナムチ)神社で行われている。

 あちらは天文7(1538)年に時の伊作一円の領主・島津忠良(日新斎)が始めたことがはっきりしているので、470年の伝統。こちらは高山のが900年、住吉神社のは明確ではないが、おそらく中世の初めごろには行われていたようだから、かれこれ800年の伝統。大隅は特殊なところだとつくづく思う。

 Sumiyosijinjayabusame_005 そこで、住吉神社と住吉山を探索する。

 

 標高267メートルの住吉山に向かって登るような感じで参道の石段が続くが、段差の小さい広い石段なので苦にはならない。途中、左手には直径2メートル近い巨杉があって、いかにも聖域らしい雰囲気が漂う。

Sumiyosijinjayabusame_011 拝殿に前には人だかりができていた。

 それもそのはず、左手の広場で空手道場の試合が行われているのだ。

 ブルーシートの上で小学生のちびっ子たちが、大きな声を上げていた。Sumiyosijinjayabusame_014

 空手の試合もさりながら、私は向こうに見える小さなお宮の後背の丘が気になってしょうがなかった。杉の植林の下草がきれいに刈り取られて地肌が見えるのだが、どう見ても古墳にしか見えないのだ。

 そっちに歩いて登っていくことにした。少し登るとやはり上はなだらかに丸っこい。自然の造形にしてはきれい過ぎる。うむ・・・。だが、さらに上を目指すことにした。やや高みから神社を見下ろすと、本殿は朱色ではなくごく普通の木造りのそのままの姿だった。Sumiyosijinjayabusame_020_2

 

 山頂へはさしたる距離ではない。おそらく神社の位置がすでに標高にして230メートルくらいはありそうだから、標高差は40メートルほどでしかない。200メートルも歩くと、見晴らしのきく明るい広場に出る。

Sumiyosijinjayabusame_018 二つを人工的に縦に並べたとしか思えない石の造形が、マウンドの上二ヶ所にあった。

 立てられている説明板によると、大正年代(90~100年前)に鳥居龍蔵という民族学者が調査に来て、発掘を指示したところ、石組みが現れたそうだ。

 鳥居龍蔵はこれらを「ドルメン」(石のテーブル状の墓)だと言ったそうだが、それにしては小さいような気がする。

Sumiyosijinjayabusame_017  いずれにせよ、ここが聖域であったことは間違いない。住吉山は「姥が岳」という別名を持つというが、そのあたりに解く鍵はありはしないだろうか。

          マップ(スクロール型)はこちら

 

 

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