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旧国鉄大隅線「鹿屋鉄道記念館」

国鉄<大隅線>が廃止されたのは1987年(昭和62年)のことである。

鹿屋市役所と地続きの一角に、その駅舎跡を記念する「鉄道記念館」が建つ。0814ekitoireihi_015

遊園地のおとぎの電車の駅のような建物は、結構人目を引くが、訪れる人はまれのようだ。0814ekitoireihi_001

裏手に回ると、踏切とプラットホーム。線路には黄色い保線用車両と朱色の気動車(ディーゼルカー)が並んでいる。

 かってこの列車で通学などしていた人は、20数年以上前にタイムスリップするに違いない。0814ekitoireihi_010

駅舎風の記念館の中に入れば、もっと懐かしい光景が見られる。

 手前にはHOゲージの鉄道模型。その奥の壁には、天井に届く昭和62年の廃業時の横断幕が掲げられている。

 当時をしのばせる多量の写真には、思い出を感じる人も多かろう。

 左手の壁の「普通運賃表」を見ると、東京都区内まで15900円ということが分かる(昭和62年)。0814ekitoireihi_014

別のコーナーには博多行きの時刻板がぶら下がっている。これはおそらく大隅線の始点である国分駅にあった物だろう。

 もっと奥には当時の国鉄職員の制服を着たマネキンがガラス戸の中に並んでいる。隣りには古めかしい金庫もある。

記念館でもらった資料によると、大隅線は国分―志布志間をつなぐ全長98.3キロ、駅の数33の廃止対象路線としては屈指の規模だった。

全線開通は1972年(昭和47年)というから、全線を営業していたのはわずか15年という短命路線である。怒涛のごときモータリゼーションの波には太刀打ちできなかったのだろう。

0814ekitoireihi_007 わずか15年といったが、それは国分―志布志全線の営業を言うのであって、その前身は意外と古い。資料から抜粋してみる。

 1915(大正4)年 南隅軽便鉄道開設(高須~高山間)

 1923(大正12)年 大隅鉄道と改名(古江~串良間)

 1935(昭和10)年 国有化され、古江線と改名。古江東線(志布志~東串良間)開通。

 1938(昭和13)年 古江~志布志間が開通

 1961(昭和36)年 垂水の海潟まで延長。

 1972(昭和47)年 国分まで延長し、日豊線とつながる。大隅線と改称。0814ekitoireihi_008

全線開通まで実に58年という長期を要したことになる。しかも、戦前から戦後にわたって・・・。

1972年の全線開業の頃には既に「赤字対象路線」にカウントされていたというから、今からは考えられない公共事業費の大盤振る舞いと政治力が大隅線を実現させたわけだが、大隅線をわが足として利用した人々には、そういう内情とは関係なく、色々な懐かしい思い出が、溢れるほど詰まっていることだろう。

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おおすみウォッチング」カテゴリの記事

コメント

お久しぶりです。

大隅線ですか、懐かしいです。
全線開通したのは私が鹿児島高専に在学していた頃、早速、通学したのを覚えています。
遠くて大変な通学になりましたけどね。

>線路には黄色い気動車と朱色の客車が並んでいる。

ということですが、

手前の黄色の車輌は保線用のもので(確か「軌道モーターカー」という名称だったと思います)、

後方の朱色の車輌こそが気動車(ディーゼルカー)、通称、というか形式「キハ」です。

20代半ばに、「中途」+「補欠」+「臨時」というトリプル・マイナス状況で鹿児島鉄道管理局に入社し、
その3年後には当時の40万人職員のトップである国鉄総裁と、片言ながら会話を交わせるところまでいくとは、

福山あたりで、開通したばかりの大隅線の車窓から桜島に沈む夕日を眺めていた当時の私には、考えてもみない事でした。

鹿屋鉄道記念公園、まだ行ったことがないので、近いうちに訪問しようと思います。

次回も期待しています。

投稿: 税理士窪田 | 2008年8月20日 (水) 10時01分

 元国鉄マンの税理士窪田さん、ご指摘ありがとうございました。
 
 仰せのとおり黄色車両は「保線用車両」、朱色の車両は「キハ」車両でした。

 早速、訂正し、太字にて書き改めました。

 今後もご指南よろしくお願いします。
 

投稿: 鴨どく島 | 2008年8月21日 (木) 20時02分

毎回楽しみに拝読しています。

私が縁あって始めて
大隅半島をおとずれたのは
たしか昭和40年ごろか。

高山駅で降りた記憶があります。
石油の高い現在から見れば電車は残して欲しかったですが。

投稿: bonn1979 | 2008年8月22日 (金) 16時28分

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