雨のおかげで・・・
小雨ならやるという話を聞いていたので、行ってみたが、残念ながら延期という看板が立てられていた。
笠之原地区の「十五夜大綱引き大祭」である。
笠之原公園の中は、もぬけの殻といった感じであった。しかし大綱はしっかりと準備されていて、広い公園の片隅に、肝心の萱(カヤ)の部分がぬれないように延々と白いカバーが施されていた。この余分な仕事が結構たいへんだっただろう。
テントは分かるが、パワーショベルは何のために置いてあるのか・・・。
周りに人がいなかったので聞けなかったが、もしかしたら白いカバーの取り付けの時に綱を持ち上げて、カバーを巻き付けやすいようにしたものか・・・案外正解かもしれない。
それにしても長い綱だ。40メートルはあると見た。
来週の土曜日(20日)が、楽しみだ。
ところで笠之原地区は藩政時代の享保の頃(1710年前後)に、薩摩半島の東市来町美山にいた朝鮮半島系の陶工たちの分れが移住して住んだ所で、時代が変わっても戦前までは「壺屋(地区)」と呼ばれて区別されていた。
そこに綱引きを見に行くと友人に話したら、「え、カサンバイですか。あそこは・・・」と語尾を濁すような返事。「知っているよ、それは」というと、「私の父親の時代までは朝鮮人差別的な雰囲気があって、あそこの者とは付き合うな、といった風に言われていましてね・・・」。
カサンバイ――とは笠之原の鹿児島弁で、これはもうとっくに耳に親しいが、朝鮮人差別に関しては耳に突き刺さる。「今は、・・・そうじゃ、ないですよ」と友人。でも歯切れは悪い。
東京に行き、子が生まれ、孫が生まれすると、孫はもう立派な「江戸っ子」だというのに、出自の民族が違うと300年経ってもそんな風に土地にとってはよそ者呼ばわりされ続けるとは、何とも切ないものだ。
国際化、グローバリゼーションの時代と言われても、ローカルではこんな問題もある。「内にきびしい」国際化は結局、外に対しては「盲従」ということになり兼ねない。ここは歴史的相対性理論で乗り切ろう。
――人種(出自・民族)なんて、相対的なものでしかない。
と。
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