誰が首相になっても・・・
麻生総理の支持率がついに16パーセント台になり、20パーセントのレッドゾーンを超え、政権の末期症状を呈している――という論調がマスコミをにぎわせているが、アメリカのサブプライムローンの焦げ付きに端を発し、連動してバクチ金融が見事に当てを外れた(外された)ために起こったクラッシュで不況に入ったわけで、こんな時、日本の首相の首がすげ替えられても何の役にも立つまい。
確かにトヨタの利益の落ち込みはすさまじいの一言に尽きるが、年明け以来、ガソリンがえらく値上がりした時、金融経済に異変が起きているとは認識できなかったのだろうか。夏になると「ガソリンは十分供給されている」とのOPECの度々の声明があったにもかかわらず天井知らずの値上がりが生じたが、少なくともあの時点で気付き、早く手を打つべきだった。
別の側面から見ると企業利益を侵食する円高は確かに輸出には不利だが、仕入れには有利だし「円が強い」ことの証でもある。また日本はかってのバブル期に、バクチ金融(ハゲタカファンド)の餌食になった苦い経験に耐えて今があり、今回の世界同時不況においては最小限の傷で済みそうである(もちろん相対的にの話だが)。
世界でも、もっとも早くに「物づくり」の効率化をすすめたあのアメリカの巨大自動車産業も、怒涛のハゲタカの前に風前の灯になってしまったが、「京都議定書」を未だに批准しようとせず、相変わらずガソリン無駄食いの高級車ばかり造ってきたとうとうそのツケが回ってきたのだと皮肉りたくもなる。
オバマ次期大統領の采配が待たれるところだが、ツケは大きく、荷は重くなりそうだ。
何でもあけすけに言う日本のタローがイニシアチブをどう執るかも見ものだ。外交はイチローでは役不足だろうから、この際、たとえ支持率が3パーセントになっても来年の任期までやってもらいたいと思う。
もう一つ続投を願う理由は、消費税上げをはっきり「2011年度には行う」と明言していることだ。今のまま高齢化・高医療化が進めば5パーセントではとてもやっていけないことは分かっていながら、小泉・安部・福田の各総理は言い出せないでいた。その課題をズバリと明言する勇気は見上げたものだ。自身の支持率なんかより「国策」に重きを置いている証拠と言ってよい。
祖父の吉田茂のような、あの外国人に対しても臆せずものを言う気風を身に付け、内を固めつつ、世界金融危機に立ち向かうことを期待したい。
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