龍門ノ滝と竜門司坂(姶良郡加治木町)
2月15日の鹿児島神宮初午祭の帰り、少し足を伸ばして加治木町の町営「加治木温泉(龍門滝温泉)」に入りに行った。24,5年前に一度来たきりでようやくの再来となった。
国分からは国道10号線でJR日豊線・加治木駅入り口の信号から二つ目を右折する。これが県道加治木・栗野線で、直進2キロ強で高速道の高架を二つくぐってすぐの信号を左折。1キロちょっとで「網掛川」にぶつかるから、橋を渡らずに右折して川沿いに500メートル先が目指す温泉だ。
網掛川に架かる「龍泉橋」から望む加治木温泉。泉質は塩素系のナトリウム泉で「リュウマチ・神経痛」に良いとある。
2キロほど先の泉源から引いているが、沸かしではない。53度もあるという。ただ、途中で冷えて来るのはやむを得ず、厳寒の時期は「湯がぬるい」と来客から苦情を言われることもあるという。
しかし川のすぐ奥に日本の滝百選に選ばれた「龍門ノ滝」という名勝を控えた天然温泉の入湯料がわずか250円はないだろう。文句は言えまい。
それより驚いたのが、温泉の構造だ。2階建ての一階が男湯、二階が女湯なのである。どちらの湯船からも、向こう奥の滝つぼに落ちる滝の一部を見せるというのがその理由らしい。けっして「加治木町は女上位だから」と言うわけではないようだ。
入浴後、火照った体を冷やしがてら、玄関口とは反対の展望台に行き、滝の全容を目にする。
高さ46メートル、幅43メートルという堂々たるものだ。ただし水量がさほど多くないので迫力が欠けているのは否めない。
「布引の滝」などという繊細な滝が全国的に多くあるが、その布引の滝を三つ四つ合わせた規模の滝と思えばよい。
温泉の内部の壁に地図が貼ってあり、見ると「竜門司(たつもんじ)坂」のことが書いてある。
平成18年に同じ姶良郡内にある「白銀坂(しろかねざか)」とともに江戸期の古道を異存しているとして、国指定の文化財になったという。
温泉からは500メートルとあったので行ってみる事にした。道なりに北西を目指すと、「高井田バス亭」の所に看板が見えた。
幅は平均して4メートルというところか、大小さまざまな平らな石が敷き詰めてある。たぶんさっきの網掛川で採取した砂岩だろう。
今日から見れば「なんだでこぼこじゃないか」というような道だが、当時としては先端的な道だった。
右カーブの谷側の低くなっている部分には、かなりの厚さで石が積み上げられている(1メートル近い)。
これなど重機のない時代、大変な労力を要したろうと思われる。それが300年以上もびくともしないでいるのは、当時の技術がいかに優れていたかを示すものだろう。
竜門司坂の途中から望む加治木平野。
小さな山の麓には、鹿児島神宮初午祭で御神馬を最初に奉納する木田地区がある。
また、その延長線上6キロほどの所に、竜門司坂とともに国指定となった重富の「白銀坂」入り口がある。「白銀坂」を登って行くと吉野台地から鹿児島城下へ、この竜門司坂を登ると溝辺台地から栗野を経て人吉方面へつながる当時の幹線道路であった。
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