照葉樹・常緑樹(鹿屋市東原町で)
鹿屋市の北半分は笠野原台地が大部を占めている。
名高いシラス台地だが、台地上の道路はどれも真っ直ぐで、北部から南部に位置する鹿屋市街地まで、最長で12キロの直線道路が走っている。
よく晴れた今日(2月5日)の午後、直線道路の一つ「水道線」を走っていると、道路沿いの生垣がやけに明るい。 単調な走りで眠くなりそうなのを覚ましてくれる明るさだ。
ちょうど午後の太陽光が、生垣の葉に反射してこちらに照り返している。
まるでイルミネーションだが、近くで見ると2種類の照葉樹で、手前のはおなじみの「サザンカ」だった。
一本東寄りの直線道路では、瀟洒な生垣の一部がてかてかと光り輝いていた。
これは椿のたぐいだろう。石灯籠と明暗を分けているようで面白い。
広い庭で、道路から20㍍もある先の植え込みに、白梅と紅梅が5~6部咲きで見事なものだ。どちらも高さは8㍍くらいの結構な古木だ。
おまけにその間にはミカンの木もある。下の方は既にもいだのだろう、天辺に近い部分にだけたくさん実が残っている。
剪定が行き届いていないのだろうか、野生化しているような樹勢だ。
昔、垂仁天皇の時代、但馬出身のタジマモリが常世国に渡り、苦節十余年の末についに「トキジクノカグノ木の実」を手に入れて、天皇に献上しようとして帰還したが、肝心の天皇はもう亡くなっていた。それでタジマモリは天皇の御陵の前で「おらび泣きして自死した」という伝承があるが、その手に入れた「トキジクノカグ(常に光り輝いている)」の木の実こそが、ミカン・橘のたぐいだと言われている。
1700年ほどして、こんな風に野生化するまで日本で繁殖していようとは、タジマモリもびっくりだろう。思えば、ミカンも常緑樹で、照葉樹とともに冬でも太陽さえ出れば「光合成」を行い、われわれに酸素を供給してくれる。
実も有り難いが、常緑樹・照葉樹のそういう能力は、われわれを裨益すること甚大ではなかろうか。
納屋の柱ごとに繋がれた3匹の茶色系の犬たちが、「怪しい奴め」とばかり吼えていた。
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