寡黙なる春
去年から今年にかけてミツバチが大量失踪したことが話題になっている。
そう言えば、春先になるとよく街の花壇の花々に群れ集い、ブンブン羽音をたてるミツバチの集団がいるものだが、この春はそういうのを見たことがない。
一度、町の道路で、まるでウンカのように上下に回りながらもやっている集団に出くわしたが、そんな光景はこれまで見たことがなかったし、「ウンカのように」というほどの数ではなく、せいぜい2、30匹だったと思う。
また、勤務先の近くのアスファルトの上に一匹の死骸を見ている。つい最近は街中の民家の入り口に咲くシロツメクサの花の周りを、これも一匹単独で飛んでいるのを見たばかりだ。
つまり巷間で言われるように「全部が忽然と姿を消した」のではなく、いることはいるが、単独かそれに近い状態では存在し、どう見てもこれから先、繁殖して殖えていくような気配は全くなく、いずれは絶滅する(あるいはどこかへ行ってしまう)のではないか、とは十分考えられる状態だ。
その理由の大きなひとつが「太陽黒点の極端な減少」かもしれない。
去年の8月は一ヶ月余りまったく黒点が観測されず、またその2ヵ月後の11月から今年の4月までほとんど黒点らしきものが現れていないそうだ。こんなに長い「太陽の黒点なし」は、1913年の通算300日余に次ぐというから、金融危機に関わる「百年に一度の大恐慌」が宇宙現象にも現れていることになる(因果は逆かも知れぬ)。
太陽の黒点は「磁気活動の象徴」だそうだから、黒点がないということは「太陽の磁気活動が低下している」ことになり、これは地球温暖化の反対の「地球低温化」を招くという。それが徐々に来るのなら対処のしようがあるが、突然やって来た日にはお手上げだ。
考えられるのが「某火山の大爆発」―なんてことにならなければよいが・・・。火山の大爆発に伴う熱雲の発生で太陽光が遮られたら、一気に寒冷化だ。7月22日の「皆既日食ツアー」なんてのんびりしたことにうつつを抜かしている暇はないことになろう。
ところで、我が家の庭でも今年は「モンシロチョウが来ない」という珍現象に襲われていたのだが、今朝、ようやく一匹が現れた。
ようやく止まって吸いはじめた。
それにしても久しぶりだ。4月から5月にかけては、いろいろな花が咲き、それを目がけていつも5~6匹が群れをなし、上下に戯れながら蜜を吸ったり、葉の裏に卵を産みつけたりと、せわしげな行動をするのだが、今年はとんと見なかった。
今朝はやって来たにはやって来たが、単独である。蜜だけ吸って卵を産みつけることは無かった。
ミツバチにしろモンシロチョウにしろ、彼らは「太陽黒点の消滅による影響」を体で本能的に感じているのだろう。
とりあえず彼らは「子孫を産んでもしょうがないから、産まない」という行動を取っているように見えるのだが、思い込みが過ぎるだろうか・・・・・。
※「寡黙なる春」は『沈黙の春』(レイチェル・カーソン女史)から取った題。
上記書は1960年代後半「環境汚染(特に農薬の)」が社会問題になった時勢にベストセラーになり、その後開かれた「ローマ会議」の基調に大きな影響を与えた。
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