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三党合意を超えよ!

民主党308名に対し、弱小政党の国民新党・社民党合計10名とが、今回の衆議院選の選挙協力と参議院での多数派協力のため「三党合意」に署名した。

 国民新党と社民党から1名ずつ、新しい内閣に入ることと、経済運営、なかでも、子ども手当て、失業対策、高速道無料化などに合意を得たようだが、外交と安全保障を巡っては波乱があった。

 結局、社民党の「米軍基地縮小・移転」の是非を問うものだったが、これについては「そのような改定を考慮する」というような、いつもながらの「玉虫色決着」で済ませたようだ。

 社民党はかっての党首村山氏が自民・さきがけ・社会の三党協力の時に、ようやく「非武装中立」の書生論から「自衛隊は認めます」という現実路線に踏み出したのだが、思考傾向としての「武装によらない平和中立」の旧社会党の党是は変えていない。

 したがって「日本駐留の米軍を排除したら、本当に丸腰で日本の安全は守れるのか? ソ連や中共が侵攻してきたらどうするつもりか?」という疑問にはまともに答える事が不可能であった。

 しかし現実路線で「自衛隊は認める、つまり専守防衛の軍事組織は必要だ」となったわけだから、今度は上のような疑問からは解放されたことになる。

 自分としては社民党に肩入れするつもりはないが、沖縄をはじめ日本各地に展開する米軍基地は縮小の方向に持っていくのが筋だと思う。なにしろ日本はアメリカに負けたとはいえ、1956年に国際社会に独立国として完全復帰しているのだ。いつまでも米軍基地が置かれているのはおかしい。

 「負けたんだからしょうがない。もし米軍が去ったら、またぞろ帝国主義者が現れて、かっての忌まわしい軍国主義が復活するからな」

 こんな根も葉もない危惧論が、社会党を含めたかっての「革新政党・革新路線」プロパガンダに使われ続けてきた。そういう勢力をのさばらせないためにも米軍のプレゼンスは必要だ、とされたのである。

 その一方でこれまでの自民党外交は、ごく手短に言えば「ソ連や中共などの非自由諸国から、アメリカに守ってもらっているのだ。その分、経済活動に専念できるじゃないか」という一貫した従米路線で、現今の国際社会が唖然とするほどの「顔のない」と言うより「アメリカ人のお面をかぶった」非独立国家ぶりであった。

 この元になったのが実は吉田外交なのである。

 朝鮮動乱が発生したとき、当時のアメリカの国務長官アチソンは首相だった吉田に「日本も軍隊を持ったらどうだ」と言われ、即座に「そんな(金のかかる)ことをしたら、疲弊しきった日本の経済はめちゃくちゃになる」といって反対した。そのことは当時のマスコミ論調で「当然だ。日本は武装放棄をして戦わない国になったのだから」とさも当然という好感をもって迎えられている。

 つまり吉田首相は軍事力は捨ててでも経済を優先させた。それが結果としては日本の驚異的な戦後復興と高度成長をもたらしたのだが、実はそのことで米軍のかくも長きにわたるプレゼンスは不動のものとなったのである。

 今度の選挙で、自民党の麻生党首は「経済立て直し政策」を最優先に掲げて敗れた。祖父・吉田茂に倣ったのかもしれないが、今度は通用しなかった。

 時代は変わった。今、求められているのはコンピューターで計算できる経済政策ではない。経済政策は規制緩和の当然の底流の中では、どの政党が天下を取ろうと、そう変えられるものではない。3万円のこども手当てが2万5千円になる位なものだ。

 遠い昔なら、「一握りの大地主や大金持ちと金融資本家」を打ち倒して貧しい庶民に分配すればよかったが、今の一億総中流(下流も増えてきたが)意識と、手厚い(手薄いと感じる人もいるが)社会保障制度の中では、ただの混乱を招くだけだ。ただし、官僚主義の悪弊が年金制度において墳出したが、これは民主党政権がどうにかするだろう。

 そんなことより「国是」、すなわち、これからの国際社会の中で日本をどのような国家にしたいのか明確に宣言することではないか。その中には当然、米軍の余りにも大きな存在が言及されてしかるべきだ。

 今月の下旬に、鳩山新総理が国連で演説をするが、「日本は武装永世中立国になる道を選択しました」は無理にしても、「日本は国際社会において、これまでの対アメリカ中心の外交の基軸から、アジアをはじめ国際社会全体にも広げる努力をしていきたい」くらいなことは言って貰いたいものだ。

 アメリカはつい最近まで、世界のスーパーパワーとして、つまりたった一握りの「大金持ち・大軍事力・大金融力(国際通貨の発行国)」であったが、今度の金融危機とオバマ民主党政権の誕生により大きく「チェンジ」しつつある。この機会を逃す手はない。スーパーパワー・アメリカの一極支配は過去のものとなりつつある。

 今度こそ、日本は過去の経験を踏まえた平和国家として「国際社会に名誉ある地位を」示していかねばなるまい。

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