火事と満月
夕方の6時になり、焼酎を片手にNHKの6時のニュースを見始めた。
全国ニュースが終り、鹿児島のニュースになる。そこでは、宮崎市の小学生が一昨日の土曜日に家族とともに登った韓国岳(霧島連山の最高峰=1700㍍)で行方不明になったが、今日の昼過ぎに稜線の下で倒れているのが見つかった。しかし残念ながら意識が戻らずに死亡した・・・そんな可愛そうなニュースがトップに報じられていたのだが、遠くで何やらサイレンが聞こえてきた。
最初は消防車のものとは思わなかったが、東から南から、だんだんサイレンの音が増えてきたようだった。ついにはわが家の近くの県道を東から西へ、けたたましく消防車が走り去っていく。
今日は朝から強い西風が吹いていて、日暮れとともにぐんと気温が下がってきたので、10軒ある隣り近所ではないのは確かなのだから、わざわざ出て見る必要はなかろう――とは思いつつも、やはり野次馬根性は健在(?)であった。
庭に出てみても、夕空にそれらしいあかるみは見えない。ところが門口(といっても実物の門はないのだが)まで行くと、ほぼ真西の水平線方向がうっすらとオレンジ色に火照っている。しかも近くには消防の赤色回転灯の明かりが見えるではないか。
5分もすると、オレンジ色の模様の中から炎が立ち昇り始めた。わが家とは直線距離にして1キロ弱、ほぼ平坦な畑地帯で、間にはビニールハウスが十数棟立ち並んでいるが、そのビニールハウス越しに、炎は見る間に高くなっていった。
折からの強い西風で、時おり炎が這うように左へとなびく。
西風に乗って、消防に当たる人の大声が聞こえてくる。
木が燃えてはじけるのだろうか、パキパキという音も耳に入る。
15分後くらいの炎が最も高かった。寒くていったん家の中に入り、さらに15,6分してから再び目にしたときには、かなり鎮火していた。
今年一番の冷え込みが、火事を誘ったというわけではないだろうが、焼け出された人たちにはお気の毒と言うしかない。
振り返って東の空を見ると、どうやら旧暦9月15日の満月のようだ。
やはり秋の月は、どこか物悲しい・・・。
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