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鴨着く島(かもどくしま=肝属川河口)

出水の荒崎新田地区には今年も「万羽鶴」が越冬にやって来ている。越冬鶴はもとは九州各地や山口県の熊毛郡あたりにはよくやって来たそうだが、何時の頃からか鹿児島の出水平野に集中して冬を過ごすことになってしまった。

 マナヅルはわずかでナベヅルがほとんどだが、世界のナベヅル生息数のかなりの部分が出水に飛来しており、万が一伝染病などに罹ったら絶滅の危機に瀕するとかで、毎年話題になっている。その対策は難しいようで、なにしろ下手に分散処置など取れば、ツルにはストレスとなり生態系に悪影響を及ぼしかねない。

 さりとて、荒崎新田のツルへは人工的に餌が与えられているため(補助的にという名目だが・・・)、それも不自然(非生態的)と言えないこともない。これまでそのようにして一度もトラブルがなかった――ということで、慣例的にずっと続けられているのだが、常に伝染病と生態系の改変という一種の後ろめたさが付きまとっているのは事実だろう。

 そこへ行くと、肝属川に飛来するカモ族は生態系の想定内にある。「万羽鴨」かどうかは分からないが、結構な数は来ているようである。今朝、肝属川河口まで見に行ってきた。しかし、この頃は想定外の事態が起きている。桜島の灰が北西の風に乗ってやって来ているのだ。1219kamotohai_001

 高山川が肝属川に注ぐ直近の「下之園橋」から上流を眺めると、国見山系は春霞に覆われているように見えるが、あれは桜島の降灰である。

 今度は下流を見ると、左1219kamotohai_002 に国土交通省 河川管理事務所・高山出張所があるが、そのすぐ左手から薄黒い霧のような物が近づいているのが分かる。

 あれの正体は桜島の灰である。1219kamotohai_009

 「波見大橋(第2)」から見る肝属川河口のランドマーク「権現山」(320m)も降灰の霞の中にあった。1219kamotohai_004

 強い北西風を避けるためだろう、護岸用のテトラポット近くに10羽ほどのカモの群れが浮かんでいる。1219kamotohai_006

 頭の色がやや赤い種類のカモだ。1219kamotohai_007

 肝属川と、大崎町から流れてくる「汐入川」との間を仕切る中州の葦原は、カモ族の格好のねぐらに違いない。(遠方の連山は大姶良山系)1219kamotohai_008

 中州は左岸の船溜り近くまで伸びており、そこにもカモがたくさん憩っていた。1219kamotohai_010

 肝属川河口からの帰り道、串良町下小原(しもおばる)にある「下小原池」に寄ってみた。河口から5キロほど、広大な肝属平野の中を北西に走った岡崎台地の南にある池で、元は水田用の溜め池だったのを、平成8年に改修して公園にしている。1219kamotohai_011

 公園化したときに、奥の方にバンガローを造り、キャンプやボート遊びができるようにしたというが、キャンプはどうか分からないが、もう5,6年近くを通るたびに注意しているのだが、ボートが浮かんでいるのを見たことがない。1219kamotohai_012

 その代わりと言っては何だが、カモが浮かんでいる。それもかなりの数である。下小原池というより「鴨池」だ。

 そう言えば、鹿児島市の鴨池地区も、昔は冬になると鴨が飛来するような池(汽水域)があったのだろう。1219kamotohai_013

 カモ族は足に広い足掻きを持っているので、その水力で水の上をスイスイ動き回ることができる。

 それになぞらえたのが「オールで力強く水を掻いて進む船子」通称「カコ(水手)」で、そのような生業を我が物とした航海民を「鴨族(加茂族)」と呼んだ。

 鹿児島の語源は「鴨島」で、要するにはるか昔から「鴨族の島(地域)」だったのだ。

 薩摩半島もだが、大隅半島もこのような「鴨族」の蝟集する地域だった。しかも鴨が朝鮮半島を経由して満州や沿海州方面に渡ったように、ここの「鴨族」も満州までとは言わないが、少なくとも朝鮮半島へは渡っていたに違いないのである。

 鹿児島の鴨池地区は埋め立てられてのちに飛行場(「鴨池空港」)になるが、鴨は泳ぎが上手なばかりではなく、本来は鳥であるから飛ぶことはお手の物だ。まさかそれをなぞったわけではあるまいが、そんな歴史を念頭に入れてみると、飛行場の名として悪くはない。少なくとも「溝辺」よりはましなのではあるまいか。

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