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オバマ大統領のオスロ演説

ノーベル平和賞の授賞式がノルウェーのオスロで行われ、アメリカのオバマ大統領が受賞者演説を行ったが、「平和より戦争を容認している」とのクレームがついた。1211obamafusai_002

 写真は、授賞式が行われたオスロ市庁舎のバルコニーで観衆に手を振るオバマ大統領夫妻。(TBSテレビ画面より転写)

 「平和を実現するためには戦争も辞さない」という論法だが、これはかのクラウゼビッツの『戦争論』つまり「戦争は政治の一手段である」――を思い出させる。これが、帝国主義的世界大戦を引き起こした元凶とまでは行かないが、大きな促進要因となった史実がある。 

 おいおい、オバマさんよ、大丈夫かいな。場所を弁えろよ、と言いたくなるが、彼の受賞理由は「核廃絶宣言」(プラハ宣言)であったから、「プラハでは戦争に絶対、核は使わないために廃絶するとは言ったが、通常の戦争を止めるなんて一言も言っていない」と開き直ることは可能である。

 平和賞受賞決定後に「アフガンへの兵士増派3万人」を打ち出していながら、ノーベル平和賞の授賞取りやめなんてこともなかったので、オバマも調子に乗って文字通り開き直ったのだろう。

 鳩山総理の、母親からの寄付だか貸付なんだか分からない多額の資金流入に対して、経緯は十分承知しているくせに「調査の結果、寄付金であったと認定されたら、それなりの措置はします(加算税とやらを払いさえすればいいんでしょう)」と、開き直っているのと好一対だ。

 しかしこっちはみみっちい話だ。マザコンというだけの話ではないか。

 だが普天間基地移設問題では、相当にアメリカに対して開き直っている。これは歓迎する。そんなことをやってアメリカを怒らせたらどうする、という声が聞こえそうだが、アメリカが怒るとどうなるのだろうか?

 普天間はもとより沖縄からの米軍撤退を招く。

――そうなりゃ、沖縄人には最高だろう。

 いや、日本の安全保障上、極めて憂慮すべき状態になる。仮想敵国の中国・ロシアの侵攻を招く。

――じゃあ、聞くが、もしそうならアメリカが撤退した台湾なんてとっくの昔に中国に侵攻されて、中国の一省になっていそうなものだが・・・。中国は以前から「台湾は中国の一部である」と国際的にも宣言しているのだから、攻め込んでも「侵略」とは言われないだろう。なぜ、侵攻しないのだろう?

 台湾が核ミサイルを持っているからだ。

――核だけのことだろうか。もし中国が本気で攻めようと思えば「肉を切らせて骨を斬る」というように、相当の被害は覚悟の上で攻め込めば、陥落は訳もないだろう。中国が本当に怖いのは実は国際世論なのではないか。今日のように全世界的に情報の共有化が進んだ社会では理不尽な暴力か否かの判定は即座に知れ渡り、落ち度のない国(この場合は台湾)への侵攻は完全否定されるだろう。まして日本に対しては何の理由があって攻めてくるというのだろうか?<アメリカ様は共産主義の脅威から日本を守ってくれている。米軍がいなくなったらそれこそ大変だ>と洗脳され過ぎているのではないだろうか?

 だが、もしもということがある。その時はどうする?

――日本も非核は守りつつ、自国を守るための軍隊は整備し、万が一に備えるのは当然だ。そうした上で、もし、万が一、彼等が攻めてきたら、まずは緊急体制を敷いて防戦し、そうした上で国連安全保障理事会へ提訴する。

 提訴なんかしている間に完全制圧されてしまうよ!!

――いや、それでも提訴だけはしておかなくてはならない、たとえ制圧されても。日本に戦闘の意思がないのに攻め込むのは、完全な侵略だ。国際世論がそれを許すはずがない!!

 制圧されてからじゃ、遅いだろ。あんたには国を本当に守ろうっていう意志がないのかね。

――いや、アメリカに守ってもらおうっていう意志がないだけだ。自分の国は自分たちで守る!

 オバマ演説から、連想が連想を呼んでしまったが、私見では、アメリカが本当に中・露の侵攻から日本を守ってくれるのかというと、相当にあやしいと思う。

 なにしろ、米・中・露はかっての連合国の仲間で、国連では英・仏を加えた五大理事国のメンバーなのである。駐留米軍は日本を守るためにあるのではなく、かっての敵国として、再び軍事的に大きくならないための監視の意味合いが強いのだ。それを証明するのが、未だになくなっていない国連憲章上の「敵国条項」である。

「もう一度戦争をしてアメリカに勝てば、そんなのは消えてなくなる」という考えもあるが、そんなことはもう不可能だ。

 それより鳩山さん、開き直りついでに、オバマより大きく世界にこう言ってしまいなさい。

「2010年1月1日をもって、日本は武装永世中立国家となります」――と。アメリカが慌てても構わずに、国連に承認を求めなさい。国連加盟の多くの国は賛成するだろう。なぜなら、ふさわしいからだ。日本は戦後64年間、一度も他国へ侵攻したことも、それを匂わすようなことすら言ったことがないし、もちろんやったこともない世界でも稀な平和国家なのである。

 おそらく米英仏中露の常任理事国も積極的に「反対する」とは言わないだろう。いや、言えないだろう。なにしろ理由がないから。戦後の日本の実績をつぶさに検討したら、日本ほど全世界の中で、平和を基軸にして動いて来た国はない。堂々たる平和国家なのである。文句を言われる筋合いは微塵もない。

 その際、米軍に代わって「国連軍」の駐留を求めればよい。また、武装の内容も国連の査察に委ねればよい。やましいことは何にもないと堂々と披瀝すればよい。

 来年の初夢はこれで決まり。

 

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コメント

鹿児島市内からです。
ごぶさた申し訳ありません。
貴ブログの方はかかさず読ませていただいています。

この記事は
まことに明快に存じます。

拙ブログ(第3397号)にて、ランクさせていただき、
後半部分を引用させていただきました。

投稿: 古瀬 徹 | 2009年12月13日 (日) 11時55分

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