瀬戸山神社の春祭り(鹿屋市上祓川町)
旧暦三月四日は鹿屋市上祓川町にある瀬戸山神社の春祭が催される。今年は今日、3月28日の日曜日に行われた。
旧暦の三月四日は、実は瀬戸山神社の本宮である御岳(高隈山地の名峰で1182m)に祀られている「立蔵権現」に参詣する日であり、昔は近隣の男女がその御岳をはじめ、高隈山系の七つの峰に登った(七嶽参り)ということが『三国名勝図会』に書いてある。
いつしか「七嶽参り」はすたれ、里宮である瀬戸山神社で祭礼のみ続けられることになった。この祭に華を添えるのが祓川地域に伝承されている「棒踊り」である。昔は青年団が中心になって踊られたのだが、今は小中学生がそれを受け継いで踊られることになった。
棒踊りは祓川地区の4ヶ所(西祓川・下祓川・祓川・上祓川)に伝えられており、それぞれに保存会が結成されて毎年の奉納踊りを行っている。
今日は祓川地区の中心である祓川集落センターの準備の様子から見学することにした。 9時頃、集落センターを覗くと、子どもたちが祭り衣装に着替えているところだった。
着替え終わり、中でひととおり予行練習が行われたあと、センターの外に出て本格的に踊りが始まった。踊りの前に、子どもたちの踊りに対しての寄付(「金一封」)の主が読み上げられ、寄付主が披露されるたびに踊りが踊られるのは微笑ましかった。
そのあと集落センターを出て徒歩で2キロほど北にある上祓川に向う。 ここの商店の駐車場には4ヶ所の棒踊りグループが落ち合い、いよいよ揃って瀬戸山神社へ向って歩いて行く。
過疎で子どもが少なくなったとはいえ、これだけの人数の子どもたちが集まると、頼もしく見える。
歩くこと約1キロで瀬戸山神社の鳥居が見えてきた。
鳥居の前で4ヶ所の棒踊りがそれぞれ奉納される。
鳥居をくぐり、杉木立の中を瀬戸山神社の社殿を目指す。
石段の真下で、再び踊りが奉納される。
六十段余りの急な石段もあと少しで瀬戸山神社の社殿だ。
社殿の前で神主のお祓いを受けた後、棒踊りを奉納する。これこそが本番の踊りである。
社殿の周りでもう一度踊りを奉納したあと、石段を下り、かって神社の別当寺として伽藍を誇っていた「五代寺」の跡地に行き、そこでも踊りが踊られる。
廃仏毀釈で破壊された寺跡に残る仁王さんも、ぎょろりとした目で踊りを堪能したことだろう。
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