鹿児島市で研修会
7月8・9日の二日にわたって「九州補導センター連絡協議会」というのがあり、出かけてきた。場所は鹿児島市山下町の鹿児島市中央公民館である。 8日の昼過ぎに中央公民館に到着。
古めかしい欧風の入り口。建物全体もヨーロピアンスタイルでいかめしい。この建物は昭和2年に建造されている。大正13年に、昭和天皇(当時は皇太子・裕仁)と久邇宮家の良子(ながこ)がご成婚なったその記念事業として造られたそうだ。
久邇宮良子の母・俔子(ちかこ)は島津氏29代当主・島津忠義の娘であり、良子(ながこ)は島津本家の孫娘にあたるというわけで、県民の大歓迎を受けた。だが当時、この婚儀をめぐって薩長の確執があり、「島津家は色弱の遺伝子を持っているから辞退すべきである」と長州出身の元老・山県有朋らが反対を唱えたが、皇太子裕仁殿下は「(色弱でも)かまわないではないか」と仰せられたというエピソードが伝えられている。県民はなおさら喜んだにちがいない。
その証拠がこの建物である、といってもピンとは来ない。今風なら、良子皇后(おくり名は香淳皇后)のふくよかな・やさしげな石造か何かの方が記念になっただろうに・・・。
さて、中の大ホールはいかめしく薄暗い。そんな中、協議の冒頭にあったバーバラ植村さんの講演『前向きに生きる』は華やかだった。 大会主催者から紹介を受けるバーバラさん。
にこやかできちんとした居住まいは、一見しっとりとしたレディそのもの。だが・・・ 講演が始まると・・・、来日(来鹿)26年経つにしては流暢とはいえない日本語で、そのためでもあるのかアクションの大きさには驚く。もっとも、経歴欄を見ると多くの肩書きの中で、ダンススクールなどでも講師を務めていたりするから、これは無理をしているわけではないのだろう。
とにかく型破りな講演であった。内容としては表題の『前向きに生きる』とは「親が子供を常に前向きに捉えて育てていく」ということで、さほど型破りなものではないが、何しろ自分の長女が歌手の「アイ(AI)」であり、そのアイに関する子育て実歴は当人の感情がまっすぐに表れていて聴き応えがあった。アイの成績は下から2番目が普通だったとか、勉強はいやだが(いやだから)歌手になる、と言われたが、どちらも「前向き」に捉えて何とかなった、というようなくだりは、親としておおいに参考になり、啓発される。
アイの出演したテレビ番組で、司会者(キャスター)とアイとの絶妙なやり取りのいくつかが、舞台のスクリーンに映し出される時間があったが、それを客席で観ていたバーバラさんが思わず目頭を押さえていたのには、ちょっと感動した。
アイは長女でアメリカで生まれ。3歳の頃、バーバラとともに鹿児島の夫の実家へやってきた。妹がいて幸(サチ)といい、こちらは鹿児島生まれだそうだ。 講演の最後は客席に下りてきて質問者のそばに行き、はきはきと答えていた。講演の途中でも客席から観客を壇に上がらせて、「買い物でも何でも道路を歩くときは手をつないで・・・」という特別指導もあった。(おん歳62歳とは見えぬバーバラ植村さん。)
子供を前向きにさせる三つのキイワードは
大丈夫 信じてる 愛してる (だったと思う)
2番目の「信じてる」は「信じて待っている」だったか、子供が成績が悪かったり、失敗したり、悪い行いをしたりした時、厳しく叱ったあとなどに(もうこの子は駄目・お先真っ暗だなんて思わずに)さりげなく付け加えれば効果抜群というようなことだった。
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