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還暦記念・富士登山③

 7月30日早朝、というより夜中の2時過ぎ、山小屋の屋根や壁を打つ雨の音が消え、風の音だけになっていた。

 隣で寝ていたテッチャンが、トイレに起きたところ、空に星がちらほら見え、はるか下方には町の明かりらしきものが望まれたと言ってきた。

――しめた、これなら山頂まで行ける!

 そう思って寝袋から出て、いつでも出発できるように準備。往復して戻って来るだけだから、ザックは不要だ。昨日の雨でずぶ濡れになり、中の衣類もビニール袋に入れておいた下着以外は、みな湿っているのでかなり重くなっていた(最初の倍くらいか)から、空身なら楽に登頂できそうだ、とワクワクしながら再び寝袋に入り、十分に身体を温めておく。

 しかし、そのうちまた小屋の屋根に雨の音が聞こえ始める。一時するとまた止む。こんなことを繰り返しているうちに時刻は3時を回った。行くのか行かないのか?

 しびれを切らして寝袋から出、下の広間に降りたところ、ガイドがいたので聞いてみる。

 ガイド 「中止です。山頂までは無理と判断しました」

 ――ええっ!なんでだよ!

 「降っていないのに・・・?」

 ガイド 「たまたま今だけですよ。暗いうえに、山頂の風はかなり強いですからね」

 ツアーではガイドの権限は絶対だ。自分だけは登頂できると主張しても、許されることではない。

 ガイド 「ここからでも御来光は見えるかもしれませんよ」

 ――別に、御来光が見たくて富士山に登ったわけではない。山頂に行きたいのだ・・・。

 と心中で叫びつつ、再び上に上がり、寝袋に横になる。アぁ!22729fujitozan_023_2  午前6時半、小屋を出て下山に入る。22729fujitozan_025_2  トモエ館の隣の「江戸屋」山荘の間から山頂へのルートが通じている。そこからは「富士浅間大社」の境内に入るらしい。

 そこを恨めしく下って行く。22729fujitozan_027_2 下山開始30分後、雨は上がり、晴れ間が見えてきた。22729fujitozan_030_2 下り始めて90分。すっかり明るくなり、赤茶けた火山灰の道を下る。22729fujitozan_032_5  約1000メートル下った6合目から山頂方面を望む。快晴の富士山だ。何てこった!22729fujitozan_034_2  新5合目にある「小御嶽神社」。このあたり中国人旅行者が多い。神社が珍しいのだろう、盛んにカメラを向けていた。22729fujitozan_036  小御嶽神社の境内から山頂があざやかに望まれた。手前の集団も中国人。

 8合目の小屋から早朝に山頂までの往復は可能だったが、今回は集団で行ったため果たすことができなかった。それは残念至極だが、3000メートルを越えたあたりから軽い高山病が出たことはいい教訓になった。

 今度行くときは、それに十分気を付けながら登頂を果たしたいものだ。

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