稲こづみ(鹿屋市野里町)
今週の初めから、野里田んぼでは稲刈りが大童だ。
ところが、一昨日の夜から昨日にかけてまとまった雨が降り、掛け干しの田ではせっかくの脱穀の好機を逃してしまい、3、4日遅れているようだ。
昼過ぎに野里町の田園、通称「野里田んぼ」地帯を通ったら、遅れてまだ掛け干しのまま脱穀をしていない田んぼが多い中で、珍しい「稲こづみ」に出会った。 「稲こづみ」は「稲小積み」と漢字を当てるのだろうが、脱穀の済んだ藁を、田んぼの一角に円柱状に積んで行き、最終的には写真のように、先端をピラミッド風に積み終え、冬の間少しずつ牛に食べさせたり、畑の敷き藁に利用する(昔はわらじを編んだり、縄や茣蓙に加工した)。
こうしておくと積雪も何のその、稲藁の持つ有用性は翌年まで保たれる。
一まとまりの田んぼとしては鹿屋では有数の面積を持つこの「野里田んぼ」は、高須川中流に広がっている。
高須川は写真の正面奥に見える高隈山系を源流とし、市内の高須海岸(高須町)で錦江湾に注いでいる。
山系の右手のピークは御岳(1182m)、左のピラミッド型は妻岳(1145m)、その左へ双子岳・平岳・横岳と続き、稜線は錦江湾(垂水市)へと傾斜して落ちる。(山系の最高峰・大箆柄岳(1237m)は御岳の真後ろに重なっていて見えない)
高須川はその御岳と妻岳との間から滴り落ち、短いがゆえに急流となって深い河谷を刻みながら、この野里にだけは奇跡的に広々とした沖積地を産み、今でも水の恵みを与えてくれている母なる川である。
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