鬼火焚き(鹿屋市池園町)
鬼火焚きは正月の行事として県内あちこちで行われる。たいてい七草祝いと重なる6日、7日、8日頃の夜で、孟宗竹の高い櫓を組み、猛火を起こし、その火で穢れや魔を祓い、一年間の無病息災を祈ろうというものである。
以前、広島にいた時、確か正月の11日の鏡開きの日だったと記憶するが、近くの川原で同じように櫓の火を焚く行事に参加したことがあった。ただ、鹿児島と違うのはその火でお供えしていた鏡餅や切り餅の残りなどをあぶって食べることである。そうした餅を食べれば無病息災、健康でいられるというもので、目的自体は鹿児島と同じだった。
1月8日の晩、鹿屋の池園町で鬼火焚きがあった。その朝の冷え込みはこの冬一番で、早朝の最低気温は氷点下3℃を下回った。 菜園のビタミン菜の上には分厚い霜が降りていた。まったくの無風だった。
夕方の6時少し前に集落センター下の田んぼに行くと、15メートルはあろうかという孟宗竹の櫓が建てられており、三々五々、人が集まり始めていた。消防団の車もスタンバイしている。
田んぼの手前を流れる大姶良川の水面に、夕闇が迫っていた。相変わらず無風のままだ。
日が落ちた6時10分頃、火がつけられ、たちまち炎が上がった。
5分後には炎が15メートルの櫓いっぱいの高さにまで達した。燃えた竹の葉が、火の粉になって高く舞い上がる。
さらに10分後、太い竹の本体が盛んに燃え、パン!パン!と節の空洞のはじける威勢の良い音が辺りにこだまする。
子供たちが音につられて恐る恐る炎に近寄って来た。母親らしいそれを制止しようとする声も聞かれる。母と子の日常が、ちとやぶられる瞬間だ。
このあと、大人たちは集落センターで飲み方。子供たちはご馳走を食べるのだろう。
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