「八山岳」地名考
659mの八山岳か、940mの八山岳が正しいのか、手元にある地形図を調べてみたが、やはり940mの方に軍配が上がるようである。
<昭和41年測量、昭和63年修正測量(注記:1.使用した空中写真は昭和61年2月撮影 2.現地調査は昭和63年4月実施)、平成11年部分修正測量>
という国土地理院発行の「半ヶ石」の25,000分の1地形図には、940mのピークを八山岳と記載してある。 真ん中やや右手に「八山岳:940.5m」とある。この地形図を基にして発行された昭文社の「分県地図:鹿児島県版」はもっと分かり易く書いてある。
黒線で囲ってある下の方から「八山岳:941m」、左上に名無しの「659mピーク」が見える。
この地図が発行された昭和63年には、確かに941mのピークが「八山岳」であった。
それがいつの間にか「659mピーク」のほうが「八山岳」になり、肝心の940mのピークは「大尾岳」と書いて「うおだけ」と読ます山になっている。いったいどういうわけなんだろう?錦江町の大根占地区には「大尾(うお)」という集落があることにはあるが、半ヶ石からはかなりの距離にある。それならいっそ「半ヶ石岳」にしたら分かり易い。
659mピークはたしかに940mピークの尾根続きにあるから「八山岳山系」には属している。この山の方が有名になり、名無しでは困るので「八山岳」とひとまず命名したのかもしれないが、本家を差し置いてはもっと困る。
登山愛好家の中には940mのピークこそが八山岳であるという前提で、登山にやって来る人がいるかもしれないのである。路頭に迷ってもらっては気の毒だ。
今名付けられている659mのピークを八山岳と押し通すつもりなら、940mの方は「奥八山岳」か「本八山岳」というように昔からある「八山岳」を織り込んだ名前にしたうえで、こちらの登山情報も忘れずに提供するのが親切というものだろう。
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