リーダーはどうしたら出るのか?
いまNHKで「シリーズ・日本新生―リーダーを生む条件―」という番組をやっているが、プレゼンテーター諸氏の論点の最大公約数は、「違いが分かる・違いに寛容な人間を育てることで新しい時代のリーダーが生まれるだろう」のようだ。
確かにそのことに誤りはなく、ますます国際化していく世界にあってリーダーの資質としてそれは必須の条件であろう。
しかし戦後は「経済一流、政治は三流」と言われて来た。明治以降の政治家にあった「日本独自の道を歩む」という気概のある政治家は出なくなったのである。
強いて言うならば、政治の分野で際立った政治家として吉田茂と佐藤栄作、それと田中角栄が挙げられる。面白いことにこの3人は共通して、「戦勝国アメリカに物申す」ような事績を残している。
吉田茂は朝鮮戦争を受けてアメリカが「日本もアメリカの軍事力におんぶしないで独自の武力を持つべきだ」というアチソン国務長官に対して、「そんなことはできない。やったら戦後の疲弊した経済が回復できない」と突っぱねたのであった。
佐藤栄作はアメリカ占領下にあった沖縄返還をもぎとり、国際的評価としてノーベル平和賞を受賞している。
田中角栄は佐藤栄作が沖縄返還を勝ち取った同じ年に政権を引き継ぎ、中国との国交回復(日中国交回復共同声明)を果たした。アメリカにとっては苦々しい事態であった。
世界から一定の評価を受けている戦後日本の政治家はこの3人くらいしかいない。しかも3人とも言わば “アメリカに楯突いた”政策を実行しているのである。実行したからこそ佐藤栄作はノーベル平和賞を貰った。
ここまで来れば賢明な人はお分かりだろう。要するに戦勝国アメリカの頸木を離れればよいのである。国際的に何か言う前にアメリカの顔色を伺うようでは日本独自の政策は出ようがない。
上の3人の総理大臣はそこを突き抜けて行ったのである。今度生まれるリーダーはアメリカのオーバープレゼンスから自由になることが求められる。その時が日本の真の自立であろう。
今の国際連合安全保障理事国が対日戦勝国で固められている以上、日本の国際的な提言はなかなか採用されないだろうが、安全保障理事国以外の世界170国は日本の提言に耳を貸す国が非常に多いので、いつかは受け入れざるを得なくなるに違いない。
最近耳にした野田首相の「太平洋憲章」は戦前の対枢軸国(日・独・伊)向けの「大西洋憲章」を下敷きに作成したようだが、アメリカ側は必ずしも歓迎はしないだろう。
しかしながらアメリカからの自立を果たすことで、日本に真に新しいリーダーがおのずと生まれてくるはずである。
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