『はやぶさ―遥かなる帰還』を鑑賞
今朝のNHK朝の「九州・沖縄サタデートーク」いう番組に、映画『はやぶさ―遥かなる帰還』の主演・渡辺謙が出演していた。
当然のことながら、九州は鹿児島の内之浦町から2003年に「МーV第五号機」によって打ち上げられた惑星探査機「はやぶさ」が主人公である。
「はやぶさ」は2003年5月12日に文部科学省・内之浦実験場から「МーV」シり―ズの一環として打ち上げられた。
当初の予定では、3億㌔離れた小惑星「イトカワ」に着陸するまでが2年、帰還に2年の合計4年で戻るとされていたのだが、最初の着陸に失敗したり、帰還のコマンドが出されて初めは順調だったものの、ある日を境にぷつりと交信が途絶えてしまった。
地上の電波では把捉できない状態が46日続き、47日目にようやく「はやぶさ」の発する電波が捉えられたのであった。
その後比較的順調に地球に向かっていたが、推進力である「イオンエンジン」4基のうち1基だけしか動いておらず、それさえも持つかどうか分からない瀬戸際の状態が続いていた。
イオンエンジンの配線を変えることで、何とか推進力が回復され、ようやく地球への着陸が成功した。2010年6月13日のことであった。場所はオーストラリアのウーメラ砂漠。着陸の少し前に小惑星「イトカワ」の土を中に入れてきた探査機「はやぶさ」のカプセルが切り離され、探査機そのものは大気圏への突入で燃え尽き、見事な流星となって夜空を明るく照らし出したことは多くの人が見ているはずである。
それにしても日本の「微に入り細にわたる技術」は素晴らしい。さらに7年後の帰還まで辛抱強く見守り続けていたJAXA(ジャクサ=日本宇宙科学研究所)のチームワークも素晴らしい。
その統括責任者・山口氏を演じていたのが渡辺謙であった。 出演は山口氏の上司役に藤竜也。イオンエンジンを開発した教授役に江口洋介。教授と同期でNECでイオンエンジンを作り上げた技術者役に吉岡秀隆。衛星のサンプルを組み立てた町工場のおやじ役に山崎努。・・・などなど、みな好演していた。
エンディングでは配役や協力団体のテロップが流れる中、内之浦の昔の「日本初の衛星・おおすみ」の成功を祝う45年前の写真が10枚くらい紹介された。
この映画はドキュメンタリの手法で撮られているが、内容は日本の優秀な技術者のドラマである。見逃したら損をするだろう。
「リナシティかのや」での公開は3月2日の日曜日まで。大人1800円、高齢者1000円、水曜日はレディ―スデイで女性なら1000円で見ることができる。
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