田崎池の大賀ハス(鹿屋市田崎町)
鹿屋市の市役所のある共栄町から田崎方面へ県道を行くと、かって走っていた国鉄大隅線の跨線橋を渡るが、渡り終えた先の信号を右折するとすぐ公園の入り口が見える。
これが「田崎親水公園」で、鹿屋原台地の下から湧き出した水によって出来た「田崎池」がある。傍を通ったので入ってみると、池畔の東屋近くにはハスがちらほら咲いていた。 昨日までの悪天候が嘘のように晴れ上がった池面は澄み切っていた。
そのほんの一部だが、10坪くらいの広さにハスが繁茂している。
この東屋で昼食後の休憩を取っていた公園整備関係者らしい人に聞くと、「今日はあんたが6人目だ。」と言われた。朝早くに来た女性は「ハスって咲く時に音がするって聞いたのできてみた」と言ったという。しかし8時ごろだったので聞こえなかったようで、「明日またもう少し早く来てみる」と帰って行ったそうだ。 もしかしたら串良町の「大賀ハス」の分根か―と思い近づいてみると、案の定そうであった。業者の男性に確かめると、2年前に分根をここに移植したという。去年はまだ花は見なかったから、今年、ようやく立派な花を咲かせたことになる。
花後の種を蒔くのではなく、蓮根を移植するので2000年前の遺伝子をそのまま受け継いでいるおり、花の大きさも色合いも2000年前のままなのが貴重なところである。 そばに生えている水草を見ると「ガマ(蒲)」で、さほど大きくないが、それでも左の一群の中には茶色のキャンデーのようなガマの穂も見える。
因幡の白ウサギが、隠岐の島から本土へ渡ろうとして「皆で何匹いるか、数えてあげるから」と言ってワニ(鮫)を海面に並べ、その上をぴょんぴょん飛び渡って本土に着いた。
しかし言わなければいいものを「やーい、数を数えると言ったのは、お前たちを橋の代わりにしてこっちへ渡りたかったからだよー」と言ってしまったものだから、怒ったワニたちに身ぐるみを剥ぎ取られて赤裸になった。
オイオイと泣いているところへ通りかかったオオクニヌシ命に事情話すと、「真水で体を洗い、ガマの穂にくるまっていれば治る」と言われたとか・・・・・。
ガマはこの池ではごく少数派で、もし大賀ハスがこの勢いで増殖して行けば、早晩消えてしまうかもしれない。 今でも湧く水は絶えないが、昔はもっと水量が多く、この下の田んぼ地帯の用水として使われていた田崎池も、今では親水公園として人の心を潤す役割を果たすようになった。
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