稲刈りの風景(鹿屋市西祓川・祓川町)
ここのところ続く秋晴れの空の下、あちこちで稲を刈る風景が見られる。
いま刈られているのは普通作。だいたい6月初旬から梅雨入り前の夏至の頃までに植え付けられたもので、今年は台風(の直撃)にも長雨にもあわず、おおむね豊作と言ってよい。
西祓川から祓川方面へ行ってみると、収穫の真っ盛りだった。 バインダーという刈り取りと結束を兼ねた機械で収穫している高齢者夫婦(西祓川町)。
手前の田んぼの刈り干しは相当に乾燥が効いているので、脱穀は間近だろう。 鹿屋バイパス(国道220号)の「鹿屋大橋」の下から、鹿屋の母なる川、肝属川沿いの田園を望む。
この辺りの刈り取りはやや遅れている。2割程度だろうか。 刈り取りは、やはりバインダーだ。ウマを立てて掛け干しをする手間は掛かるが、コンバインで刈ると一反(300坪)当たり15000円かかるうえ、乾燥機での乾燥賃が米一袋に付き1000円くらいかかる。15袋収穫したとするとこれも15000円。合計で30000円也でバカにならない額だ。
台風さえ来なければ、天日干しの方が見た目もいいし、味も良いという。通りすがりに眺めるにしても、こっちの方が俗に「絵になる」のでありがたい。 7月に通りかかった時に見た祓川小学校の「体験学習農園」のその後はどうなったかと、西祓川から少し上流の祓川町まで行ってみる。
学習農園はまだ刈られていなかった。すっかり葉の緑色が抜けているので、もういつ刈ってもいいようだ。道路の反対側ではコンバインで稲刈りをしていたが、そこの人がもうすぐ刈り取るようだと教えてくれた。 コンバインによる収穫はとにかく早い。(コンバインのはるか後ろの緑の小山にあとで紹介するタノカンサ―が鎮座している。)
コンバインの中のタンクが一杯になるとホースを横に伸ばし、軽トラックの荷台にしつらえたじょうご型の袋に吐き出していく。
桜島の降灰で幾分空が霞んでいるものの、御岳(1182㍍)が望まれる田園風景は心に沁み込むものがある。(赤い屋根の向こうに祓川小学校の校舎が見えている。)
学習農園前の道路から北へ150㍍くらい、右手の田んぼの中の小高い丘の天辺にあるのがおなじみの「タノカンサ―(田の神様)」だ。
高さ40センチほどの可愛らしいタノカンサ―だが、今回は後ろに回って製作年を確かめた。 すると安永9年とあるではないか。安永9年は1780年で、鹿児島では前年の安永8年11月に桜島の大噴火があり、初冬という季節から考えるとこちらでも相当な火山灰が降ったと思われる。
その降灰の被害の軽微ならんことを祈って奉納(奉寄進)されたタノカンサ―ではなかっただろうか。
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