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出雲大社遷座祭(島根県出雲市)

 昨日5月10日は島根県出雲市の出雲大社で60年ぶりとなる遷座祭が執り行われた。

 今朝の7時前後のニュースでは7時前にある局が、7時過ぎには別の局がニュースとして取り上げていた。Cimg53627時前のある局のものは解説的な紹介だった。祭神は国譲りをしたオオクニヌシ命。Cimg5363一般の神社は二礼二拍手(かしわで)一礼で参拝するが、出雲大社では二礼四拍手(かしわで)一礼である。ただし、「拍手」は本来「柏手」とするのが正しい。Cimg5366今年のゴールデンウィークの観光客は去年のほぼ倍増となったそうだ。特に女性客が伸びたという。「縁結びの神様だから」ということらしい。
Cimg5364境内の説明。

 手前の青銅色の屋根が平成20年4月に遷座された拝殿(仮本殿となった)で、奥の檜皮葺の本殿が修築されている間、祭神オオクニヌシのご神体が仮に祀られていた。

 それから5年経った昨日5月10日の夜、遷座祭が斎行された。Cimg5375昨夜の7時から始まった「御遷座祭」。60年に一度なので前回は1953年(昭和28年)に行われた。しかしその前は1881年(明治14年)、前々回は1809年(文化6年)・・・と必ずしもきっかり60年というわけではない。アバウトな所が実は祭神のオオクニヌシ(大国さま)の包容力だろうか。Cimg5376あたりは闇に包まれてきた。見えぬように白幕を張り巡らせ、幕ごと修築なった本殿へ遷座。Cimg5378ご神体は本殿のある御垣内(みかきうち=内陣)へ厳かに粛々と移動して行く。

 ご神体は何か―に報道は触れていないが、おそらくオオクニヌシの別名でもある「八千矛(やちほこ)神」からして矛ではないかと思う。

 古事記によればオオクニヌシ命にはいま挙げた八千矛の他に「大穴牟遅(おおなむち)」「葦原色許男(あしはらしこお)」「宇都志国玉(うつしくにたま)」と多くの別名があるが、葦原中国を平定するのに最も有効だったのはやはり武器すなわち「矛」だったであろう。

 古事記に特によく伝承されている歌謡でも、八千矛はオオクニヌシの枕詞として何度も「八千矛の神の命・吾が大国主・・・」というふうに使われている。

 

 出雲大社の創建は垂仁天皇の時代にさかのぼるとされている。第11代垂仁天皇は4世紀の初めころの治世と考えられるから、そうなると1700年前の話になる。代々の宮司は千家が務めており、現在の宮司は84代目だそうである。一世代25年とすると2100年で紀元前のことになるが、それはいくらなんでも古すぎるだろう。

 日本書紀「斉明天皇紀」の5年(659年)の記事として、「この歳、出雲国造(名を闕けり)に命じて厳神之宮(いつがみのみや)を修めしむ。」とある。この出雲国造は出雲臣○○であり、「厳神之宮」とはのちの築杵大社(出雲大社)のことであるから、少なくとも1350年前には存在した大社であったろうことは間違いないはず。

 ここで注意を喚起したいのがこの斉明紀に登場する「厳神之宮(いつがみのみや)」で、私見ではこの「いつ(厳)」こそが「いづも(出雲)」の語源になっていると考えるのである。

 さらに本殿の中の主祭神であるオオクニヌシの座は、参拝者のいる南の方向ではなく西を向いていると言われていることと、創建の場所が「出雲の多芸志(たぎし=船舵)の小浜」であったことと考え合わせてみる。

 すると元来は九州北部の「伊都(いつ=厳)国」と言われる大国こそがオオクニヌシの本国であり、同じ北部の大国「大倭」に敗れた「伊都(いつ=厳)国」主オオクニヌシは「国譲り」をして九州から出雲地方に流され、上陸したところが「多芸志(たぎし=船舵)の小浜」であり、そこに御舎(みあらか)を創建した(古事記による)。

 であればこそ元の国である九州の「伊都(いつ=厳)国」を忘れまいと本殿から九州を望める西向きに座を設けているのではないか―というように筋が通ってくるのである。

 出雲大社は国譲り後の創建の際に「天日隅宮(あめのひすみのみや)」と書かれているので、「ああ、大和から日の隅つまり西にあるからそう呼ばれたのだ」と思いがちだが、それは大和王権が大和に確定してからの話であり、創建時点での話ではないことに気付かなければならない。ここを心して読んで行かないとわけが分からなくなり、「記紀なんて矛盾だらけだ。読む気がしないっ」と放り出すことになる。ならぬ堪忍、するが堪忍!


















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