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大隅史談会創刊号を見る

 先日、史談会副会長の隈元氏から「Iさんの家にまだこんな古い『大隅』があった」と、我が家に大隅史談会の創刊号から6号までと、15号、20号の合計8冊を持って来てくれた。

 昔、といっても50号を編集した際のことだから7年前の初夏のころ、鹿屋市立図書館に行って手元に無かった創刊号から30号くらいまでの目次をコピーさせてもらったことがあった。

 執筆者の名前と執筆者ごとの発表論文(歴史小説や短歌・俳句も含めて)をリストアップしようと、そのコピーと手元にある49号までの旧号の目次からまず執筆者をアイウエオ順に並べ、その人が何というタイトルの論文を書いたかを一目でわかるように集積したのである。

 (その結果は第50号の巻末に付録として載せたが、好評を得たと思っている。それによると投稿者数は226名で、延べテーマ数は989編であった。最多は故・神田三男氏の41編であり、現役では竹之井先生の39編であった。竹之井先生はそれ以後も一号あたり2編は書いているので最新の56号まででもう50篇は超えたはずである。功労賞ものである。)

 しばらく貸してくれるというので、まずはページ落ちのしそうな号について、大きめのホッチキスで止めたあと、背に透明テープを張って補強した。さらに破けそうな箇所も補強をしておいた。

 これで少しはページをめくるたびにハラハラしないで済むようになり、少しずつ読み始めたところである。Cimg5446_2創刊号は『大隅史談会誌』とあった。

奥付を見ると、昭和29年(1954)10月25日の発行である。編集者・発行人は永井彦熊(肝属郡牛根村麓)。印刷所は南日本新聞鹿屋支社。発行所を大隅史談会としてある。Cimg5447『大隅史談会誌』第2号。昭和30年9月20日発行。Cimg5448第3号はハッとするようなデザイン。昭和32年4月1日発行。タイトルは今日と同じ『大隅』になっている。大隅という楷書を揮毫したのは平泉澄・東大名誉教授。以後ずっとこれを踏襲してきた。

 サブタイトルに「航空博覧会 郷土館記念号」とあるのは、前年の昭和31年に開催された鹿屋海上自衛隊航空基地を主会場とする航空博覧会を受けてのことで、郷土館も設置されたらしい。この郷土館が単なるパビリオンで終わってしまったのは残念至極である。10万都市で歴史(郷土)資料館がないのは鹿屋市だけかもしれない。(もっと言えば、これははっきりしているのだが、10万都市で鉄道が通っていないのは鹿屋市だけである。昭和62年まではあったのだが・・・)

 さて、せっかく創刊号が手に取って読めるのだから、大隅史談会と会誌の創刊のいきさつを調べてみる。それには当たり前だが創刊号が情報を提供してくれている。

 会誌『大隅』の創刊は上述の通り昭和29年だが、実は大隅史談会そのものは昭和26年10月13日に始まっている。これについては創刊号の92ページ以下「発会までの経緯及び行事年譜」に詳しい。<発会までの経緯>(永井彦熊)にはこう書かれている。

 

 失神していた者が息を吹き返す様に、敗戦後虚脱状態であった国民が、漸く民族意識を取り戻し、全国的に郷土史研究が澎湃として起こって来た。

 古代文化の尖端を行っていた大隅が、又もや社会に取り残されるのかと遂に意を決し、当時の迫地肝付地方事務所長へ手紙を書いた。折り返し同感の返事があったので、茲に於いて各市町村長に対し、郷土史研究者の推薦方を依頼した(後略)。


 この郷土史への熱烈な取り組みは、創刊号の永井彦熊会長の「巻頭言」にも切々と謳われており、当時の皇国史観の完全否定による心身虚脱から立ち上がろうとする意気込みが垣間見える。

 行事年譜を見ると、昭和26年10月13日に発会式が肝属郡教育会館で行われており、出席者は当時の鹿屋市長・永田良吉をはじめ、各市町村長が勢揃いをしていて壮観なものである。どうやらこの会は戦前は「請願代議士」とも「ヒコーキ代議士」(大場昇著『評伝・永田良吉』2010年刊より)と異名をとった永田良吉鹿屋市長の肝いりのようで、会長は永田良吉とある。

 その後、永田良吉は名誉会長になり、会長は民間の永井彦熊が就任した。これだけ行政色が強いのであれば永田本人が当分会長職にあってもよさそうであるが、戦後公職追放になった経緯もあってすぐに辞任したのかもしれない。(永井彦熊は垂水市牛根麓の出身で、長らく高校教員をしたあと、年譜からは54、5歳の頃に史談会の発会責任者になったようである。上記昭和29年の創刊号「発会の経緯」を書いた時には会長になっていた。)

 かくて大隅史談会は発足した。

 (まだまだ興味ある記事など多いが、おいおい紹介して行きたい。)

 

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