天高く「芋」肥ゆる秋(鹿屋市池園町・下堀町)
10月に入り、周辺のイモ畑ではあちこちで収穫の時期を迎えている。
今朝も近くの郵便局に行く途中、県道沿いの畑で収穫の真っ最中に出くわした。戻ってからデジカメを首に掛けて畑に向かった。 ネット状の袋に満載のカライモ(サツマイモ)がもう三つも出来ていた。一袋に500キロ位は入っている。手前の黒ビニールは畝を覆うマルチ用で、雑草除けである。剥がしたあとの畝には雑草が見当たらない。このビニールは燃やされることなく再利用される。
50メートルはある長い畝の向こうに、二人乗りの掘り取り収穫機が見える。自走しながら上に乗った二人で掘り上から余分なツル切り、そして袋入れまでやってしまう優れものだ。
別の畑に行くと、ここでは4人乗りの大型の機械が動いていた。こっちは二畝を同時にやってしまうので、さっきの機械の2倍の能率性がある。実際にはスピードも速いので3倍くらいになるかもしれない。
収穫機の通ったあとに置かれる芋のぎっしり詰まった袋は、シャベルローダーという機械で持ち上げ、畑の端に並べられ、その日のうちにデンプン工場のトラックが引き取りに来る。
丸々と太った芋が、袋にぎっしりどころか溢れかえっている。
種類は黄金千貫。デンプン用だが、食用にもなる。ただ、そのままふかしては余り甘くないうえ、モチモチ感が全くないので、主にてんぷらにしておやつに食べることが多い。通称「ガネ」。揚げた芋の左右からにょきにょきと出た姿が、蟹が手足を広げた姿に似ているのでそう呼んでいる。(ニンジンやジャコなどを加えると、ちょっとしたおかずになる。)
我が家に帰ると、庭の隅の向こうから、機械音がする。 覗いてみると、ここでも掘り取りが始まっていた。一番最初の行程「ツル切り」をやっているところだ。ツル切り機を装着した耕運機を畦に沿って走らせていく。その後は黒マルチのビニールを剥がす。
畝が裸になったら、いよいよ「掘り取り機」を装着したトラクターで掘り上げて行く。土の中から面白いように芋が掘り上げられ、トラクターの後ろに転がり落ちる。
ここの畑では芋をツルの付いたまま向こうの道路近くに運び、そこでツルを切りながら袋に入れて行くやり方である。相当に時間はかかりそうだ。でも小面積の農家はたいてい夫婦二人での作業だから、これはこれでいいわけだ。収穫の喜びは変わるまい。
(追記)
10月18日の夕方6時過ぎのKTS(鹿児島放送テレビ)のニュースで、黄金千貫の開発者・坂井健吉さん(茨城県在住・89歳)が鹿屋市を訪れ、イモ畑で感激の対面をしたという報道があった。氏は鹿児島市紫原にあった国の農業試験場でサツマイモの品種改良に取り組み、13年かけてこの黄金千貫を開発して品種登録したのがちょうど50年前だという。
「50年も変わらず作られているとは、開発者(ブリーダー)冥利に尽きる。ありがたいことですね」と坂井さんは相好を崩してインタビューに応じていた。長い年月作り続けられているということは非常に良質だということで、これからも鹿児島の農業のひとつの要として重宝されていくことだろう。
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