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安倍総理の靖国神社参拝

 12月26日の安倍総理大臣の靖国神社参拝に対して、中韓はもとよりアメリカからも「失望した」というコメントが発表され論議になっている。Cimg7558 この画面のあとに「失望した」が続く。(テレビ画面は29日朝の関口宏の「サンデーモーニング」より)

 靖国神社に合祀されたA級戦犯をめぐって、中韓各国は厳しい目を向けるのはこれまでもたびたびあったが、アメリカが素早く否定的なコメントを出したのは珍しい。Cimg7564 それというのも、安倍政権になってから画面に示されたように、憲法改正や国家安全保障会議や武器輸出三原則など、いわゆる「積極的平和主義」が推進されつつあるが、このあたりにアメリカが不安感を持ち始めたことの表れであろう。

 日米地位協定についても、ついこのあいだアメリカ国務省の報道官(女性)が「地位協定を変更することはあり得ない」と明言しており、日本がアメリカを抜きに独自に「積極的に」世界への発言力を増すことへ釘を刺した。

 靖国神社参拝についてはこれまでも、中曽根首相・大平首相・鈴木首相・橋本首相・小泉首相が任期中に参拝しているが、これほどの批判は浴びなかった。小泉首相の時、中韓はかなり強く非難していたが、小泉首相の個性が勝っていたためこれほどの問題にはなっていない。

 そもそも靖国神社は「国のために戦い戦死した兵士」を祀る施設で、起源は明治維新で官軍側に加わって命を落とした藩士などを祀ったのが始まりで、東京九段に建立された「東京招魂社」がその直接の前身である。

 官軍側というのが微妙で、官軍とは具体的には明治政府軍のことであるから、西南戦争を引き起こして戦死した(実際には自決だが)西郷隆盛をはじめとする反政府軍すなわち私学校軍側の兵士は祀られていない。(鹿児島市に南洲神社があり、そこに祀られてはいる)

 また戦争指導者でも戦死しなかった乃木稀典や東郷平八郎なども祀られていない。(それぞれ乃木神社、東郷神社がある)

 靖国神社参拝で中韓が問題視するのは「A級戦犯」の合祀(1978年)で、A級戦犯は国際軍事法廷で「最も重い戦争責任がある」として死刑その他に処せられたのであり、彼らにとってみれば「世界の歴史が認める公的な戦争犯罪人」なのである。

 東京極東軍事法廷において日本人にとって到底認めがたい犯罪容疑がでっち上げられたことは事実であるが、彼らはそんなことにまで忖度することはあり得ず、したがって上のような認識の下で、日本の国家指導者が靖国神社に参拝するのは「世界の歴史が認める公的な戦争犯罪人」の前にひざまずくような行為であり、到底認められない―ということなのである。

 靖国神社は法的には国家や公的なものと何の関係もない一宗教法人なので、「戦犯」を祀ろうが何しようができる施設であり、それはそれで続行したらいい。「戦犯」ではない多くの戦没者にとって靖国は心の拠り所であるし、靖国には招魂社の昔からの歴史というものがある。

 しかし国家として慰霊をするのであれば、やはり宗教色抜きの「千鳥ヶ淵戦没者墓苑」があるように、そこをもっと拡充して第二次大戦の全戦没者、まずは日本人のみを、そして可能であれば日本との戦いにより斃れた各国の人々の慰霊にまで踏み込むような大きな寛容の心で祀る施設であって欲しいと思う。

 鹿児島にはこのような精神で建立された物がある。

 戦国時代の覇者となった島津氏第17代・島津義弘が高野山に<敵味方戦亡者慰霊塔>を建立して、互いに戦った相手をも含む慰霊を行っているのだ。そしてこれにならった施設が同じ鹿児島に戦後の昭和28年に建てられ、今日でも慰霊祭が行われているのである。

 その施設とはこちら

 将来、パックスアメリカーナ(アメリカ主導の戦後体制)が下火になった時には、日本の戦った真の相手は英米等の欧米ではなく、欧米の主導する有色人種への植民地支配そのものであった―ということが世界の常識になり、そうした歴史認識の下で世界から日本へ訪れるであろう人々が<敵味方戦亡者慰霊塔>を見たら、さすがに日本人は寛容であり見習わなければならない―と心を打たれるに違いない。

 

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