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寅次郎の子守唄(14作目)

 毎週土曜日の夕方に放映されている「寅さんシリーズ」も昨日で14作目。1975年の製作だからほぼ40年前のもの。Cimg7736

 この14作目は初めて見るのだが、観ていて少し違和感を覚えた。

 というのは、今回はマドンナが二人いたのである。ひとりは佐賀県呼子港のヌード劇場のダンサーで、春川ますみが演じていた女。もうひとりは地元葛飾の病院に勤める看護婦役の十朱幸代。

 開始のしょっぱなに、さくらの夫ひろしが印刷の機会に右手を巻き込まれて病院に行った―というシーンが出てくるが、その時に明るくはきはきとした看護婦として登場したのが十朱幸代であった。Cimg7737 治療室から出て来たひろしを心配そうに見守るさくら。Cimg7739 帰り際に「何かあったらまた来てくださいね」―てきぱきとひろしに言い含める十朱幸代。タコ社長も感心している風だ。

 病院から帰ってとら屋の奥の座敷で、タコ社長や帝釈天の御前様を含めてみんなが病院の看護婦の噂話などしている所へ帰って来た寅は、御前様の言う「とら屋の大黒柱(跡継ぎ)」という話には全く乗せてもらえずに拗ねてしまい、また旅に出る。Cimg7742 行った先は佐賀県の東松浦半島の突端にある呼子港。ここで知り合ったのがヌードダンサーをしているという女。Cimg7746 港の店で買ったアンパンを春川ますみに分けてやる。

「こんな小さな町で、あたしの裸なんか見る人がいるっていうんだから・・・」という春川に、寅さんは、

「あんたの裸を見に来たんじゃなくて、美しさを見に来るんだよ」と言う。

春川ますみは「あんた良かことを、言いよるね!」と心を開く。Cimg7744 この春川ますみの同僚だったダンサーが子どもを産んで放り出してどこかへ行ってしまったのを、春川ますみが面倒を見ながら父親を探し出して子どもをその父親に手渡すというシーン。(父親役は月亭八方)

 ヌードダンサーながら心根の優しい役が春川ますみで、寅さんがこんな女にぞっこんほれておかしくはない。

 それがこの話では、その晩に宿泊した宿で、赤ん坊と父親(月亭八方)と再会し、一緒に飲みまくった挙句、翌朝起きてみると寝ている赤ん坊の横に「どうか赤ん坊をよろしくお願いします」と置手紙があり、父親は遁走してしまい、寅さんが赤ん坊を押し付けられて柴又に帰る。

 これから赤ん坊をめぐる話が展開すると思いきや、柴又ではひろしの怪我で知り合いになった十朱幸代との恋愛をめぐる内容にすり替わって行く。

 ここからは佐賀県呼子港での赤ん坊押し付けられ事案は無くてもいいような展開になり、どうも二つのマドンナ映画を一つにまとめてしまった感があるのだが・・・。

 赤ん坊は本当は春川の実の子で、結局寅さんはお人よしにも預かって来てしまい、「こんな家庭もいいなあ」などと思いつつ、春川に次第に惚れていき、訪ねてきて「実は、私の実子なの―」と告白され、所帯を持とうかという気になったところで、実の父親が現れて寅さんのはかない恋が終わる―というストーリーで一話が出来ていたのかもしれない。

 十朱幸代との恋は義弟のひろしの怪我がきっかけで始まるが、これももう少し膨らみを付ければこれはこれで一話が成り立っただろう。

 何か予算か撮影上の制約があったのかもしれないが、寅さんシリーズが始まって10年目の第14作はちょっと首をかしげるストーリー展開であった。Cimg7741 この作では「おいちゃん(叔父ちゃん)」役がまた代わり、下條正巳が演じるようになったが、おばちゃんの三崎千恵子は相変わらずだ。この作で一番の好演者はこの三崎千恵子だったろう。実子のいなかったおばちゃん(三崎)が、赤ん坊の両親が現れて引き取りに来た際の、渡すものか―という渾身の演技と、赤ん坊が去って行ったあと、赤ん坊に着せていた服や下着などを奥の部屋で畳みながら涙を流すシーンは、見ていて実に切ないものだった。

 

 

 

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