沖縄県知事選は辺野古への移設反対派が勝利
沖縄県知事選は有名な「花~すべての人の心に花を~」を作曲した前参議院議員の喜納昌吉氏を含む4名が立候補して争われたが、前那覇市長で普天間基地の名護市辺野古への移設反対派の翁長雄志氏が前知事仲井真氏を破って当選した。 次点の仲井真氏に10万票もの大差をつけての当選で、総投票数の53パーセントを獲得している。(画像は今朝7時のNHKニュースから)
仲井真前知事が安倍首相に直接会って、今後10年間は毎年3000億とかの振興資金を沖縄に貰う約束をしたにもかかわらず、沖縄県民は「金よりも基地負担の大幅な軽減」を選んだ-ということだろう。 新知事・翁長氏が言っているように「いったいいつまで沖縄にたくさんの米軍基地を置いておくのか、もう我慢ならん」というのが沖縄県民の声だろう。
自民党政府は「普天間基地を辺野古に移設するのは前知事との確約で、覆すわけには行かない。粛々と事業を進めて行く。」という考えだが、現実に反対の新知事が生まれ、辺野古のある名護市の市長も反対なのである。
これを強行突破するわけには行くまい。
ところがもう一つ、政府側の見解で必ず出るのが日米同盟、つまり安全保障の面で辺野古に新しい基地が必要-という認識である。
しかし辺野古に基地を作ったからといって格別に米軍が日本をより強力にサポートしましょうというわけではない。
アメリカにとっては普天間基地を削る代わりに辺野古を確保するだけであり、要するに代替案に過ぎない。沖縄にとっても日本中の米軍基地の74パーセントが沖縄に集中して置かれている状況が変わらない以上、辺野古どころか他の沖縄県内のどこにも移設して欲しくないと考えるのは当然である。 翁長新知事の手腕で、米軍基地を一つでも沖縄から減らしてもらいたいものだ。
太平洋戦争末期に日本領土内で唯一米軍が上陸して来て戦闘となり、多くの県民が犠牲になったのが沖縄である。
( 「沖縄県民かく戦えり、後世に特別の御高配有らんことを!」と、沖縄方面軍の司令官であった牛島満陸軍中将はそう本土の総司令部に打電したあと自決し、6月23日に沖縄戦は終了した。
その献身的な戦時協力と犠牲への「特別な配慮」が大量の米軍基地設置だったことを知った牛島中将は、泉下で号泣しているに違いない。)
ーお詫びー
上記のカッコ内には誤謬がありました。
まず、「沖縄県民・・・」を打電したのは、当時の海軍中将で沖縄根拠地軍司令官の大田實でした。また、打電した先は総司令部ではなく海軍省の次官あてでした。
大田實海軍中将は牛島満陸軍中将の自決に先んじ、6月6日に短銃で自決をしているそうです。
最後に書いた「牛島中将は」の部分は、「大田中将は」と変えるべきでしょうが、両将ともに同じ思いを共有していると考え、「大田中将はもとより陸軍司令官であった牛島中将も」とします。
11月18日 ブログ「鴨着く島」管理人
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