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中国・韓国とどう向き合うか

 最近立て続けに3冊の本を読んだ。Cimg1454 シリーズもので、著者は三名、いずれも日本に帰化した黄文雄(こう・ぶんゆう)・呉善花(お・そんふぁ)・石平(せき・へい)の三氏である。

 向かって右から発行順に並べた(いずれも初版本である)。

 右端の本は発行が2013年(去年)の4月30日で発行元は李白社(東京・新宿区。ホームページ有り)、発売元は徳間書店。

 真ん中は発行が2013年(去年)の12月31日(発行元、発売元同じ)。この本にだけ著者の顔写真入りの帯を付けておいた。右から「石平(1962年生)」「黄文雄(1938年生)」「呉善花(女性=1956年生)」で、あとでも出てくるが、それぞれ故国は中国、台湾、韓国である。

 左端は発行が2014年(今年)の1月31日(発行元・発売元同じ)。

 それぞれの本は三者対談で、一冊ごとに聞く側と話す側とを変えてあるが、読んでみると聞き手が随分と自己のことを語っているので、それは形式上のものに過ぎない。

 さて本の紹介だが、結論としては「タイトルが簡明率直に表現している」ということになる。

 最後の本のタイトルは「中韓とは絶交を辞さない覚悟で」と、やや過激だが、内容的には「現在の中国は太平洋に進出しアメリカと肩を並べたがっており、領海等の問題ではいちいち彼らの恫喝や舌鋒に付き合っていないで柳に風と相手にせず、国防を充実させるのが一番である」というものだ。

 それでは、対談の内容で記憶しておくべきことや心に残ったことを本の発行順に中から若干の抜書きをしておく。抜書きは「」で、自分のコメントはーを付けて書くことにする。

① 日本人は中国人・韓国人と根本的に違う』

石平「中国の論議というのは敵が最初からすべて悪いという前提に立ってやるものなんです。日本のテレビでもよく出てきますが、あの中国外務省のスポークスマンの喋り方、ああいう喋り方が典型的な批判文章のスタイルです。・・・威圧的な言葉で圧倒して言い負かそうとする。そうやって自分の立場がいかに正当なものかを強調する。我々が教育されたあの頃の作文も、まったくこれと同じものです。」(41ページ)

 ―石平氏の言う「あの頃」とは文化大革命により毛沢東思想が喧伝された時代。前代のものすべて批判した毛沢東の文章が模範とされた。石平氏は大学教授の父一家とともに地方に左遷(下放)され、酷い目に遭っている。その後、1989年の天安門事件の政府の対応に失望し、故国を捨てた、という。

石平「小泉政権時代の5年間、日本は靖国問題で中国とも韓国とも喧嘩を徹底的にやりましたね。その結果、中国側も韓国側も、いわゆる歴史カードが有効なものではないことを多少は悟ったのではないかと思います。 中国と韓国がメチャクチャな歴史観で日本を叩くというああいう時代がちょっと変わって来たんですね。 ですから、日本は堂々というべきことを中国、韓国に言っていかなくてはならないんです。これをしなければ、また元に戻ってしまいますよ。」(52ページ)

黄文雄「・・・それからだんだんわかってきたことは、日本のマスメディアは反日を歓迎しているんだということです。反日の言論があればすぐそれに飛びつく。まるで条件反射のように飛びつく。それが日本のマスメディアの大きな特徴じゃないかと思います。ようするに自虐的なんですよ。 日本の反日の砦は、どうやら大学とマスメディアのようだということが80年代から徐々に見えるようになってきて、90年代からはさらにはっきり感じられるようになりました。」(202ページ)

 ―黄文雄氏は1964年に来日したそうで、1972年に日中国交回復してからの日本のマスコミは台湾を見限り、共産党の主導する「統一中国」支持へとシフトして行った。これ以降、黄氏は日本のマスコミへの違和感を感じ始めたという。 氏は日本が台湾を統治していた最後の日本的教育制度の受益者で、多少の日本語の読み書き・会話が可能であった。また日本の敗戦後に台湾に入って来た国民党軍の恐怖政治を身をもって体験した一人でもある。

呉善花「私は1983年の来日ですが、最初はやはり皆さんと同じに、マスメディアが政権批判を公然とするのを見てものすごく驚きました。と同時に、韓国で「日本人というのは心から反省しない民族だ」とばかり言われていたんですが、日本のマスコミは反省ばかりしているわけです。これには本当に信じられない思いがしました。最初は気分がよかったんですが、日本統治の歴史の実際をいろいろな書物から知って行くうちに、反省ばかりのマスメディアの姿勢に、しだいに疑問を持つようになりました。」(202~203ページ)

 ー呉善花氏は4年間の軍隊(徴兵)経験のあと、日本の大学に留学。大学院の時に書いた韓国人ホステスを巡る『スカートの風』がベストセラーになった。『攘夷の韓国・開国の日本』では山本七平賞を受賞している。

 『日本人の恩を忘れた中国人・韓国人の「心の闇」

呉善花「日本は国交正常化後、韓国と中国に多大な経済・技術・人的支援を行ってきました。韓国の高度経済成長も、中国の近代的な産業基盤の整備も、日本の援助なくしては達成できなかったものです。

 韓国が日本の援助資金で推進したものは、産業基盤のインフラ整備・重化学工業化・農業近代化・中小企業育成・産業団地・地下鉄・多目的ダム・下水処理場なども建設、医療・教育の充実などあらゆる分野にわたっています。韓国が世界に誇る浦項製鉄所や地下鉄一号線をはじめ、日本の資金援助と技術協力によって完成したものは枚挙にいとまがありません。

 日本は中国に対しては、総額7兆円を超えるという、まさしく空前絶後の規模のODA資金を投入しています。北京空港、北京の地下鉄をじはじめ、日本のODAによって建設された近代的な産業基盤のインフラは、これまた枚挙にいとまがありません。

 日本は隣国の韓国と中国を格別に重要視して、惜しみない援助を続けてきました。しかし今から20年前の1993年、韓国に金泳三政権が、中国に江沢民政権が成立しますと、両国は手のヒラを返したように強硬な反日政策をとるようになってきました。以後、両国の反日姿勢は強くなる一方で、今年になってからはついに、両国が提携して日本との対立を深めていくまでに至り、日中韓関係は歴史的に最悪といえるまでの状態に陥ってしまいました。

 恩を仇で返すとはまさにこのことです。」(2~3ページ)

 ―以上はこの本の呉善花氏の前書きの部分だが、ここに述べられていることこそが、上で紹介したように、日本留学によって呉氏が調査研究して得た真実だろう。よくぞ言ってくれたものだ。 このようなことは日本人自身がマスメディアを通じて知るべきなのだが、マスコミは情報を小出しにするか「戦後賠償の一環」的な報道しかしないので一般日本人の認識から落ちてしまっている。情けない話ではないか。

呉善花「・・・朝鮮半島の諸国はずっと、無人の小さな岩礁島の竹島なんかまるで眼中になかったんです。韓国があれだけ執拗にこだわるのは、竹島は「韓国が実力で日本から奪還した領土だ」と意義付け、反日のシンボルにしているからです。

 北朝鮮は<対日武力戦争によって独立を戦い取った>と誇っていますが、韓国の独立は日本から戦い取ったものでないことが、韓国には悔しくて仕方がない。そこで一方的に李承晩ラインを引いて竹島を軍事的支配下に置くことで<日本から領土を戦い取った>実績をつくったわけです。…韓国の場合は中国と違って、海洋への関心から竹島の領有にこだわっているのではないんですね。」(124ページ)

石平「80年代の中国における日本観は、90年代のそれとは全く違うものでした。80年代は全般的に、親日とまではいかなくても、中国国民が日本にかなりの親近感を持った時代です。 日本に親近感を持った背景にはいくつかの理由があります。一番大きな理由は、鄧小平の時代から改革開放の路線を推進したことです。…改革開放以前の中国は世界有数の貧困国でした。その経済立て直しのために鄧小平が考えた方策の一つが、外国から資金と技術を導入して経済成長の起爆剤にするというものでした。

 …ということで目を付けたのがお隣りの日本です。…当時の中国からすれば、日本は何段階も上の技術大国です。そういう日本に目を付けて技術を導入しようというのですから、当然、反日などもってのほかです。政府主導で日中友好をアピールしていきました。」(164~5ページ)

 ―この部分が、前書きの呉善花氏の説明につながってくるわけである。当時の日本は余程の「黄金の夢の国」に見えたらしく、「カラスの鳴かぬ日はあっても、中国難民船の着かない日は無かった」といわれるくらい、日本への一攫千金の密航船が多発したのは記憶に新しい。(今はサンゴの密漁だが・・・)

 また、石平氏はインターネットでもホームページ「石平のチャイナウォッチ」を開設しているが、9月18日に次のものをアップしている。

「私が今まで見た中国流ブラックユーモアの絶品中の絶品だが、(中国)政府当局がなぜデタラメな日本批判を行っているかに関し、ネット上で次のような指摘があった。

<1940年代、毛沢東は日本軍を利用して国民党政権を潰した。80年代、鄧小平は日本の経済援助を利用して経済成長に成功した。そして90年代、江沢民は日本を利用してナショナリズムをあおり立てて政権を維持した。今の政権も同じことをやろうとしているのではないか>と。

 なるほど、近代から現代に至るまでの日中関係史は、まさにこの書き込みの一つによって完璧に総括された気がする。」

 上の指摘のように、中国は「反日」を旗頭にして国内統治のタガにしているわけだから、反日キャンペーンに日本側が敏感に対応する必要はない。

③ 『日本人は中韓との「絶交の覚悟」を持ちなさい』

呉善花「<戦争放棄>や<侵略戦争禁止>を掲げた国が、いずれも正規の軍隊を持ち、軍隊の海外派遣を禁止していないのは、戦争放棄と言ってもそれは<一切の戦争放棄>ではなく、自衛権の行使、つまり自衛のための戦争、防衛戦争を認めているからですね。そしてそれらの国では、自衛権は国境を越えても行使しうるものと考えられている。だから軍隊の海外派遣をするんです。そこが日本の考えと決定的に異なるところです。」

黄文雄「そうですね。戦争放棄の条文解釈では日本だけが違うわけです。そもそも国際社会は1928年の<不戦条約>第一条で、次のようにはっきりと戦争放棄を宣言しています。 《締約国は、国際紛争解決のため戦争に訴ふることを非とし、かつ其の相互関係において国家の政策の手段としての戦争を放棄することを其の各国人民の名において厳粛に宣言す。》 ですから、戦争放棄の条項は日本国憲法だけに特有なものではなく、すでに1928年の時点で、世界の主要諸国が国際法上共通に受け入れるものとなっていたんです。日本、イタリア、フィリピンの憲法はいずれもこの不戦条約の精神に連なるものです。・・・(さらに現国連憲章第2条4項の「国際関係上の武力行使の否定」を挙げ)ところが、ここまで規定してもなお戦争が無くなることがないわけです。ですから私が言いたいのは、平和憲法があるから戦争にならないとか、平和憲法が無ければ戦争になるとかいうのは、まったくの幻想だということです。」

石平「中国みたいに、自分たちがやる戦争は正義の戦争なのだから、これは禁止の対象はにならないといって戦争をしてしまう国がある。戦争が無くならないわけです。」(36~38ページ)

 ―安倍首相が読んでいたら、我が意を得たりと喜びそうな観点である。この本の35ページの一覧表によると、日本の憲法だけが「不戦平和主義」を唱えているわけではなく、少なくともイタリア・フィリピン・ハンガリー・アゼルバイジャン・エクアドルなどは紛争解決手段としての戦争を放棄し、コスタリカとパナマは自衛隊以外の軍隊を持っていない。

 だが、最後の発言者・石平氏によると、中国は相変わらず自国の政策上、他地域への侵略戦争を起こしているので、日本はやはり自衛隊以上の国防能力を高めておかなければなるまい。

 (これを書き始める1時間ほど前に国分太一がキャスターを務める「いっぷく」というニュース番組を見ていた。その中で名古屋在住のあの長寿の銀さんの娘「長寿三姉妹(三女96歳・四女93歳・五女91歳。ただし以前は四姉妹だった…)」が世相を斬るというコーナーがあった。三姉妹は例の中国船のサンゴ密漁事件を見ていてこうコメントしていた。<あんなの山賊と一緒でしょ。なんで自衛隊が出てってドカンとやらないのかねー>と。いきなり軍隊である自衛隊は出せないが、せめて領海内に入った密漁船を海上保安庁の船で放水し、沈没させるような手段を取ればよかったのに、と思った国民は少なくあるまい。だ捕しても調書だけで資材・密漁物を押収もしないのは実に歯がゆい。中国にますます舐められるだけではないか)

黄文雄「トルコから北アジア一帯の言語は、だいたいアルタイ語系統の言語です。それに対して中国語は全く別系統の言語です。・・・日本と韓国は言語系統は同じでもものの見方や考え方が大きく違っています。・・・なぜそうなのかを考えてみると、やはり中国の儒教思想の影響が大きいんでしょうね。同じ朝鮮半島の文化でも、高麗時代と李氏朝鮮時代ではかなり大きな違いがあります。高麗時代は仏教思想の意影響が強いし、李朝時代は圧倒的に儒教の影響が強いです。」(74ページ)

呉善花「1392年に李氏朝鮮王朝が成立しますが、この年は日本では南北朝合一の年にあたり、室町幕府の成立期に相当します。中国では1368年に明が建国されて間もなくのころです。この時代が現在に至る日韓文化の基本的な違いを形づくる分岐点だったと私は思っています。」{75ページ)

呉善花「李氏朝鮮の政治は、徹底的に規格化された制度と画一的な手段を用いての政治でした。…ようするに朱子学に則った中国式の中央集権制を、あの狭い朝鮮半島で、本家の中国以上に徹底させたために、世界に類を見ないほど硬直した官僚国家体制ができあがり、その維持に狂奔することが政治そのものとなってしまったのです。」(77ページ)

 ―ここでいう「官僚国家体制」を文班と武班からなる「両班(ヤンパン)体制」ということが多い。中国の専制的中央国家体制のコピーだが、本場中国より儒教的官僚体質は徹底していた。これがいわゆる「小中華」朝鮮であり、開国までのほぼ500年間という長期間続いていた。王朝がなくなり、日本の統合から離脱した戦後の民主化でもやはり屋台骨の儒教的官僚支配の体質は残る。今日の午後のTBSテレビでは例の大韓航空機の「ナッツリターン事件」の特集で、韓国の財閥体質を報道していたが、韓国ではわずか10社の財閥企業が国民総生産の76パーセントを支配しているそうである。しかもそれら大企業はほとんど「一族支配」というから、民主主義も何もあったものではない。

石平「今の中国の延長には未来はありません。ただ、そのことから引き起こされるさまざまな出来事が他の国々を巻き込んでしまうということ、日本はそこを考えなければいけません。日本が逃げずに中国の脅威と向き合い、深刻な迷惑を受けることがないだけの国家戦略と国際戦略を構築して行き、中国の脅威からしっかり国を防いでいくことです。これはそのまま、アジアの未来を切り開くことにつながって行きます。それをやれる一番の可能性のあるのが日本なんです。」(203~4ページ)

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