桜島の降灰(鹿屋市池園町)
今日は庭仕事に精を出していたが、一段落ついて3時の休憩中にテレビをつけたら、桜島等の火山災害シンポジウムの再放送を放映していた。(画面はNHKから。以下同じ)
鹿児島県は火山地帯で、とくに直径が20キロメートルもあるような噴火口(カルデラ)が県本土の真ん中を三つと南海上の硫黄島付近の一つの合計四つも貫いているのは、世界でも例を見ない地理的条件であり、防災上極めて特異な対策が必要な所である。
今年は大正4年(1914)の桜島大噴火から101年でもあり、最近活発化している鹿児島県域の火山活動からして、住民にも危機意識を持ってもらう意味で開かれたシンポジウムであったようだ。 資料映像として映し出された「日本活火山総覧」(第4版)をみると、なるほど桜島、薩摩硫黄島、口の永良部島、諏訪之瀬島ではすべてここ2~3年内という最近の噴火(ただし桜島は年がら年中)である。さらにこの画面では見えないが、2011年1月26日に突如大噴火した霧島連山中の新燃(しんもえ)岳もある。
霧島火山に詳しい鹿児島大学の研究者は、 あの新燃岳の噴火の規模は、たかだか一週間で桜島が一年かかって吹き出す噴出物の量を上回っていたという。
べらぼーな話で、昨年9月に水蒸気爆発した御嶽山のように登山客がいたら、何万人が登っていたとしても全滅したであろうほどの大噴火だったのである。 京都大学名誉教授は桜島を南端の外輪山とする「姶良カルデラ」(噴出は28000年前)の地下のマグマ溜まりには一年間で1千万立方メートルのマグマが供給され続けている―といい、いつ新燃岳クラス(桜島大正大噴火レベル)の噴火が起きてもおかしくないそうである。
一昨年までの3年間、桜島の爆発・噴火は年間900回前後あったのが、昨年は450回に半減しているが、一回の噴火の規模の大きいのが何度もあり、少なくなったからといって大噴火の可能性が低くなったわけではない―とも警鐘を鳴らす。
何にしても、大正大噴火レベルの噴火災害を想定内のこととして念頭に入れておくことが絶対に必要だろう。
シンポジウム番組が終わったあとの4時半頃にいつものようにウメを散歩に連れ出したが、シンポジウムに合わせたかのように池園町から南町方面一帯を桜島の降灰が襲っていた。 真上の空は晴れて青空が見えるのに、太陽が霞んでいる。その前を帯状に連なった黒い雲があるが、これこそが流れて来た桜島の灰である。
画面右(北)から左(南)へと流されてきたのだが、このあたりで方角を東に変えたらしい。 黒い灰雲は南の山々の手前で左(東)へ向きを変え、
南町から吾平町方面を直撃したようだ。春先の黄砂(最近はPМ2.5)でもこのように霞むことがあるが、その際は空全体が霞むので違いが分かる。
我が家辺りはさほどではないが、それでも庭石の上に積もった灰に指で「灰」という文字が書けた。
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