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欧米対イスラム国

 日本時間で昨日の夜、パリのイスラム過激派による新聞社襲撃事件などの連続テロに対する抗議のアピールデモが行われた。Cimg1922 (画面はNHK午後7時のニュースから。以下同じ)Cimg1923 40を超える国や機関の首脳たちが腕を組んで練り歩いたそうで、そのこともだが、主催者のフランス政府発表では160万の人が各地から参加したという。

 この数は第二次大戦終了、つまりナチスからのパリ解放の際に行われたパレードに次ぐほどの規模だそうである。160万はたしかに大きい。Cimg1925 このデモではイスラム宗教国であるヨルダンの国王とパレスチナ暫定自治政府のアッバス議長とともに、彼らに敵対する関係にあるCimg1924 イスラエルのネタ二ヤフ首相が前列に並んで行進していたことで注目された。

 この映像を見ると今回イスラエルと同じ意思を共有したパレスチナ自治政府とヨルダンは、同じイスラム教でありながら、過激派であるイスラム国の存在には危機意識を持ち対応に苦慮していることが分かる。

 もともと同じイスラム教国内で、スンニ派だとかシーア派その他各派閥のような対立があったことはあったが、独裁的な国王なり大統領なりがいた国では強権的ではあるにしても、それなりの棲み分けがなされ、ある程度は秩序が保たれていた。

 政情の不安定要因は、欧米との歴史的な宗教文化的摩擦と石油の富による貧富の差の大きいことだったが、あのブッシュの湾岸戦争以来、この二つの要因がさらに大きく拡大してしまった。

 歴史的に見ると、大英帝国(イギリス)の中東における身勝手な外交戦略がまず現地に亀裂を生み、イスラエル建国により一層亀裂は深まり、第二次大戦後に衰退するイギリスにとって代わって世界最強国になったアメリカのイスラエル寄りの中東政策でさらに分裂は激しくなり、独裁的指導者が現れるようになった。

 世界の警察官アメリカがそれを楯にとってイラクのフセインを打倒したのは記憶に新しい(大義名分はイラクは大量破壊兵器を保持しているから懲らしめるのだーだったが、そんなものは無かったと後からブッシュも認めている)。そしてそのことがテロ組織を生む大きな要因になったのであり、自爆テロを今日のように活発化させたのは他でもないアメリカなのである。

 今度フランスが狙われたのは、英米ではつけ入る隙がないと考えたテロリストのいわば「腹いせ」だろう。フランスはイラク戦争には否定的だった国であるのに気の毒な話だ。

 デモ隊に加わった各国首脳や一般人へのインタビューが放映されたが、みな一様に「フランスは自由の国であり、その言論機関へのテロはお門違いだ。自由を守ろう」などと答えていたのが印象的だった。

 たしかにフランスは世界に先駆けて「自由」を一般市民が獲得した国であるが、自由だけではなく「平等」「博愛」も掲げていたはずである。いくら自由、自由とお題目のように唱えても、平等と博愛が無ければ得手勝手ばかりが横行する社会になってしまう。

 中東のイスラム教社会には欧米のような自由は無いかもしれないが、「平等」「博愛」(ただし、イスラム教の下に於けるーという但し書きは付ける必要がある)は国民の中の共通認識になっているのではないだろうか。

  昨日の関口宏サンデーモーニングの「風をよむ」のコーナーでは、日本はイスラム国のようなテロ組織を生んだ中東にどう対応したらよいか、興味深い解説があった。

 ひとことことで言うなら、日本は欧米、とくにアメリカの対中東政策に従って「集団安全保障」的な対応をするべきではないーということである。Cimg1903 (画面はサンデーモーニングから。以下同じ)同志社大学教授・内藤正典氏(現代イスラム地域研究者)のコメント。Cimg1905 アメリカによる原爆投下により無辜の市民が多数虐殺されたことを、同じアメリカによる湾岸戦争での空爆と重ね合わせているそうだ。Cimg1907 さらに、日本人が現地に行った際に、現地人を見下したような「上から目線」をとらないことが、日本人への信頼につながっているーという。Cimg1912 そのような日本人がアメリカに加担し、武装して戦うようなことはあってはならない・・・。Cimg1918 「風をよむ」の最後のまとめで、ゲストコメンテーターの元衆議院議員・田中秀征氏は「集団的自衛権制定に危惧を持ちます」と語ったが、同感である。

 小泉内閣の時に、日本はアメリカに慫慂され、イラクのサマーワという町に武器を保持した自衛隊を出動させたが、あの時は「戦闘地域でないから問題ない」という見解であった。

 だが、集団的自衛権法を制定したら「外交(すなわちアメリカのご意向)に於いては、国内法が通用しないのが一般である」というような見解がまかり通る糸口になるに違いない。


























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