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美しき田園(指宿市山川町)

 今日は、指宿の国立病院に入院している義母を見舞いに行って来た。

 昨年の11月に肝臓機能の検査数値が異常に高く、即入院していたが、今日の主治医の話では、数値的には全く正常値に戻っているということであった。ひとまず危機は去ったことになる。

 昼食後、かねてから行きたいと思っていた山川町の「ヘルシーランド」に足を伸ばし温泉に入って来た。Cimg2208 ヘルシーランドの玄関口。

 ここは浜児ヶ水(はまちょがみず)という所。昔から海岸に温泉が湧き出ていたようなところで、新たに泉源を確保して大規模に今時の温泉施設に変えたものだ。

 温泉の質は「ナトリウム塩化泉・硫黄塩温泉」で、泉源の温度は77℃もあり、泉量は普通なら毎分何リットルとしてあるものだが、豊富過ぎて(と思うが)書いてなかった。Cimg2210 玄関口から振り返るとすぐそこに「竹山」がそそり立っている。海抜202mのこの岩峰には天狗が住んでいると言われ、『三国名勝図会』には、決まった日月にこの頂から「火の玉」が飛ぶとか、すぐ下の海岸に船を停泊するのを嫌い、悪さをする―などとある。

 切り立った岩峰ゆえ人は容易に近づけないが、そのことが天狗や神の住む別世界と考えられたのだろうか。Cimg2213 温泉を出て西方面に戻って行くと、畑地帯が現れる。Cimg2212 午後の陽光を照り返す海を向こうに眺める畑では、ニンジンの収穫が行われていた。何とも贅沢な畑である。Cimg2217 人参畑を過ぎて今度は北に向かって振り返ると、見事なソラマメの畑が広がる。その向こうに見える工場のような建物は「山川地熱発電所」だ。ヘルシーランドと同じ泉脈が通っているのだろう。排ガスならぬ「排蒸気」が温かみを演出している。Cimg2219 道路の反対側を見るとここもソラマメの畑だが、はるか向こうには開聞岳が顔をのぞかせていた。Cimg2220 本土最南端を走るJR「指宿枕崎線」のとある小さな踏切からも、線路越しに秀麗な開聞岳が―。

 鉄道が真ん中を走る田園そのものの風景はどこともそう変わらないだろうが、すぐそこに海が見え、岩峰あり富士山のミニチュアあり、温泉由来の蒸気が立ち昇る光景はここだけのものだろう。美し過ぎる田園といってよい。

 ここ山川は鹿児島県でも屈指の農業所得を誇っている。温暖な気候、温泉の恵み、そして観光。どれをとってもよそにはない優位性があるから当然と言えば当然だが、戦前までは「米がとれない」「火山灰土に覆われている」というハンディキャップがあって農業的にはむしろ貧しかった地域である。

 先人のたゆまぬ努力でようやくここまで漕ぎつけたわけで、今や指宿・山川ブランドが確立して押しも押されもせぬ農業先進地となった。ヘルシーランドは元は海に近い別荘地として開発されたかなり辺鄙な場所であったが、上に見るような立派な温泉保養施設に生まれ変わり、ますます住みやすくなったと思われる。

 帰路の垂水フェリーは波穏やかで、晴れ渡った空に桜島が雄大な景色を見せてくれた。Cimg2228 写真をよく見ると、手前のマストとマストを支える左側のワイヤーとの間に薄らと霧島の連山が遠望できる。その部分を拡大すると、
Cimg2226 左が雪をかぶった「韓国岳1700m」、右手に新燃岳、そしてさらに右へ高千穂峰が連なる。Cimg2237 桜島に最も近付いた時、我々の乗った垂水行の反対(鴨池港)に行くフェリーとすれ違ったが、気のせいかフェリーの真上あたりにある南岳からうっすらと噴煙らしきものが立ち昇っているように見えた。

 今盛んに爆発・噴火を繰り返しているのは「昭和火口」で、南岳の8合目あたりから噴火しているのだが、南岳は昭和火口の「母火口」(正式にはこんな言葉はないが)であり、昭和火口が何らかの理由で火口に蓋をされた状態になったとき、行き場を失ったマグマが母火口である南岳までせり上がって行く可能性が無いとは言えない。もしそうなった時は・・・。





















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