« かのやばら祭り2015春 | トップページ | 史論集『大隅58号』が完成 »

チリで火山が大噴火

 22日に南米チリでカルブコ火山というのが大噴火を起こした。Cimg3099 (画像はNHK4月23日夕方5時のニュースから)Cimg3102 標高は2000mというから高山ではない。写真で見る限りでは富士山型で、山頂から噴火しているようだ。Cimg3100 噴煙は高度1万5千メートルにまで達したというからかなりの大噴火である。ちょうど画面左手に桜島の直近(4月23日午後4時47分時点)の爆発的噴火の情報が表示されているが、噴煙の高さは火口上2400mで、噴出孔である昭和火口の標高は約800mであるから、合計すると高度3200mに達したことになる。

 2者を比べれば明らかなように、今度のカルブコ火山噴火の規模の大きさが分かる。推定であるが、このカルブコ火山の噴火を上回っていたのが、大正3年(1914年)1月12日の桜島大正大噴火だ。

 カルブコ火山の山麓にはさしたる村もなかったようだが、桜島では当時島の人口は2万1千を数えたという(同じ頃の鹿児島市の人口は7万。ただし、のちに谷山市などと合併してどんどん人口は増えた)。

 桜島火山は安永年間(1770年代)に大規模な噴火を起こしてからは江戸の末期以来明治時代を通じて、穏やかだったようで、勤王の志士平野國臣が薩摩に下って来た際に詠んだという歌に「我が胸の燃ゆる想ひに比ぶれば煙は薄し桜島山」とある。

 そのためか火山の恩恵で暮らしやすい桜島に2万を超える人口があった。しかし大正3年の1月9日頃から急に地震や井戸の水がぬるくなったり水位が下がったり、真冬なのにヘビ・カエルが道路に出てきたりと、噴火の徴候は唐突だったらしい。

 当時の村長はこれぞ噴火の前触れと思い、測候所に問い合わせるも「大噴火はなし」と言われるが、それでも村びとの危惧は止まず、10日ごろからは続々と鹿児島市方面へ避難を開始した。

 2万のうちどれほどが避難し得たのか明確な記録はないが、とにかく死者・不明者は58人で済んだ(58人のうち桜島近辺での死者は30名ほどで、残りは鹿児島市内など本土での圧死や火災死である)。

 雲仙普賢岳の火砕流や去年の木曽御岳噴火による死者がそれぞれ30名を超えたことからすれば、大自然の最上級の猛威の中では幸いというべきだろう。

 カルブコ火山の今回の噴火も唐突であったが、43年前にも大規模噴火をしているので前例は比較的身近にあったわけで、山麓近くには居住地自体が無かったのかもしれない。死者は出ていないようだ。

 ただ、噴煙が1万5千メートルまで上昇したことで別の危惧が生まれている。Cimg3118_2 4月24日(金)の昼の番組「ひるおび」では噴煙の高さが地球の対流圏(高度1万メートルまで)を突き破って成層圏まで達しているとして、「噴煙が太陽の光を遮り、冷害などの気象災害を引き起こす」危惧があると指摘していた。Cimg3121 Cimg3119 1991年のフィリピンのピナツボ火山の噴火では2年後の冷夏現象、また1783年のアイスランドのラキ火山噴火は日本では「天明の大飢饉」(大凶作)に関係があるとする。

 それなら大正3年の桜島大噴火は―というと、昭和初期の東北大冷害・飢饉がそれに該当するかもしれない。その結果、東北地方では「娘の身売り」が盛んに行われたというが、結び付けるのは、そう無理ではないだろう。

 なお、大規模地震と火山噴火の間にはかなり高い確率で関係があるようだ。(参照ホームページ



 桜島は大正大噴火以来今年で101年。山体膨張現象は収まっていないから大噴火の確率は高い。薩摩川内市の川内原発再稼働中止訴訟を審理していた鹿児島地裁の判断は「新規制基準をクリヤーしているから問題なし」とゴーサインを出したが、果たして・・・。















|

« かのやばら祭り2015春 | トップページ | 史論集『大隅58号』が完成 »

ニュース」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« かのやばら祭り2015春 | トップページ | 史論集『大隅58号』が完成 »