甥からの贈呈本『寺山修司研究・8』
5月の連休に入る直前、小田原に住む甥から『寺山修司研究・8』(国際寺山修司学会)が送られてきた。 表紙絵はいつも天野天街というひとの大正ロマン風の作品で、今回のはエロチックである。
ただ、タイトルと右下の丸で囲まれた文字は一見すると判別しにくい。タイトルはもちろん「寺山修司研究」で、右下のは「九條今日子・追悼号」である。
序でに表紙カバーの全体像― こうなっていれば書店でも図書館でも棚から取り出せる。買おうとすると定価は2500円(税別)とちと値が張るが、希少本の類のようであるからリーズナブルだ(文化書房博文社発行・A5版237ページ)。
今号の目次をめくると、甥は三編を寄稿している。そして驚いたことに、奥付けでは甥が編集委員になっているではないか。慌てて最初に送られてきた5号そして6号・7号の奥付けを見ると、去年の7号から編集委員に名を連ねていることが分かった。これはしたり!
去年の今頃は、会長兼事務局をしている大隅史談会の年一回発行の史論集『大隅57号』の発送と、5月の第4日曜日に初めて開催する月例会の案内文作成や講師への連絡等でてんやわんやで、つい甥の送って来た『寺山修司研究・7』を甥の書いた部分だけを読み飛ばしたままだったのである。
今年のゴールデンウィークもおおかたは4月末に発行された『史論集 大隅58号』の贈呈発送と、発刊案内などで潰れるが、それでも今年の5月例会(5月24日)は会長である自分の発表を行うことにしてあり、その点で時間を取られることのない分、ずいぶん余裕がある。
ただ、甥の本が送られてきたのと同時くらいに、今最も読みたいと思っていたアメリカの歴史家ジョン・ダワーの『人種偏見』もアマゾンから到着し、こっちも史論集の発送の合間合間に読み継いでいた。そしてようやく昨日今日になって両者を読み通したのである。
例によって、甥の論稿はじめ他の研究者の発表内容を斟酌する知識はないので、甥の書いたもののタイトルだけを以下に掲げる。
「あっぱれ、アッパレ、五月晴れ ~九條今日子(寺山映子)さんに捧ぐ~」
「魂の叫び・魂のふるさと『恐山』」
「イケブクロウィーク&ウォーク」
そして書評
「書評・清水義和著『寺山修司 百年後の世界』(文化書房博文社)」
最初のエッセイのタイトルにあるように、ごく最近、故寺山修司(1983年没)の妻であった九條今日子(寺山映子)さんが亡くなり、今度の8号はその方の追悼号でもあった理由が判明する。
この九條さんという女優(松竹SKD所属)と寺山との結婚は、寺山の母ハツの大反対に遭い、途中で離婚を経験しながらも寺山との交流は続き、寺山のよき理解者・伝道者であったという。(この部分は同書の白石征「九條今日子さんのこと」による。)
甥の三番目のエッセーの「イケブクロ」とは豊島区池袋のことで、池袋には東京芸術劇場のほかいくつかの劇場があるそうだ。自分が東京を出た35年前とを比べるとまるで別世界である。今後もなお一層、とくに2020年に開催される東京オリンピックがらみの変容を遂げて行くのだろう。
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