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太平洋戦争はなぜ起きたか(続々)

 ヘンリー・ストークスは『反日中韓の詐偽を暴いた』の<第3章>「まやかしの南京大虐殺」で、さらに次のように述べる。(注)は引用者の注記である。

<いったいなぜ、アメリカはありもしなかった「南京大虐殺」をことさら(注:極東軍事法廷=東京裁判で)取り上げる必要があったのだろうか。

 そこには広島と長崎に原爆を投下し、また東京大空襲を含め全国百都市以上を空襲して約30万人の無辜の市民を大虐殺したという、まことに非人道的な事実が背景にあった。

 アメリカは太平洋戦争で勝利をおさめて戦勝国の筆頭国となったが、国際社会からその事実を突きつけられることをどうしても避けたかったのだ。(中略)アメリカは東京裁判でその戦争犯罪の罪を相殺するために「南京大虐殺」を活用した。

 (中略)

 たとえば、(注:日本軍の南京占領翌日の)1937年12月14日の南京での出来事は、「上海の中国軍から手痛い抵抗をこうむった日本軍は、その恨みを一時に破裂させ、怒涛のごとく南京に殺到したのであります。この南京大虐殺こそ、史上稀に見る凄惨なもので、実に婦女子二万名が惨殺されたのであります。」と、『真相はこうだ』(GHQがNHKに放送させた番組)で説明されている。

 しかし、同年12月18日付の「ロンドンタイムズ」の記事は、「14日……通りには死体が散在したが、女性の遺体は無かった」と報じている。もちろん「ロンドンタイムズ」の特派員が南京のすべての状況を把握できたと思わないが、婦女子2万名が惨殺されて女性の死体をまったく目にしないはずがない。

 この一点だけでもGHQが日本人を洗脳するために、巧妙にプロパガンダを行ったことがよく分かるだろう。

 さらに本来ならばそうした占領政策に反駁すべき日本のメディアが、あろうことか「プレスコード」による検閲を恐れ、自主規制してしまったのである。日本メディアはGHQの意向に沿った報道を繰り返し、国民はさらに(注:上の『真相はこうだ』というような)プロパガンダ情報によって洗脳されていった。>(同書 168~170ページ)

 ここでは1972年以降の開放政策以降、中国共産党政府がことさらに「南京大虐殺」を喧伝するようになったその大元は東京裁判にあったという事実が指摘されている。つまり開放路線とは言うならば中国のアメリカ寄りの政策への大転換であり、彼らも以上のプロパガンダに歩調を合わせた―ということが見て取れるのだ。

 で、その東京裁判の不当性を訴えているのが<第4章>」「東京裁判は文明の抹殺」である

 <第4章>では、鋭い指摘をしている。。(注)は引用者による注記。

<…連合国側は「平和に対する罪」を持ち出して裁判を行った。「平和に対する罪」は、1928年のパリ不戦条約で成立したなどという主張は、21世紀の今日まで多くの国際法学者が認めていないし、国連の国際法委員会も否定しているのは前述したとおりだ。

 つまり第二次世界大戦当時から21世紀の今日まで、「平和に対する罪」などというものは国際法上一度たりと成立していないのである。その時まではこの世に存在していない罪(そして今も存在していない罪)で、戦勝国は裁判を強行し、被告を死刑に処したのである。

 私は、そのように無法な東京裁判を認めることこそ文明への冒涜であり、復讐を合法とするようなものだと考える。これでは戦争が終わるどころか、殺されたら殺し返すという社会を認めるようなもので、「裁判所」すらいらない世界を生み出すことになる。東京裁判を受け入れることはそういう社会を肯定し、支持することである。

 そういう意味で、世界中の識者が東京裁判を批判したのは当然のことだ。(注:193ページには著者が『世界が裁く東京裁判』(明成社刊)から英米出身の当時の関係者による批判的なコメントが16名分引用されている)

 東京裁判は戦勝国による一方的な勝者の裁きであり、復讐劇だ。裁判という名には全く値しない。裁判長も判事も全員が占領国側から出されている。これは誰がどう考えても公平な裁判ではない。私は戦勝国側の人間であるが、そう主張せざるを得ない。>(同書 191~2ページ)

 著者は別の箇所で、東京裁判はGHQ最高司令官だったマッカーサー個人の日本に対する復讐の側面が強い―と述べているが、同時にそのマッカーサー自身が最高司令官解任後にアメリカの上院外交委員会の席で「太平洋戦争は日本の自衛戦争であった」(要旨)と言ったとも書いている。

 <第5章>「日本人は血を流してアジア独立を助けた」

 小項目「白人キリスト教世界のアジア侵略」で著者は次のように書く。

<いまでこそアメリカ合衆国の大統領に黒人がなっている。しかしかってそのようなことは想像すらできないことであった。黒人はアフリカから奴隷として連れて来られ、物のように売り買いされた。労働を担うという点では家畜同然の扱いであった。

 白人は有色人種を同じ人間として扱ってはいなかった。もっとも白人男性の性奴隷として黒人女性が扱われていたという事実もあるから、この点では準人間扱いされていたと言えなくもない。

 (中略)(注:この箇所では南北アメリカ、アジアにおける白人の先住民抹殺、侵略的植民地支配が触れられている)

 日本人も白人ではない有色民族である。同じ有色民族の国家として、こうした白人の横暴は看過できないものがあったであろう。実質的にアジアで唯一の非白人・独立主権国家であった日本にとって、白人支配は脅威でもあった。パリ講和会議(注:第1次大戦後の1919年~20年)で、日本代表団の牧野伸顕(注:大久保利通の次男)が人種差別撤廃案を行った背景にはこうした世界の現実があったのである。(注:この提案は賛成多数であったのだが、議長の米大統領ウィルソンが「全会一致」を楯に葬り去った。自国内に大量の被差別黒人を必要としていたから、米議会が反対したのだ。痛いところを衝かれたアメリカは国際連盟に参加せず、以後日本を仮想敵国とし始めた。)>(同書 210~211ページ)

 このあと著者は小項目「フィリピンの解放」「インドネシアの解放」「インドの解放」という歴史的事例を挙げて、日本軍が進出して来てようやく白人による隷属的な植民地支配から現地人が立ち上がり、終戦後に次々に独立を果たしたことを述べている。

 そして第4章の最後にはこう書く。

<はっきり言おう。ヨーロッパの領土になっていた全アジアが、その植民地支配から独立できたのは、日本人が血を流したからだ。

 欧米列強に支配され、植民地にされて苦しんできたアジアの人々を救い、彼らを独立させたのは日本なのだ。その誇りを胸に日本人は生きるべきだ。>(同書 226ページ)

※もろ手を挙げて賛成である。

 <終章>は「日本が進むべき道」

 著者は最初に「反日」の喧伝をする中国・韓国のそれぞれの「お国事情」を挙げてそのしたたかさを指摘し、「反日」の旗はこれからも絶対に降ろさないし、降ろすことができなくなっているという。

 その対応策として、著者は上で引用してきたような正しい「歴史認識」を日本人が持つべきであるとともに、「自主憲法制定」を唱える。

 安倍内閣が進めている安全保障関連法案を是とし、多くのメディアが安保法案は違憲で、戦争する国家になる、として反対を表明するのは「真の独立国家としてあるべき姿」(同書 231ページ)ではない―とし、その根拠が「国際法で自衛権は認められている。日本国憲法もそれを決めているのだ。集団的自衛権も日本の当然の権利として有している。」(同書 231ページ)としている。

 個別的自衛権は日本国憲法第9条で、「国際紛争を解決するための手段としての戦力は持たない」とあり、他国が日本の領土を侵略したり、ミサイルを撃ちこんで来たりされたら武力で持って対処する―という専守防衛に必要な戦力まで否定されるものではない、とは歴代内閣の説明であり、その解釈でいいと思う。だが、集団的自衛権については著者の言うように当然持っている―とするのはどうか。

 また、232ページで、多くのメディアが「違憲」と決めつけて報道しているが、なぜ成熟した議論ができないのか―としたうえで、その<最大の原因は、戦後70年、アメリカに自国の防衛をゆだねてきたことにある。>(同書 232ページ)とし、さらに、

 <日本がこれまで存続できたのは、アメリカの軍事力という後ろ盾があったからである。アメリカの軍事力がなければ、日本はとっくに他国に攻め込まれ、蹂躙されていたに違いない。>(同書 232ページ)

 と言う。

 この点は首をかしげる。

 サンフランシスコ講和で連合国との戦争状態が集結し、その後朝鮮動乱が勃発したころ、アメリカは日本に警察予備隊(自衛隊の前身)を創設するように進め、さらに自前の軍隊を立ち上げるよう言って来たが、吉田茂首相が首を縦に振らなかった。そして「海外の国と戦争をするためのものではない自衛隊」を増強する一方で、海外の国との戦争に備えるために日米安保・日米地位協定を結んで米軍に依存して防衛力を強めた。

 もし日米安保がなかったら「とっくに他国に攻め込まれ、蹂躙されていた」と著者は言いたいのだろうが、どこの国が攻めて来て日本を蹂躙したかもしれないというのだろうか。

 この辺りがよく分からない。

 日米安保を結んでいる(現在も自動延長中だ)中で、さらなる「集団的自衛権」を一体どこの国と一緒に行おうというのだろうか。アメリカしかないではないか。これでは単にアメリカとより軍事的に密接になり下請けをしたいというに過ぎない。

 もし、本当に集団的自衛権を行使したいのであれば、日米安保を破棄し、自主憲法に「集団的自衛権を容認する」と制定し、国連憲章の「旧敵国条項」(第53条)をなくしたうえで、完全な自主独立を果たし、改めて米国や韓国や台湾との集団的自衛権を云々すべきだろう。

 現状の日米安保、国連の「旧敵国条項」がある以上、日本の集団的自衛権は自主独立した集団的自衛権にはならない。

 この点についてはさらに考察が必要だと思う。

 とまれ、ヘンリー・ストークス『反日中韓の詐偽を暴いた』は、太平洋戦争の真因を解明し、われわれ戦後日本人に刷り込まれた「日本はバカな戦争をした。侵略し、非道(大虐殺・婦女子暴行)を行い迷惑を掛けた。」という見方を根底から覆す好著である。

 実に戦後70年経ってやっと出現した「大東亜戦争は日本の白人植民地支配に対するやむを得ない反撃であった。敗れはしたが、アジアの植民地は解放されそれぞれの民族の独立に大功績があった」との、白人(1938年生まれの英国人)による「大東亜戦争肯定論」に他ならない。

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コメント

いつも大変お世話になっております。垂水屋でございます。
ヘンリーSストークスの反日中韓の・・を買いました。やっと鹿児島のミスミまで行って・・こちらの本屋で探しきれなかったです。先日から読み始めました。非常に中身の濃い本で、私の知らない、?半身ハンギ?疑問に思っていたことが載っております。またちょくちょくブログ拝見いたしまして参考にしたいと思っております。ありがとうございました。

投稿: 垂水屋 | 2015年9月 3日 (木) 11時08分

垂水屋さんへ。
 9月3日の昼間に例の中国の軍事パレードをテレビで見て取材しておいたのを午後になってブログにしようとしている矢先に、指宿の義母が亡くなり、今日6日まであちらにいたので、コメントを見られず、今の返事になりました。
 どうか日本のあの大東亜戦争の原因を確実なものにして下さいよ。ヘンリー・ストークスは敵国英米の英国の出身だが、なぜ日本が単独で欧米植民帝国と戦ったのか―これを押さえておかない「大東亜(太平洋)戦争論」は、英米勝利者から見た「戦勝国史観」、反対に敗けた日本側から見た時の「戦敗国史観」という「偏見」によって、「日本軍国主義が一方的に悪い」とか、反対に「負けるとわかっているバカな戦争をしたものだ」となりがちで、これは真の歴史観ではなく、何のために戦ったのか、その結果現実にどうなったのか。日本は血を流してアジアの解放のために戦ったのだということを誇りに思え―と言っているのですよ。
 敵ながらアッパレとはこう人のことを言うのかな。
 

投稿: kamodoku | 2015年9月 6日 (日) 23時06分

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