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自由民主党発足60年

 自由民主党が発足して60年、当時の首相は現民主党の前々代表で日本の首相も務めた鳩山由紀夫の父・鳩山一郎であった。その後今年で60年経つが、アメリカのプレゼンスは一向に変わらず、今度の「安全保障法制案」でいよいよ自衛隊が「国際紛争を解決する手段としての戦力として完全に米軍の指揮権のもとに位置付けられる」ことになった。

 もともと日本国憲法は「マッカーサー憲法」とも言われるように、日本を金輪際戦争をさせないように「日本軍という武力の牙を抜く」憲法として制定された。

 鳩山一郎の前任総理であった吉田茂は1951年9月に米国務長官アチソンとの会談で「保有すべきだとおっしゃるが軍隊を持つなど到底無理で、今は戦後復興に全力をあげる」と言って結局、武力による防衛はアメリカとの安全保障条約によってカバーする―という選択をした。

 この選択は保守合同の1955年以降も引き継がれ、自由民主党の党是である「自主憲法制定」もお蔵入りのまま今日まで来てしまった。

 数年前から中国共産党政府が周辺諸国との対立を深め、あまつさえ南沙諸島の軍事基地建設まで強行するありさまで、アメリカはそれに対して「遺憾である」程度の論調しか出せず、中国の先鋭的な拡張主義になすすべを知らないでいる。

 そのことをアメリカでは「リバランス」と言い募り、日本へ「もっとコミットせよ」「我がこととして中国の拡張主義に対処せよ」と言って来ている。それへの回答が今年4月30日の安倍首相のアメリカ議会での演説「はい、そのようにします。集団的自衛権があるのだから軍事的にアメリカの応援ができますよ。それに対処できる安全保障法制を制定します、7月までには何とか」―というアメリカへの公約で、事実衆議院では「強行採決」を行い、さらにまた今日、参議院で「強行採決」をする構えだ(多分いまごろは採決されているだろう)。

 そもそも「集団的自衛権」なるものは、英米の「大西洋憲章」を基準とした「国連憲章」に初めて法文化された新しい概念で、しかもその集団的自衛権を含む国連憲章51条と、53条を照らし合わせると、「英米を主体とする連合国の敵国である日独の枢軸国が、戦争後もまた刃向って来たら一緒にやっつけましょう」という主旨であることが分かる。

 したがって「戦敗国」である日本(やドイツ)には権利がないのである。あるのは同じ51条に記載されている「個別的自衛権」で、これについては古い時代から自然発生的にある「自国が攻められたら自国で守る」ということで、日本も持って当然の権利である。Cimg5877 9月15日の中央公聴会(以下同じ)の野党側の公述人で名古屋大学の松井芳郎名誉教授はテロップでは「集団的自衛権は先進国が海外の帝国主義的な権益を守るために考えされた概念である」と述べたとされるが、この「先進国」は「戦勝国」の誤認か、テロップ上の誤記と思われる。

 さて、この個別的自衛権についてはすでに1954年12月に首相鳩山一郎の日本国政府が、憲法9条に関して「自衛権は保有している。したがって自衛隊は合憲である」という見解を出していることでも明らかである。

 今回は一歩進めて「集団的自衛権」の一部行使を容認する法案だが、上で述べたように、国連憲章では戦敗国には集団的自衛権は認められていないのであるから、そもそもこの法案は「国際法上違法である」というしかない。

 このような違憲かつ違法な「安全保障法制」は廃棄するのが筋で、百歩譲って「集団的自衛権」を行使したいのなら、日米安保を解消し、さらに国連憲章53条の「旧敵国条項」を廃止して日本を旧敵国扱いにしているタガを外したうえで、堂々と改めてアメリカなどと集団的自衛権を行使する対等の仲間になる必要がある。

 しかしその前提として憲法9条の「国際紛争を解決する手段としての戦力の不保持」を改め、民主主義的手続きによって「保持」に変えなければ法治国家とは言えない。

 Cimg5859 いつまでもアメリカのプレゼンスのもとに「強大なアメリカの戦力を後ろ盾としていた方が防衛は安上がり」だとか、「産油国での紛争に日本が戦力を行使し、血を流さないでいいか」「日本を取り巻く国際環境(要するに中国の進出)が厳しさを増すなかでアメリカの言うなりの安保法制は必要」などというアメリカべったりの論評を述べる者が与党の公述人に多いが、それではますます「日本の真の自主自立」が遠のくばかりだ。

 日本は大東亜共栄圏樹立のために「たった一国」で、英米蘭仏などの欧米の人種差別的植民地主義国家群と戦い、敗れはしたものの、戦後10年から15年で欧米の植民地は次々に解放され、「民族の自立」へと歩み始めた。以て瞑すべし。

 日本の日本らしいこれからの歩みは米国のプレゼンスから自立し、世界の国々に「これぞ日本だ」と言われる国になることである。アメリカのような製造するものと言えば農業と軍需産業の戦闘機・ミサイルしかなくしかも「株主万能」の「金金(かねかね)主義」の国家に未来はないだろうし、中国もアメリカの同じ主義に洗脳された「共産主義国家」(!)にも同様に未来はない。

 日本はこれらの国家とは違った歩みで世界の平和に貢献しなければならないし、おそらくアメリカを除くほとんどの国は日本のそのような生き方を歓迎するだろう。

 しかし国連では「旧敵国」だ。しかも国連分担金は安全保障理事会常任理事国である中ソ英仏より多額を遅滞なく払っている。

 そのような国連からは脱退した方がすっきりするが、永世中立国スイスが長い間、国連に入らなかったが比較的最近になって国連入りしたように、旧敵国で安全保障理事会の常任理事国には逆立ちしてもなれない(旧敵国だから)のだが、それでも入っておいた方が常任理事国以外の世界の国々と交流するためには非常に役に立つ。

 スイスといえば、かって20年くらい前まではよくあったマスコミなどの「どの国が一番好きか」というアンケート(世論調査)では、常に断トツの一位であった。

 ところが、スイスは「徴兵制」であり、一部の地域で「直接民主制」を採っているなどの実態が知れると、特に「徴兵制」を布いていることからマスコミの忌避するところとなり、こういったアンケート自体報道されることがなくなってしまった。

 しかし今や相変わらず「憲法9条は絶対で、自衛隊すら違憲だ」などという分からず屋はいなくなっただろう。したがって憲法9条を「専守防衛のための戦力は保持する」としたうえで、スイスのような永世中立を国是とするのが良い。当然、日米安保は解消する。沖縄の米軍基地も無くなる。

 西洋との交流以来ここに160年、日本は欧米や隣国との紆余曲折を経て「永世中立国(ただし、専守防衛戦力は持つ)」として、もっとも日本らしいあり方で世界各国と付き合うべきだ。

 苦虫を潰したようになるのは、アメリカと欧米の一部とアメリカびいきの日本人だが、実は中国も韓国も歓迎するはずである。また世界の多くの国々も「待ってました」と大歓迎をするだろう。

 安倍首相の以前の「日本を取り戻す」というポスターを見て、「安倍首相はアメリカとの一方的な軍事コミットから、自主独立の日本を取り戻す」のかと思ったのだが、「尖閣諸島を国有化して取り戻した」民主党野田政権のほうが、日本の本来のあり方に近いような気がしてきた。

 「何でも民営化」「小さな政府」というアメリカの猿真似をし始めた中曽根政権からの一連の動きを見ていると、日本が日本本来の「民主的・文化的・平等的」な穏やかな国になるべきところを、「金・株・武力」のアメリカ(たった240年の歴史と、インディアンはじめ人種差別の酷い国)の後追いをしてどうするのか!

 目を覚ませ!日本人!

 専守防衛戦力保持の永世中立国を目指そう!

 

 

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