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10党の意見開陳

 安全保障関連法案が参院に回され、ほぼ自民・公明案に決定されようかと云う間際に、日曜夜のNHK「安全保障関連法案10党討論=どうする安保法案採決」なるものが、放映された。Cimg5832 画像は同番組より。円卓は手前から公明、右へ自民、NHK司会者(男女)、民主党、維新の党、共産党。後ろのひな壇は右から改革の党、社民党、生活の党(山本太郎と仲間たち)、日本を元気にする会、新党改革の代表者。

 こうしてみると小選挙区制によって「二大政党を目指す」としたかっての自民党などの思惑は全く達成していないことが如実に見て取れる。しかし考えてみると英米の二大政党制というのは国民の自由な意思表示によってそうなっているのか、むしろ疑問に思われる。日本のような10党も乱立するのが良いとは思わないが、4~5党くらいはあってしかるべきではないか?Cimg5837 さて、各党の意見開陳の前にNHKでまとめたプレゼンテーション。新安保の4大柱だ。

 このうち「集団的自衛権」については国連憲章から明確に謳われ始めた概念で、この「集団」とは第二次大戦の「戦勝国」のことであり、「戦敗国」でありかつ国連憲章上の「旧敵国」条項適用国たる日本は残念ながら入っていない(入れてもらえない)のである(日本が国連安保理事会の常任理事国に絶対なれないのも同じ理由である)。

 戦勝国(おおむね英米を主軸とした「連合国」で日独が加盟する前から国連に加盟していた国々)が、再び日独(枢軸国)のような敵対国家と紛争を起こしたら一緒にやっつけましょう―というのが本旨の「集団的自衛権」なので、旧敵国(戦敗国)であった日本が「集団的自衛権」を行使することはそもそも不可能なのである。

 しかも日本は単独でアメリカと「日米安全保障条約」を結んでおり、これは日本が軍事力が不足しており、かつ平和憲法で他国との紛争に於いて武力行使ができないからアメリカに肩代わりしてもらう―という片務的軍事同盟でもあり、そのことから言っても日本は集団的自衛権を放棄しているわけである。百歩譲って日本が集団的自衛権を行使できると考えても、アメリカとの片務的な軍事同盟を結んでいる以上、アメリカとの軍事的結合の「強化」になるばかりで、その他の国に対する集団的自衛権行使はあくまでもアメリカとの合意を前提とするほかない。Cimg5844 民主党の岡田代表から「これはアメリカからの要請ではないのですか」との質問に、自民党の外交問題の重鎮である高村副総裁は一瞬押し黙り、しばらくして口を開いたが、図星だろう。

 要するにアメリカが中国の強大化に対して、「自らまいた種」でもあるので、たとえば南沙諸島問題に対しても、牽制するだけで実力行使に出られない背景があり、それを日本がやるように仕向けつつあると見てよい。

 アメリカが「自らまいた種」とは―1972年に中国共産党政府を承認し、国府(台湾政府)を追放して国連安保理事会常任理事国の地位をはく奪し、その挙句、何と自由も民主主義もない共産党政府を国府に替えて常任理事国に据えたことである。しかも中国共産党政府軍と米軍は朝鮮戦争の時に敵国として戦っているのになぜ安保理の常任理事国になったのか不可解千万だ。結局、日本を旧敵国として押さえつけておくことが主眼だったのである。

 中共を承認し常任理事国にしたあとは怒涛のごとくアメリカ資本が海を渡り、今日の中国の金満金権腐敗国家を仕立てあげてしまい、アメリカ以上の「自己チュー」国家にしてしまったのだが、今頃になって内心しまったと思っているのだろう。もう後戻りは出来ない相談である。Cimg5843 維新の党は「地球の裏側で起きた米軍がらみの戦闘に出兵するようになりかねない自民党の案は憲法違反だが、我が党の後方支援活動は地域を限定して周辺事態に対応するものであるからOK」というが、仮に北朝鮮がアメリカ艦船に対してミサイル攻撃をしてきた場合、海自が出動するようになるわけだが、それをアメリカに対する「宣戦布告」と見なせば、日本が対北朝鮮への戦闘に参加せざるを得ないことになる。

 そうなると全面戦争にもなりかねず、拉致被害者を居留民に見立てて「居留民保護」の名目で朝鮮半島への出兵が合理化されるはずである。ところが北朝鮮の後ろ盾の中国が黙ってはいないので、戦いは泥沼化する恐れがある。

(日中が戦って喜ぶのはアメリカで、米国債もドルも高値安定となる。戦争の原因は国際関係の悪化にあるというのは過去の戦争で、現代は戦争することによって儲かる(金の動きが活発になり、生産・投資した以上にバックがある)軍需産業や機関投資家がうごめいていると考えた方がよい時代になっている。)

 まだ国民の6割が反対し、8割が説明不十分としている安保関連法案―「そうなんです。アメリカ様には楯突けないのです」と言ってしまえばすっきりするが、それでは次の選挙に勝てないのだろう。自由党と民主党が合同(保守合同)して60年。嗚呼、いまだに情けない。

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