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新三本の矢

 29日の国連総会演説後の記者会見で安倍首相は「新三本の矢」政策について得意げに語っていた。Cimg6152_1 国連演説後の記者会見で各国記者を前に「新三本の矢」を解説。(画像はNHK7:30のニュースから)

 新三本の矢の前に初めの「三本の矢」政策を復習しておくと、①大胆な金融(年間80兆円という紙幣の垂れ流し) ②機動的な財政投資 ③規制緩和による経済成長、の三本である。

 この中でもちろん①が中心の政策で、デフレマインドを解消すると意気込んだが、相変わらず国民消費は伸びず、②と③に乗っかった企業・産業だけはわが世の春らしい。こういった先行して「儲かった企業・産業」が全体を牽引して行くから大丈夫だ―との触れ込みだったが現実は冷え込んだままだ。

 これについて、首相はおおむね思い通りに行っていると胸を張るが結果が出ていないので何とも言いようがない。地方では、もうだれが首相になっても同じだ―と思うくらいに何の恩恵もない。<地方創生>は画に描いた餅に終わる可能性が高い。

 「新三本の矢」は安倍首相が自民党の次期総裁に無投票再選された時に演説の中で出された最新の政策(口約)で、

 ①GDP600兆円を目指す ②子育て支援を拡充する ③社会保障改革を継続する

というものだった。

 総論として「国民総躍動時代」を創る―というもので、誰もが自分らしく生き生きと躍動できる社会を目指すそうである。このフレーズ自体は大変すばらしいが、抽象的だ。

 さて、①と③はこれまでの自民党政権の踏襲で、目新しいものではない。600兆円という数字を掲げたのは唯一具体性がある。現在のGDPは490兆円というから20パーセント余りの伸びである。誰が見ても聞いても大風呂敷だろう。

 ②ももちろんこれまでも「少子高齢化担当大臣」を設置して、高齢化の問題とともに自民党政権のみならず民主党なども取り組んできたわけだが、今回は出生率を1.8に上げるというのだ。

 今の出生率が1.2~3であるから、これも大風呂敷かと思うが、具体的な施策についてはこれから見守りたい。

 と言って、実現するには大きなハードル、というかブレーキがある。それは「男女雇用機会均等法」以来の「女性の活躍の場を広げよう!せっかくのキャリアを生かそう!」という大合唱である。

 これあるがゆえに女性の多くにストレスがかかり、「そうだ、のんびり子育てなんかしていては、社会に取り残される。収入も激減し、おまけに将来もらえる年金額も低くなってしまう。だから子育てなんか早く済ませてまたキャリアに戻ろう」と思ってしまう。

 だから子どもはせいぜい一人か二人、結局、総合的な出生率は1.2
から1.3止まりに張り付いている。子供人口はどんどん減り、高齢化はますます進む。

 そこで思い切って視点を変え、「子産み・子育ては立派な仕事である。したがって産んだ子供一人につき○万円の賃金を母親に支払う」という風にすればよい。賃金と言ったのは「仕事」だからで、言葉を変えれば「子産み・子育て年金」となる。原資は高齢者向けの介護保険と同様に「子産み・子育て介護保険」を創設して賄えばよい。母親の子供に対する仕事は「介護」に他ならないからだ。

 たとえば3人の子を産み育てている母親は(○万円×3)万円を手にするが、この額が普通に外で仕事をする場合の額に匹敵するものであれば、多くの女性は3人を目標に子を産み、家でゆったりとストレスなく子育てに専念するだろう。

 子どもの方もゆったりと育てられ、やがてわが家を巣立つときも十分な温かい心と安心感を持って出て行き、必ずや社会に貢献するに違いない。一番下の子を送り出したあと、母親は必要ならばゆったりと社会復帰すればよい。

 「女性も男性並みに能力を磨け」「キャリアを埋没しては社会的損失」「自己実現の夢を忘れるな」などと男女平等・男女雇用機会均等の美名のもと、どうも女性が追い立てられ、煽られて過ぎている。

 煽る傍らで「子どもが少な過ぎる。もっと産んでくれ。え、収入がなくなるから嫌だ?そんなこと言わずに、なあ、産んでも託児所や保育園を充実させるから大丈夫だよ」などと取って付けたような<産め!でもちゃんと社会で働け!>という施策は矛盾を含んでおり、もう限界だ。

 ここらで男女が区別されて生まれた深い理由を感じ取り、もう一遍のどかな―つまり、母親が家庭の大黒柱だった(家庭が重要な仕事の場だった)時代を取り戻したいものである。

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