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土の中のお宝

 今年のノーベル賞に二人の日本人が選ばれた。医学生理学賞の大村智北里大学名誉教授と物理学賞の梶田隆章東大教授である。

 物理学賞の梶田教授の方はニュートリノ研究で、日本ではすでに小柴東大名誉教授がその基礎研究でノーベル賞をもらっているほど層の厚い研究分野だが、医学生理学賞の大村名誉教授の分野はユニークである。Cimg6376 土中の微生物の一種・放線菌から抽出化合した物質から作られた(作ったのはメルク社というアメリカの製薬会社)薬品で、最初は動物関連の薬として販売されたが、人間のオンコセルカ病というアフリカに多い寄生虫性の病やフィラリアによる症状に劇的に効く薬として役に立っているという。(画像は10月7日のクローズアップ現代から。以下同じ)Cimg6367 実はNHKでは1994年の「クローズアップ現代」で、大村名誉教授の発見・化合したこのイベルメクチンと云う名の薬について紹介していたのだった。Cimg6355 そのこともあってか、キャスターの国谷さんも表情が明るく話が弾んでいた。

 他のメディアでも触れていたが大村教授本人の言葉として、「祖母からはいつも<人の役に立つことをしなさい>と教えられていた」とのコメントを今夜のクローズアップ現代でも取り上げていた。Cimg6378 少年時代はやんちゃで喧嘩っ早く、あまり勉強のできる子ではなかったらしいが、スポーツは出来たようで、高校からはスキーに打ち込み、山梨大学に入ってから国体に出場するほどの腕前になっていたという。 

 卒業後は定時制の高校教師になったのち、一念発起して某大学院に進み、北里研究所からアメリカ留学し、その時に製薬会社のメルク社から多額の研究費を付託されて研究に没頭する毎日となり、ついに土壌の中から見つけ出した放線菌からの抗生物質エバーメクチンの大発見につながった。

 その時付与された研究費の額は東大の10倍くらいはあったろうといい、それはそれで「産学連携」の嚆矢として注目された。Cimg6366_2 アフリカでは2億とも3億とも言われる人たちが、新薬の恩恵にあずかり、今やオンコセルカという風土病は絶滅寸前だそうである。Cimg6349 アフリカと言えば、野口英世が現地で「黄熱病」の研究に取り組み、自らが感染して命を落としたことで余りにも有名だが、大村名誉教授とは次の二点でも共通する。

 一つは二人とも地方の農家の出身であること。大村は山梨、野口は福島。

 二つ目は二人ともアメリカの財団や会社から資金を提供されて研究に没頭できたこと。大村は製薬会社で、野口はあの有名なカーネギー財団から。

 だが、大村教授は結果を出して人類に貢献したのでノーベル賞を手にした。おそらく祖母の「人にために・・・」が後押しをしたのだろう。その点野口英世は母親だが、バックアップするには程遠かったようだ。

 それでも「偉人・野口英世」の名はその悲劇的最期も相まって、今でも日本では燦然と輝く存在であり続けている。

 

















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