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巨大な火山災害

 Cimg6243 昨夜(10月4日)9時のNHK特番『巨大災害』第3集「火山列島・地下に潜むリスク」では、桜島に大きな異変が起きているとしていた(画像は同番組画面から)。Cimg6259 去年打ち上げられ、地上460kmを周回軌道とする探索衛星「だいち2号」には合成開口レーダーというのが取り付けてあって、地表面にレーダーを照射しその反射を調べることで、何と1センチ単位で地球表面が膨張したか凹んだかが解析されるという。Cimg6263 それによると、大正大噴火(大正3年=1914年1月12日)で多量の溶岩が流れ出た鍋山と現在活発に噴火爆発を繰り返している昭和火口との間が膨張しているのが観測された。Cimg6265 膨張の大きさは16センチというからほんのわずかなものだが、他の活発に活動している火山でも最大で12センチ、多くは一桁の数値であるのに比べて、突出して大きい。(16という数字のすぐ下が鍋山火口。左手隅の二つ並んだ火口は小さい方が昭和火口、大きいのは南岳火口)Cimg6272 大正3年の大噴火の時は鍋山からの多量の熔岩は早崎集落を呑みこみ、早崎(瀬戸)海峡を埋めて大隅半島と陸続きにしたが、今度またもし大規模噴火が起きたら鍋山を呑みこんで再び大隅半島側に火砕流と熔岩が押し寄せることになりそうだ。それとも反対側の小火口から西へ流れて磯海峡を埋め立てて、薩摩半島と地続きになるか?(ほぼ有り得ないが、そうなると大隅半島と薩摩半島が地続きになり、大隅側の利便性は飛躍的に向上する・・・。)

 日本列島全体から見たら桜島の大規模噴火は局所的な災害に収まるが、もっともっと規模の大きな火山災害が「カルデラ噴火」である。Cimg6308 日本列島には活火山が110個あるが、その中でカルデラ型の噴火によって形成されたものは12あり、北海道内に6個、青森(十和田)、神奈川(箱根)、熊本(阿蘇)、そして鹿児島3個(姶良・阿多・鬼界)がそれで、北海道は数としては多いものの、面積比(密度)から見ると鹿児島が最も多い。

 日本列島の人類史上、直近のカルデラ噴火は鬼界カルデラ噴火の7300年前(これは鹿児島の縄文早期までの高度文化をほぼ壊滅させた)で、それより2万年ほど早い霧島市を含む錦江湾北部の姶良カルデラ噴火は、旧石器人をほぼ壊滅させ、鹿児島と宮崎南部に分厚いシラス台地を現出させた。

 何と南九州人はここ3万年で、言わば「二度絶滅している」のである。上の画面によれば過去12万年で、北海道を含む日本列島では18回ほどの巨大カルデラ噴火に晒されたそうで、そうなるとカルデラ噴火は約6500年に一度起きている計算になる。Cimg6309 最後のカルデラ噴火が鹿児島の鬼界カルデラ噴火の7300年前であったから、噴火予知連の藤井会長が「頻度からすれば、カルデラ噴火がいつ起きても不思議ではない」と語るゆえんである。Cimg6315 その際の災害のすさまじさをNHKでは各方面の研究者の総合的な見地としてシミレーション画像を作成していた。

 モデルは約9万年前にカルデラ噴火を起こし、現在はその外輪山内部に阿蘇町・高森町という人間の大規模集落のある阿蘇カルデラであった。Cimg6318 噴火の数か月前から徐々に噴火爆発を繰り返し、地下に溜まった厖大なマグマが1割程度噴出したあと、突然火山本体の周辺から溢れるようにマグマが噴出し、それによって火山本体の真下に空洞ができるため火山本体が重さで地中に落ち込み、そのことがさらに噴出を促進して大噴火となる―これがカルデラ(鍋)の成因だそうである(画面は火山本体の周辺から大量のマグマが噴き上がったところ)。Cimg6320 直径20キロのカルデラが陥没してできると同時に四周に火砕流が流れ出す。そのスピードたるやすさまじく、北方の福岡市辺りまでわずか10分ほどで到達するらしい。したがって大目に見ても30分で九州全体を初期温度800℃という火山性ガスと噴砂の混合物が覆うことになり、地表のあらゆる生物は死に絶える。

 このころまだ日本列島に新生人類はいなかったが、旧人がいたにしても絶滅しただろう。ものの本によると新生人類はちょうどその9万年前の頃アフリカを出て、片方はヨーロッパ方面へ、片方はユーラシア方面へと分かれたというから、日本列島に到達する頃には今の阿蘇カルデラの風景が広がっていたに違いない。

 そこで再び鹿児島の7300年前の鬼界カルデラ大噴火だが、この噴火は(人類が文明を開発しはじめた)有史以来最大の火山噴火といわれており、先に触れたように南九州の7500年前の「壺(型土器)」に象徴される高度な文化を消滅させ、おそらく同時に中国大陸の河姆渡遺跡に象徴される高度な農業文明にも壊滅的な津波被害をもたらしたものと思われる。

 ことほど左様に、日本列島では火山・地震・津波・台風・豪雨等の災害が目白押しの状況であったし、今でもそうである。

 このような自然災害をこそ乗り越える知恵と行動が喫緊の課題として求められているのに、人間同士の戦いなんかしている場合じゃないだろう。日本だけではなく世界的に見ても50年いや100年に一度というくらいのあらゆる自然災害が多発している。

 日本列島でこれまで経験してきた災害復旧・復興のスキルをさらに磨くことに国策を持って行くべきで、他国の(つまりはアメリカの)要請にいつまでも従って戦争の加担などする必要はさらさらない。かえって世界から見下げられるのがオチだ。

 対日戦勝国(英米仏露中、ただし台湾政府を除く)以外の世界のほとんどの国は日本が戦争をしない平和国家だということをずっと見て来ている。その日本観こそがまっとうな見方であり、日本はそれに応えて行くのが筋だ。

 武力によらない世界平和への寄与こそ、世界のほとんどの国は日本に求めている。

 どうしてもアメリカの戦争の下請けをしたい人間はアメリカに帰化して思う存分ドンパチやればよい。どこの国に移住しようと「今のうちは自由」なのだから、早くした方がいい。

 日本は日本で守る。当たり前である。アメリカのプレゼンスがあるから日本は守られてきたという人がいるが、プレゼンスがなければ自国のことは自国で守っただろう。日本人の侍魂を忘れちゃなるまい。

 アメリカの軍事力におんぶしていた方が自国で装備するよりも安上がりだ(からずっと日米同盟はあるべきだ)と語る軍事評論家がいるが、それではいつまでたっても日本は「イヌ」ではないか。

 世界の平和に医療・災害・技術・資金・・・で堂々と寄与すること、こっちが日本の採るべき道だと多くの日本人は思っているはずだ。






















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