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両陛下のフィリピン訪問

 昨日、天皇皇后両陛下はフィリピンへ向かわれた。Cimg7950 空港に到着しアキノ大統領の出迎えを受ける天皇陛下。(画像は27日朝のテレビ朝日「モ-ニングバード」から。以下同じ)
 御訪問の表向きは「国交正常化60周年記念行事のため」ということだが、真の目的は太平洋戦争で戦没した日本人、フィリピン人双方の慰霊のためだという。Cimg7968 皇室取材記者として長い経歴を持つ神田秀一氏によると、「先の大戦で無辜の犠牲となった多くの人々を慰霊すること、これが昭和天皇の御遺志であり、今上陛下はそのことが常に念頭にある」というわけで、国内はもとより各国の激戦地を訪ねて無念の方々に思いを致す「慰霊の旅」を続けられている。Cimg7982 去年パラオを訪問されたことは記憶に新しい。Cimg7958 その両陛下の今度の訪問日程を見ると、まず初めに当地フィリピン人犠牲者の「無名戦士の墓」を訪問され、Cimg7962 明日(28日)は要人や在フィリピン日本人らと面会し、やっと明後日の帰国前日に「日本人戦没者慰霊碑」に花を手向けられるという。

 つまり、フィリピン人への慰霊の方を優先される行程を組まれたわけで、これはもちろん当地への配慮であり、敬意の表れでもある。Cimg7972 実は54年前の1962年、皇太子時代に美智子妃と訪問された時、まだ日本人慰霊碑など建てられるような時代ではなく、太平洋戦争で日本軍によって殺害されたフィリピン人の遺族感情はかなり反日的であったのである。

 しかし美智子妃の戦争孤児への同情と優しさや、1896年に当時の宗主国スペインによって刑死した建国の父と仰がれるホセ・リサールの記念碑に献花したことなどで、フィリピンの人々はたちまち融和に向かったという。Cimg7976 番組では「無名戦士の墓に供花」(右側の写真)となっているが、上には細かい字で「ホセ・リサール記念碑での供花」とある。画像の間違いだろう。

 ホセ・リサールという人はまだスペインがフィリピンを植民地としていた時代に活躍した文人であり医者だった。言語的にも天才と言われ、30か国語を理解したそうであるが、スペインからの独立を目指す革命家としてスペイン官憲からマークされてついに刑死させられた。

 その2年後の1898年に起きたスペインとの戦争に勝ったアメリカが、今度はスペインに代わって植民地支配をするようになり、それに反発したフィリピン人との交戦でアメリカは数十万規模のフィリピン人を殺害している。

 スペイン人による支配はちょうど日本にポルトガル人が渡来した1500年代の半ば(フランシスコザビエルは1549年に鹿児島上陸)から始まり、実に330年余り、その後アメリカによる支配が1946年までの約50年、合計でほぼ400年の西洋的植民地支配に晒されてきた。

 戦後は共和国の道を目指したが、アメリカとの絡み(癒着)の強いマルコス政権による独裁があったりして後進国の域を脱せなかったが、最近は次第に活気付いてきている。アメリカ軍駐留の太平洋地域では最大と言われたスービック基地も返還され、名実ともに自主独立のフィリピン共和国に生まれ変わりつつある。

 日本に花嫁として渡って来るフィリピン女性は総じて我慢強く評判が良いような気がするが、対中国投資でひどい目に遭ったり遭いそうな企業は東南アジアやインドにばかり目を向けずに、同じ島嶼国家であるフィリピンも新たな投資先とし、彼我の協調繁栄を目指してもいいのではないだろうか。










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