日本がアメリカの一州に?
こういう馬鹿もいるんだな、と呆れている。 例えば・・・で述べているのだが、日本がアメリカの一州になることに「憲法上の問題は?」と切り出している。
昨日開かれた「参院憲法調査会」の席上で、かってテレビの「行列のできる・・・」という番組でレギュラー出演したことのある弁護士出身の丸山という参議院議員の発言である。
憲法ではそのような国際関係については規定がない。というよりそもそも想定していない。それが独立国家の憲法というものであり、憲法以前の話である。 これが言いたかったのか。日本がアメリカの一州になったら当然アメリカの憲法および諸法規が適用されるから、集団的自衛権は個別的自衛権に吸収されるし、日米安保も日本という国がなくなるのだから雲散霧消する。
しかしそうなるといよいよアメリカ人として「テロとの戦い」に血を流すことになる。おそらくかって韓国軍がベトナム戦に駆り出されてとんでもない戦いを強いられたように、新アメリカ人となった旧日本人を「本当のアメリカ人になりたければ祖国(米国)のために血を流すんだ!」と戦闘の最前線に送り込むはずだ。
彼はまたそうなったら北朝鮮による拉致事件も起こりえなかった――とも言っているが、どういう意味かよく分からない。拉致事件が発生したときに日本がすでにアメリカの一州であったら、米軍(とともに日本人部隊も)が出動して救出に行っただろう――としたいのだろうか。
これも例えば・・・と前置きしてアメリカの現状を、「かって奴隷だった黒人の流れである大統領が今のアメリカの大統領になっているが、奴隷が解放されたころにそんなことは全くあり得ない話だった」とし、もし「日本がアメリカの一州になっていれば1億2千万人の巨大な州としてその中から大統領になる人間が生まれてもおかしくはない」――というような意味のことを付け加えている。
つまり彼は<日本がアメリカの一州になるなんてことは考えられもしないだろうが、アメリカの奴隷の立場にあった黒人が今の大統領になるくらいだから、ありえない話ではない>と言いたいのだろう。
ここで彼が現大統領オバマをかっての奴隷の出身と取れるような事を言ったが、この認識は誤っている。オバマの父はケニヤ出身の非奴隷黒人であり、母はアメリカの白人なのだ。
黒人とみればその内容も知らずに、「奴隷の子孫だ。アメリカでは黒んぼが悪さをしている」というような差別的思考に陥りがちなのは、戦後にアメリカナイズされた人間(要するにアメリカ好みの日本人)の偏見である。
(誰だって「ホワイト・オンリー」の差別に晒されたら頭に来るではないか。奴隷として売り飛ばされ、人間扱いさなかった黒人の子孫たちの身にもなってみるがいい。)
丸山議員もその差別観の下に教育された戦後日本人の偏見からまぬかれていないことをはっきりと示したわけである。 野党三党は辞職勧告決議案を提出するそうだが、それよりこういう輩はアメリカに移住して市民権を獲得してアメリカ人になれという勧告決議案を出したらどうか。
奴隷の子孫の黒人たちのわんさといるので、アメリカには行きたくないな――などと愚痴をこぼすのかもしれないが・・・。
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