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ああ、モンゴル大相撲!

 いやはや、恐れ入った取り口。Cimg8539 同じモンゴル出身横綱日馬富士との大一番――と思いきや、軽い右張り手で立ち会うと、すぐに左へ変化してあっさりと勝利を決めた(画像は29日朝のTBSから)。

 見物客からは落胆のブーイングが響き、土俵上の優勝インタビュー中にもヤジが飛ばされ続けた。Cimg8542 これについて街角インタビューで流されたのが、まずはブーイング派に属すると思われる女性。これが普通の感覚だろう。Cimg8544 これに対し若い女性は、「勝つことにこだわり、その意味では悪役に徹している。だったらなお白鵬はスゴイ」そうである。

 へえ、そうかね。勝てばいいってもんじゃなかろうに・・・。こういう「意地でも何でもとにかく目的こそが大事で、それをやり遂げたんだからえらい!」という若者が増えているような気がする。

 目的のためには手段を選ばず――という考え方につながるが、それで委員会?(いいのかい?)Cimg8548 「勝ちゃあいいんだろ!」の本家本元の元横綱の朝青龍のツイッターがちょこっと紹介されていたが、こういうヤカラが大相撲の品位を下げてまくって来て今の「モンゴル大相撲」になってしまった。Cimg8535 一夜明けての記者会見で、「インタビュー中に涙を見せたのはどうしてか」という質問に――母国でアルツハイマーを患い療養中の父親に対して、しばらく優勝から遠ざかっていたが、また優勝して喜ばすことができたこと――で感極まったらしい。

 「モンゴル大相撲」になってから、「猫だまし」「張り手差し」など、本来横綱がとったら見苦しいやり口でさっさと勝ちを決めてしまうケースが多過ぎる。「懸賞金ドロボー」と言われても仕方あるまい。もっとがっぷり四つに組んでくんずほぐれつの観客を沸かせる取り口を見せてくれ。

 観客は結構な料金を支払ってわざわざ、ワクワク感を味わいに見に行くのである。あんな相撲ではストレスを発散するどころか逆に溜まるではないか!

 また、懸賞金を掛けている企業もあんなつまらない取り口を期待して出してはいないだろう。取り口によっては懸賞金を半額もしくはゼロにすることがあってもいい。それこそ出す方の勝手だ!(懸賞金が高額過ぎるのでついつい勝ちにこだわるのだ。)

 場所中にBS放送で2時半ころからの幕下や十両力士の相撲を見たことがあったが、彼らの方が本来の四つ相撲を取っていて懐かしさを感じることだった。彼らに懸賞金はかかってはいない。

 こうなったら「猫だまし」も「張り手差し」もできないように、本場のモンゴル相撲に倣って、四つに組み合ってから開始する相撲を採用するしかないだろう。

 あんな取り口で優勝を決めても、優勝をプレゼントされたモンゴル相撲の元横綱だった父親は喜ぶまい。

 今度日本大相撲協会の理事長に再任されたのは八角親方であったが、モンゴル相撲のように四つに組んでから始まる相撲を――とまでは無理にしても、少なくとも三役以上の力士による立ち合いからの「猫だまし」「張り手差し」「変化(肩透かし)」は早急に禁止措置をとってもらいたいものである。

 このままで行くと大相撲離れはますます進行する。


 





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西都原古墳群研修会

 大隅史談会の3月月例会は宮崎県西都市にある「西都原古墳群」で行った。Cimg8488 朝の7時に鹿屋市北田にある城山下公園駐車場を4台の車で出発し、笠野原インターから弥五郎インターに抜けて国道269号で都城市内を走り、都城インターから東九州自動車道の二つ目の西都インターで降り、途中、講師の柳澤一男宮崎大学名誉教授も加わり、西都原古墳を案内していただいた。

 写真は最初に古墳群の概要を説明する柳澤先生(右端)と参加者(16名)。Cimg8490 天気を心配したがまずまずの日和となり、各古墳を見て回るjことができた。これは46号墳(墳長83.6m)である。

 先生の説明によると、西都原古墳群のある台地は南北4キロ余り、東西が2.5キロほどの広さで、ここに史跡としての古墳の数は約330基。そのうち著名な男狭穂・女狭穂を含む前方後円墳が30基もあるという。

 前方後円墳は首長墓であり、それら大小の首長墓は実は複数の系列に分かれて同時並行的に築かれているという。西都原古墳群では谷筋が区画(支群)を仕切る役割をはたしていて、そのような「支群」は5つに分かれ、それぞれが同族的な首長墓を築いていたようである。

 今登っている46号墳は西都原台地の最南部に位置し、第一支群のA(先生はA群でよいと言う)における最大の前方後円墳でA群の最後を飾る首長墓である。概ね4世紀の末頃の築造で、その後前方後円墳は築かれなくなるそうだ。Cimg8497 後円頂上で記念撮影。

 前方後円墳の場合、後円の頂上部は平らになっているのが普通。その上で死者への葬礼が行われるためだという。そこが単なる円墳と違うところかもしれない。(「後円」という字から受けるイメージは頭のてっぺんまで丸いのだが、墳墓に限ってはそのイメージは誤りである。)Cimg8502 同じ第一支群にある13号墳は46号墳の直前に造られたそうで、周溝のはるか手前に葺石で覆われた築造当時の姿を再現した模型が設けられてあった。

 この13号墳は玄室の中に入って見学できるようになっていて、今日の研修の目玉といってよい前方後円墳だ(墳長は約80m)。Cimg8503 後円部のやや上部に開けられた狭い入口から入っていく。Cimg8505 素掘りの玄室の中はかなり広く、真ん中に細長い船のような形の屍床が丸みを帯びた漬物石くらいの大きなの礫で造られていた。

 この中におそらく一本の大木を刳り抜いた「舟形木棺」が置かれていたという。その長さは6メートルを超えるというから相当なものだ。Cimg8507 「舟形木棺」はすっかり腐っており、その中に置かれていた遺体は無論だが、骨も酸性土壌によって溶けてなくなっている。ただお棺の中や遺体に塗られていた赤いベンガラ(酸化第一鉄)だけは消失せずに残され、玉砂利の敷石を赤く染めている。

 また副葬品はネックレスのような玉製品と三角縁神獣鏡が1枚、そして短い鉄剣があった。

――被葬者は女性でしょうね?

と質問すると、

「いや、一概にそうとは言えないが、可能性は高いでしょう」

とのことであった。

 このあと「第2支群」などを見る予定だったが、この第一支群だけで2時間を費やしたので,このあとは「酒元ノ上横穴墓群遺構保存覆屋」を足早に見学した。Cimg8515 酒元ノ上横穴墓の羨道と玄室。いま先生がしゃがんでいる辺りに窪みがあるが、これは地上から竪穴を掘った名残りという。つまりこの横穴墓群は南九州独特の「地下式横穴墓」と普通の「横穴墓」との折衷で、古墳時代も末期の様相を見せているそうだ。


 考古博物館内の食堂で昼食をとった後は博物館内を見て回った。Cimg8523 宮崎県内でも縄文時代早期の「壺」(右)が発掘されている。

 鹿児島県の上野原遺跡で7400年前の鬼界カルデラ由来の火山灰「アカホヤ層」の下から二個の「壺型土器」が発掘されたことで「縄文早期の壺」が作られたことが判明し、それに伴って宮崎県で過去に発掘されていた写真の壺が弥生時代のものではなく、縄文の、それもとんでもなく古い早期(11000年前~7500年前)のものであると訂正された、いわく付きのものである。Cimg8527 これは教科書でもおなじみの舟型埴輪で、西都原170号墳(前方後円墳)から採取された。170号墳は「男狭穂塚」と同じ台地上に築かれており、その陪冢とされている。子持ち家形埴輪とともに重要文化財だ(ただし考古博物館のものはレプリカで実物は東京上野の国立博物館にある)。

 博物館のボランティア案内氏によると、船底は一本の大木のくり抜きでその上に側舷やら波切やらを付加して完成された「準構造船」だそうである。側舷には片側に六つの櫂を固定するための突起があり、12人で漕いでいたことが分かる。人間の歩く速度よりは早く、ジョギングの速度よりは遅く、おそらく時速8キロ程度は出たであろうから、一日に8時間漕いで64キロは最低でも稼げたはずだ。日が長ければ、10時間漕ぐのも無理ではないので80キロ。これは対馬から朝鮮半島南部までの距離である。

 そう考えると、朝鮮海峡は天気さえ安定していれば三日で渡り切れる。鴨族や宗像族や安曇族はそうやって朝鮮海峡を往来していた、おそらく「定期便」のような形で・・・。

 南九州と南方海域や中国大陸南部とのつながりこそ密接だったという人は、この朝鮮半島との「定期航路」の濃密さを評価しないきらいがある。中国南部から日本列島(沖縄・奄美を含む)への航路はかなりの危険を伴う賭けの要素の強い潮路だった。8世紀から9世紀ですら遣唐使船の遭難・座礁が相当な確率で発生しているのである。


 1時半過ぎに次の目的地「生目古墳群」に向かった。

 生目古墳群は宮崎市跡江丘陵にある古墳群で、柳澤先生によると「4世紀代(古墳時代前期)の100mを超える前方後円墳が3基もある日本でも最古級の大首長墓築造地」だそうで、丘陵上に他に5つの前方後円墳を含めて約50基の高塚が確認されている。Cimg8534 写真は「葺石」を完全再現した生目5号墳(墳長57mの前方後円墳)。発掘された遺物(壺型埴輪=土師器)から4世紀末頃の築造と比定されているが、時代が下がるほど葺石は省略されていくという。

 ここには傍らに「地下式横穴墓」が作られているが、写真前方部のさらに向こうに横たわる7号墳(墳長46mの前方後円墳)は生目台地で最後の前方後円墳だが、それには地下式横穴墓が10基も周囲に作られているという意味で特異な古墳である。中でも後円部の周溝内に掘られた18号地下式横穴墓はレーダー探査の結果玄室の向きが後円部中心に向かっており、しかもその長さが5メートルもあるという。この7号墳を築いた主が埋葬されているかもしれず、そうなると日本で唯一の事例となるそうだ(生目古墳群の地下式横穴墓の総数は56基)。Cimg8532 5号墳からは宮崎平野が遠望される(大きな常緑樹の左手)が、縄文の海進のころ(早期~前期始め)は海であった。また弥生期から古墳期でも海は相当入り込んでおり、入り江と干潟が広がっていた。


 さて、この古墳群とほぼ同じ時代に築かれた西都原古墳群の最古級の首長墓系列の古墳群よりひと回り大きな古墳が続々と築かれたその背景には何があったのか――。

 柳澤先生によると古墳の大きさだけからみれば、4世紀代は生目古墳群の首長のほうが西都原古墳群を残した首長よりも格が上だった可能性が大きいそうである。

 しかし、生目古墳群での首長級の「王墓」も4世紀代のうちに終焉を迎えるころ、西都原古墳群で「男狭穂」(墳長176m。日本最大の帆立貝型古墳)・「女狭穂」(墳長176m。前方後円墳)という九州で最大の古墳が5世紀初頭に築造されるが、実は西都原古墳群でも首長級の前方後円墳はその後、ほぼ築造されなくなる。

 最後に宮崎市埋蔵文化センター「遊古館」の職員が話してくれたのが、標高の低い丘陵の北側緩斜面には弥生中期の「環濠集落」があったということ。この環濠集落は後期ではないので、次の段階である古墳時代の人々とは考古学上の断絶があるようだが、やはり繋がってはいるのではないかと考えられると・・・。

 そうか、ここでも「弥生後期」の遺構なり遺物なりが出ていないのか――。東回り九州自動車道建設に先立って行われた鹿屋市や大崎町での発掘調査でも弥生中期はたくさん出ているのに「弥生後期」はゼロであった。

 宮崎も鹿児島と同じ「古日向」に属するが、同様な現象はここでも観察されている。古日向の「弥生中期人」はいったいどうしたのだろうか?

 自説の「1世紀前半(弥生後期)に古日向(投馬国)から列島中央への移住(東征)があった」という見解が再確認されたように思う。








 

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文化庁の京都移転

 うれしいニュースが入った。文化庁の京都移転が本決まりになったそうである。(画像はウェブ上のFNNニュースから。以下同じ)Cimg8471_2 省庁の「地方移転に関する基本方針」の中で、数年以内に京都に移転すると明記された。Cimg8472_2 これに対して京都府知事はじめ京都市長も「オール京都」で受け入れたいと大歓迎だ。

 「移転問題」でこんなに歓迎され、現地首長の受け入れの表明がすんなりと行われるのは珍しいし、見ている方もうれしくなる。(これに比べて「原発事故廃棄放射能汚染物」の受け入れや、沖縄の米軍基地移転問題は悩ましい!)

 自分としてはこの京都への移転に「皇居及び宮内庁」も加えて欲しいところだ。

 

 いま皇居のある東京は、明治維新後に旧徳川幕藩体制への抑えの意味で明治天皇が行幸されてそのまま居を構えられ、さらに欧米列強に対抗する富国強兵政策のシンボルとして天皇を国家元首(かつ元帥陛下)と持ち上げ、そのもとに国家機関が集中して出来上がったたかだか150年の首都である。

 

 平安京千年の歴史を支えてきた京都市民からすれば、「天皇はんは江戸(東京)に一時行幸されてはるだけや」から、還幸(還都)となれば、文化庁の移転どころの騒ぎではないだろう。オール京都を超えてオール関西を巻き込む大イベントになるに違いない。

 平安京の歴史的中心だった皇居(京都御所)に主(天皇)のいない京都は気の抜けたビールのようなものだ。

 京都には世界中から観光客や学生が来ているが、千年を市民と暮らしてきた京都御所の無防備さを見て驚くはずだ。還都したら今時だからさすがに無防備ではいられないだろうが、それでも最先端の防護システムを採用すれば、どこの国の「宮殿」よりはるかに庶民的な御所のままでいられるのではなかろうか。

 

 そんな平和な日本の姿をいつまでも残して行きたいものだ。

(閑話休題・・・国連憲章上「集団的自衛権」を持てない旧敵国日本がどうして持てると言い張るのだろう。日米安保という二国間軍事同盟を結んでいるうえにさらに「集団的自衛権」なるもので強化すれば、まさしく米国の軍事的イヌになるほかないではないか。平和憲法があろうがなかろうが、旧敵国だろうが何だろうが、およそ国として独立していれば固有の、つまり超法規的な「個別的自衛権」はあるのだから、その範囲で対応すべきだろう。米共和党大統領候補のトランプは、――アメリカは兵士や金を消耗してまで日本を助けることはしない。沖縄からいや日本全土から米軍を引き上げる――ということを言っているそうだが、そうなったら日本は日本の「個別的自衛権」で日本人自身が守るほかないが、その言やよし。トランプが大統領になったら基地問題はすべて解決しそうだ。応援しなくちゃ)

 

 

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桜前線(吾平山陵)

 好天気となった春分の日。春彼岸の中日。
 今朝はやや肌寒かったがすぐに気温が上昇し、10時頃には15℃を超えた(ブログを書いている1時過ぎには20℃)。
 この分なら吾平山陵の桜がちらほら咲き出すだろうと、出かけてみると、Cimg8461 何だ、まだ早かったか・・・。入口に立つ御影石の標柱の向こうの桜はまだ一輪も咲いていない。ずーっと向こうの参道沿いの桜並木もくすんだ色のままだ。Cimg8457 山陵駐車場に着くと、一本だけ真っ白のがほぼ満開である。でも次々にやって来る桜目当ての人たちはそれを横目に素通りして行く。ソメイヨシノじゃないと分かっているからだ。Cimg8455 清流に面して枝を伸ばしている桜にはただ一輪だけが開いていた。Cimg8456 清流の向こう側から枝垂桜のように川面に枝を垂れているのは山桜だ。これはもう満開である。 Cimg8458 駐車場の隣りにある山陵案内所前の芝生の庭には10本ほどのソメイヨシノがある。Cimg8454 一本のソメイヨシノの枝を見上げると、6~7輪ほころんでいた。 開花だ!
 この辺りは鹿屋市内の桜の名所の中ではおそらくもっとも朝晩冷えるところで、そのため蕾の「休眠打破」が早まり、開花もその分早くなるというわけである。Cimg8464 帰りに山陵から2キロほど吾平町市街地に近い所にある「玉泉寺公園」(応永2=1395年に下野国からやって来た源翁和尚の創建という古寺の跡)に立ち寄ってみたが、こちらは20本くらいはあるソメイヨシノだが、どれもまだ蕾のままだ。Cimg8462 シラス崖下から湧き出る名水で有名だが、水路の中に根を下ろした白いカラーの花が一つ咲いているばかりだった。
 吾平山陵界隈の桜は、今日、明日の好天気で一気に開花が進むと思われる。けれども木曜日頃から寒くなるという予報なので、いったん三分位まで咲いたあとは足踏みし、見ごろになるのは今週が明けてからではないだろうか。
 気温にもよるが、満開は10日後の30日前後でそのあと3、4日は楽しめるのではないかと予想する。
 

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STAP細胞はあった!?

 一昨年の1月だったか小保方晴子という若い理化学研究所員が発表した「STAP細胞」。

 その後、論文にねつ造や写真の貼り付け疑惑が持ち上がり、3か月後に釈明の記者会見が開かれた(当ブログ参照)あと、追調査実験があちこちで行われたが、結局、正式なSTAP細胞の再現には至らず、最終的には論文取り下げかつ小保方氏の理研退職、そして博士号(早稲田大学)のはく奪にまで及び、ついに理研は解体され新たな組織として生まれ変わったことで一件落着。

 そう思っていたら、小保方氏は「あの日」という当時の回顧録を出版、それなりの弁解を含めて「泣く泣く引導を渡された」というようなことを書いていた。その印象が冷めやらぬこの頃、ビジネスジャーナルというサイトに「STAP現象、米国研究者が発表、・・・小保方晴子氏の研究が正しかったことが判明」というタイトルの記事が掲載された。

それによると、

――去年の11月27日に「ネイチャー」の姉妹版「ネイチャー・サイエンティフィック・リポーツ」に発表されたアメリカの研究者グループによる報告で、小保方氏の発見した「STAP現象」が確認された。

 キンガ・ボイニッツ博士らが、負傷したマウスの骨格筋から幹細胞になる新規の細胞集団を発見したち論文を寄せたが、博士の論文要旨は、

<我々は最近、損傷を受けたマウスの骨格筋の中に、新しい幹細胞の集団を発見した。この細胞は分化した筋原性細胞が部分的に初期化されたものであり、多機能性によく似た状態を示しました。>

というもので、マウスの骨格筋肉の細胞がケガという外部からの刺激で初期化が見られ、それを培養したところ、細胞に多機能性が発現し、幹細胞状態(ES細胞様)になったという。

 ボイニッツ博士は損傷したマウスの骨格筋からSTAP現象を確認し、それを取り出して培養し多機能性のある幹細胞を作り、iMuSCs(injury induced muscle-drived stem cell-like cells)と名付けたが、発見と作製方法は違っていても、理研が定義したSTAP現象と同じ原理である。

 ボイニッツ博士はまた、

<成体組織における多能性細胞様細胞の存在は長年論争の種となっていました。多能性幹細胞が、分化した体細胞組織から生じ得ることは、まだこれまで証明できていませんでした。しかし本研究では骨格筋が負傷した場合のような強い刺激によって細胞の再プログラミングが開始され、多能性細胞様細胞が得られることを明らかにしました。>

と述べ、その中で小保方氏の米国留学時代に書いた論文を紹介している。

 小保方氏はSTAP細胞がリンパ球以外の細胞からも作れるか実験しており、マウスの脳・皮膚・骨格筋・脂肪組織・骨髄・肺・肝臓・心筋などの細胞でもSTAP細胞が産出されることを論文で報告している。これも骨格筋の損傷から確認されたボイニッツ博士らのiMuSCsと同じである。

 キンガ・ボイニッツ博士はiMuSCs研究の先行例として、小保方氏の米ハーバード大学留学時代にバカンティ教授のもとでの「胞子様細胞」研究をまとめた「スフィア細胞論文」を紹介している。この論文はアメリカの再生医療専門誌「Tissue Engineering Part A」に掲載された。「スフィア細胞」は生物には休眠状態の小さなサイズの細胞が眠っており、病気やケガの時に多能性細胞となり修復機能をもたらす、とする研究である。

 小保方氏はこの成果をもとに博士論文を書いて早稲田大学に提出し、2011年3月に学位を授与されたが、その時に誤って草稿論文を出してしまい、「不正に学位を受けた」として学位をはく奪される事態となった。早大は2015年11月2日に学位取り扱いについての記者会見を開き、小保方氏の学位取り消しを正式に公表した。

 小保方氏は理研から研究不正の認定を受けた。それは実験部分ではなく、論文構成上のミスである。データ画像の貼り付けは論文を見やすくするためでしかも画像の不正使用とされるものは本人の学位論文からの引用であり、他者からの物ではない。

 STAP細胞問題はどこかで小保方さんの単なる論文構成上のミスを「実験データのねつ造」や「研究不正の常習犯」として取り上げられ、論点のすり替えが行われたような気がしてならない。大切なのは発見であり、その可能性へのチャレンジだ。メディアを含めた世間は、細かな書類上のミスにこだわり、発見や可能性への出発点を握り潰していたのではないだろうか。―――

 以上はビジネスジャーナル(株式会社サイゾー)に載った上田眞実というジャーナリストの評論だ(一部は捨象した)が、よく真実を衝いていると思う。

 細胞への刺激によって、多能性細胞らしきものが生まれる(細胞が初期化する)という現象は簡単すぎて権威ある学者たちには受け入れがたいものがあったのだろう。ましてそれをやってしまった(発見してしまった)のがまだ博士課程に籍を置いていた研究者の卵でありうら若き女性であったのも、「象牙の塔」に安住する大先生方の非承認を増幅したに違いない。

 しかしことは真実にかかわることだ。感情的になっては元も子もない。せっかく日本人が「ノーベル賞級」の発見をしたのだから、日本の学会もメンツを捨てて小保方氏の復権を図るべきだろう。

 

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菜の花

 昨日まで早朝に軽い霜が降りたが、今朝は平年並みか。

 それにしても今年は1月下旬の大寒以降が寒い。1月3日のあの20℃まで気温が上がった時は、暖冬もいいところで春が早く来てスギ花粉もわんさか飛び騒ぐだろうな――と思ったのだが、その後は寒い日が多く、特に1月25日にマイナス8度を記録した時は「嘘だろ」と思ったくらい経験のない寒さだった。

 2月、3月も総じて低気温が続き、日中が春のような陽気になったのは3~4日だったろう。

 おかげで、というかこのところ花粉症の症状が至って軽いのがうれしい。去年まで1月下旬には耳鼻科に行き、抗アレルギー剤を処方してもらっていたが、今年は市販の鼻炎カプセルとこのごろ売り出された花粉症対応の抗アレルギー剤で済ませているが、今のところ重篤な症状が出ていない。

 スギ花粉が飛び回るのはたいてい桜の咲く頃までで、ことしの鹿児島県内の開花予想だと3月25,6日だから、もうあと10日の辛抱だ。家の中にいるときも(たまには寝るときも)マスクを掛けているが、あと少しでおさらばとなる、やれやれ。

 そんな眼で外を見ると、やはり春は間近に迫っている。Cimg8448 我が家の東に広がる畑には耕作主の蒔いた菜の花が今を盛りと咲いている。Cimg8449 畑の向こうの芝畑に何やらうごめいているなと思ったらカラスの群れだった。一所懸命に草のこぼれ種を拾って歩いているのだろう。そういえば、昨日の朝、ウメを散歩させていた時に、表の大通りに沿った電線にたくさんのカラスが止まっていたんだった。Cimg8446 我が家の庭の菜の花は白菜の花とCimg8447 水菜の花。水菜もアブラナ科の一種だったのだ。Cimg8451 これは直径30センチを超えるまで成長した花カンラン。5,6日前から先端が伸びだして花を咲かせる寸前になった。向こうのカモミールはすでに咲き始めている。Cimg8452 おや、芝桜の花がちらほら。

 春は、もう、すぐそこまでやって来ている。
















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「日本死ね!」とは!!

 「保育園に落ちた。……(中略)日本死ね!」と書かれたツイッターが話題になっている。

 驚いたのは私だけではないだろう。

 ツイッターを使ったことがないのでどこまで情報拡散性があるのか、知らないが、親友宛てに書いたのではないだろうから、多くの読み手に「つぶやいた」わけで、当然社会に訴えるという含意があってのことに違いない。

 そのことを十分知っての上でそうつぶやいたのなら、非常識極まりない。物事には言いよう、書きようというものがある。

 「日本死ね!」が、「安倍首相の嘘つき」とか「自民党には票を入れないぞ」くらいなら我々ツイッターなどやったことのない人間でも想定内の物言いかなと思うが、いくら怒り心頭でもあんな表現はするものじゃない。

 保育園が足りないというのがそもそもの発端だが、しかし安倍首相も焦っているように子供も足りないのである。だから「生涯産子数1.8人」という目標を掲げたのだが、その一方で「総活躍社会」と旗を振り、専業主婦化してしまったキャリア女性(看護師や介護士、保育士・・・)を引っ張り出そうと躍起になっている。

 これは実は矛盾したことを掲げているのだ。「子供は生んで欲しいが、早く社会に復帰して活躍してほしい」は対立項なのである。子供を家で(専業主婦で)たくさん産んで育てなさい、という一方でキャリアがもったいないから早く働きに出なさい、そうしないと収入もないし、将来もらえる年金も少なくなる――こう言われたら、だれでも早く働きに出なくちゃと焦るではないか。

 子産み・子育ては大切極まりない「仕事」である。介護保険に倣って「子ども養育保険」を創設し、今の児童手当の3倍ももらえるようになれば、「下手にキャリアで職場復帰するより3人産み・育てたほうが実入りも悪くないし、子供にもいい」と考える女性が増えるだろう。

 現状のままで「総活躍」した場合、たしかに社会的な仕事は多くなり税収も増えるだろうが、肝心の子産み・子育てはおろそかになるに違いない。やはり「活躍の足手まとい」になるのが子供だからだ。したがって子供はますます減っていく。

 

 しかし、そう悠長なことは言っていられない。件の「日本死ね!」投稿者はどうしても子供を保育所に預けたいのなら欧米流のベビー・シッターなるものに託したらどうか。月に10万かかっても投稿者が20万稼げればペイするではないか!

 他にも「無認可保育所」「託児所」がないことはない。どうしても働きたいのであれば手段はいくらでも見つかるはずだ。

 現状に不満だからといって、「日本死ね!」はないだろう。

 

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左巻き!?

 昼過ぎに煮込んでおいた鶏がらスープに合うのは中華麺しかないと思い、近所の(と言っても2キロ先だが)Aコープ(農協が出資している小売店チェーン)に買い出しに行き、ついでに夜の酒の肴をもとめた際に、鮮魚コーナーに並んでいる新鮮そうな内之浦産のタイに似た刺身を手に入れて来た。

 夕方になってひと風呂浴びてからその刺身を開けようとして「?」と思ってしまった。Cimg8440 よく見れば商品名は「左巻」だ。

 何かの間違いだろうと余り気にしないで焼酎のつまみにしながら、「やはりタイの一種だな」と淡泊かつ歯ごたえを感じながら食した。Cimg8441 これがその刺身だが、タイの中でもイシダイによく似ていると思いながら、これと冷やっこで「だれやめ」(鹿児島弁で、だれ=疲れを、やめ=無くす、こと。要するに晩酌)を終えたが、あの商品シールの「左巻」は何かの間違いだろうと、さっきAコープに電話で問い合わせてみた。

――あの商品名は何かの間違い? 冗談じゃないの?

 受話器の向こうの鮮魚担当者は自信ありげに、

「いえ、あれは内之浦はじめこちらでは左巻(ひだりまき)と言うんですよ。体表の模様が左巻きになっているのでそう呼んでいるようです。正式にはタカノハダイですが・・・。」

へえ、そうなんだ、と驚き、パソコンで検索してみると、Photo これが左巻の正体だった(画像はウィキペディアから)。なるほど体に見事な線模様がある。だけど、どっちから見て左巻きなんだろう。

 ウィキペディアによると、タカノハダイは房総半島以南に棲むスズキ目で、最大45センチにまで成長する白身の魚。

 しかしながら「サメやウツボのように身に臭みがあって一般的には食用にしない」と来た。

 うそだ、そんな臭みなどは無かったぞ。

 内之浦産のタカノハダイは水くさくなかったのである。






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雨中の二鳥

 早朝からの雨でウメの散歩はできず(ウメも催促の鳴き声を上げなかった)、昨日の夕方の天気予報後の花粉飛散状況も今日は「少ない」と出ていたので、やれやれと思いながら7時半ころから朝食。

 テレビを見ながらすぐ横のガラス戸から南の庭を見ると、たしかに本降りらしく地面が光を帯びて来ていた。

 ――今日は鳥たちも来ないだろうな。

と、2月頃からぐんと増えてきた庭や庭木にやって来るモズ・ジョウビタキ・メジロ・椋・ヒヨドリ・カラスなどのことをふと思った。

 ――あれたちは(鳥のことである)たいてい単独で来るが、キジバトはほとんどつがいで来るよな・・・。

 そう思い出し、しばらく飯を掻き込んでいるうちにまた庭に目をやると、何とネムノキの梢にあれが(今度はキジバトのことである)止まっているではないか。Cimg8425 デジカメを持って来て網戸の入っていない素のガラスのある別室に行き、カーテン越しにそっとレンズを向けた。Cimg8430 間違いなくキジバトの夫婦である。 どっちがオスなのかメスなのかは分からない。Cimg8434 こんな雨の中を何しているんだろう―とは思うが、気温は15度くらいあるからもう春雨か。

 そのうちに右手の一羽がくるりと背を向けた。何か気配を感じたのだろうか。Cimg8435 右手の一羽「何か見られている気がするんだ。あんたは感じないかい?」

左手の一羽「そう言えば、何だかねえ…」(と首を伸ばしてあたりを窺う。)

 先に気配を感じてうしろを向いてしまったのが、オスのような気がする。オスは何といっても野中では天敵への防衛本能が強く敏感なのだろうから。Cimg8437 メスらしき右手の方も、おっとり刀でやはりうしろに向きを変えた。右へならへだ。

 それからこの姿勢のまま10分、15分。

 30分後の8時半ににこれを書き始めたのだが、Cimg8438 同じところから再びのぞくと、また仲良くこちらを向いて並んでいた。

 もう一時間にもなるが、鳥の羽は雨合羽にもなるのだということがよく分かった。

 鴨など水鳥は水面に浮かんでもずぶ濡れにならないが、あれはくちばしから油のようなものを出して羽毛の間に塗り込めるからだが、キジバトなんかはどうしているのか。

 書いている最中の9時に庭を見たらもういなかった。さすがに餌が見当たらないのだろう。

 「春雨じゃ、濡れても構わぬ・・・が、腹が減ってはのう…」ということらしい。
















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米大統領予備選

アメリカの次期大統領候補を決める予備選挙が大きな話題だ。

 オバマ大統領の後継を目指す民主党候補のヒラリー・クリントンが社会主義者と言われているサンダース候補に思いのほか食い込まれているが、知名度から言うと軍配はクリントン候補の方だろう。現に19州の予備選の結果は12勝7敗とかなり差を付けた。

 一方で共和党の方は面白い。戦争仕掛人ブッシュ一族から立ったブッシュが1月末に早々と予備選から降りることを決めたのが意外といえば意外だったが、胸を撫で下ろしたのは自分だけではあるまい。Cimg8421共和党候補で現在のトップは、ドナルド・トランプという政治経験ゼロの不動産王だが、彼の人気の元だという毒舌は日本・韓国・中国に対して向けられており、「偉大なアメリカ」を復活させるのが念願だそうだ。(画像は3月6日の読売テレビ「バンキシャ!」から)Cimg8414 3月5日の某演説会場から降壇したトランプ氏にバンキシャが「日本を打ち負かしたいか」と問うと、目線を合わせず無表情のまま「日本は大好きさ」と答えていた。

 トランプ氏は「日本はアメリカ製品を買わないで、アメリカ人の製造業者の職を奪っている。」(これは中国人に対しても言われる)、「アメリカは膨大な金を使って日本を守っているのに、アメリカが何かあった時に日本はアメリカを助けに来ない。」など、言いたい放題だ。

 どちらにも一理はあるのだが、前者を言えばアメリカ製品の質が悪かったり、日本での使い勝手が悪いので日本では売れないだけだ(その典型が左ハンドルの燃費の悪い大型乗用車だ)。これは自由経済の原則だから仕方がない。それにアメリカは自国内の需要が極めて大きいので、わざわざ輸出までして…と消極的なのだろう。

 さらに加えれば、アメリカでは製造業(農業を含む)という実業より、株式やファンドで金を得る人間が異常に多いという現状がある。要するに汗水たらして働くより、マネーゲームで金を得た方が早いし、儲かるし、楽しい――というわけだ。

 アメリカをかってのように偉大にする方策は「汗を流して働くのが喜び」という人間を増やし、そういう人たちを当たり前の生活ができるようにすることではないだろうか。すべての人間がささやかでもよいから自由の国アメリカの「アメリカンドリーム()アメリカで生きるしあわせ)」をあじわわせることではないだろうか。

 後者の「アメリカは日本を守っているのに、日本は守ってくれない」という点だが、トランプ氏は終戦後のドイツ系移民だから知らないのだろうが、日本を打ち負かした連合国(主としてアメリカ)は二度と日本が「牙をむかないよう」に憲法9条の「国際紛争を解決する手段としての諸軍備は放棄する」と強制したのである。

 したがって日本は憲法上、国際紛争を解決するために他国に出て行って戦うための軍備は持っていないのである。ただし、独立国固有の「個別的自衛権」にもとづく「専守防衛(自衛)」の手段としての軍備は持って何ら差し支えない。だからこそアメリカは開発した戦闘機や空母やミサイル等の「武器(軍備品)」は堂々と日本に売っているのである。もし一切の軍備を持たないというのが憲法9条の意味するところだというなら、憲法9条はとっくの昔に「解釈改憲」していることになる。つまりあって無きが如しというわけである。

 しかし専守防衛(自衛)のための手段としてアメリカから言い値で買っているのであって、それ以上の使い方は許されないのが憲法9条の規定である。

 かっての社会党を中心に盛んに唱えられた「憲法9条によって、すべての軍備を放棄し(非武装)、自国の防衛さえも放棄する」のは狂気の沙汰で、憲法9条はよく読めば「国際紛争を解決する手段としての海外派兵をする軍備は一切持たない」が、「個別的自衛権に基づく自国内での自衛の軍備は否定していない」のである。(「自衛の軍備を持っていい」とか「持つべきだ」とは書いてないが、否定はしていない。)

 トランプ氏が「日本はアメリカに多額の金を使わせて守ってもらうばかりじゃないか!」というのであれば、「そうか、じゃあ、日米安保を解消して日本は自分で守る!」と突っぱねればよい。ただし、「兵器はこれまで通り買ってやるよ。ただしこれまでのよう言い値で買うことはしないぜ」と付け加えるのを忘れずに!

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太陽光発電所の工事(3)

 2月27日だったか、畑の中の太陽光発電所にパネルが設置されていたが、土日月と忙しかったので今日の午後行ってみた。Cimg8383 畑の中に忽然と現れたパネル群。Cimg8389 パネルの下で作業をしている人がいたので、声をかける。Cimg8388 三列あるパネル群のそれぞれに「太陽光パネルで発電した直流を交流に変換する装置」を取り付けたところで、もう今日からでも発電した電気を売ることができるそうだ。売り先は九州電力。Cimg8385 全部で230枚余りで、それぞれのパネルの発電能力は220ワットくらいなので、約50キロワット。

 50キロワットを超えると保守要員を置かなければいけなくなるそうなので、それ以下に留める発電所が多いらしい。

 装置に必要な資金はちょっと大きな家一軒分の○千万円という(もちろん当地での話)。元が取れればいいが・・・。

 原発へのカウンターに寄与してもらいたいものだ。

 





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