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STAP細胞はあった!?

 一昨年の1月だったか小保方晴子という若い理化学研究所員が発表した「STAP細胞」。

 その後、論文にねつ造や写真の貼り付け疑惑が持ち上がり、3か月後に釈明の記者会見が開かれた(当ブログ参照)あと、追調査実験があちこちで行われたが、結局、正式なSTAP細胞の再現には至らず、最終的には論文取り下げかつ小保方氏の理研退職、そして博士号(早稲田大学)のはく奪にまで及び、ついに理研は解体され新たな組織として生まれ変わったことで一件落着。

 そう思っていたら、小保方氏は「あの日」という当時の回顧録を出版、それなりの弁解を含めて「泣く泣く引導を渡された」というようなことを書いていた。その印象が冷めやらぬこの頃、ビジネスジャーナルというサイトに「STAP現象、米国研究者が発表、・・・小保方晴子氏の研究が正しかったことが判明」というタイトルの記事が掲載された。

それによると、

――去年の11月27日に「ネイチャー」の姉妹版「ネイチャー・サイエンティフィック・リポーツ」に発表されたアメリカの研究者グループによる報告で、小保方氏の発見した「STAP現象」が確認された。

 キンガ・ボイニッツ博士らが、負傷したマウスの骨格筋から幹細胞になる新規の細胞集団を発見したち論文を寄せたが、博士の論文要旨は、

<我々は最近、損傷を受けたマウスの骨格筋の中に、新しい幹細胞の集団を発見した。この細胞は分化した筋原性細胞が部分的に初期化されたものであり、多機能性によく似た状態を示しました。>

というもので、マウスの骨格筋肉の細胞がケガという外部からの刺激で初期化が見られ、それを培養したところ、細胞に多機能性が発現し、幹細胞状態(ES細胞様)になったという。

 ボイニッツ博士は損傷したマウスの骨格筋からSTAP現象を確認し、それを取り出して培養し多機能性のある幹細胞を作り、iMuSCs(injury induced muscle-drived stem cell-like cells)と名付けたが、発見と作製方法は違っていても、理研が定義したSTAP現象と同じ原理である。

 ボイニッツ博士はまた、

<成体組織における多能性細胞様細胞の存在は長年論争の種となっていました。多能性幹細胞が、分化した体細胞組織から生じ得ることは、まだこれまで証明できていませんでした。しかし本研究では骨格筋が負傷した場合のような強い刺激によって細胞の再プログラミングが開始され、多能性細胞様細胞が得られることを明らかにしました。>

と述べ、その中で小保方氏の米国留学時代に書いた論文を紹介している。

 小保方氏はSTAP細胞がリンパ球以外の細胞からも作れるか実験しており、マウスの脳・皮膚・骨格筋・脂肪組織・骨髄・肺・肝臓・心筋などの細胞でもSTAP細胞が産出されることを論文で報告している。これも骨格筋の損傷から確認されたボイニッツ博士らのiMuSCsと同じである。

 キンガ・ボイニッツ博士はiMuSCs研究の先行例として、小保方氏の米ハーバード大学留学時代にバカンティ教授のもとでの「胞子様細胞」研究をまとめた「スフィア細胞論文」を紹介している。この論文はアメリカの再生医療専門誌「Tissue Engineering Part A」に掲載された。「スフィア細胞」は生物には休眠状態の小さなサイズの細胞が眠っており、病気やケガの時に多能性細胞となり修復機能をもたらす、とする研究である。

 小保方氏はこの成果をもとに博士論文を書いて早稲田大学に提出し、2011年3月に学位を授与されたが、その時に誤って草稿論文を出してしまい、「不正に学位を受けた」として学位をはく奪される事態となった。早大は2015年11月2日に学位取り扱いについての記者会見を開き、小保方氏の学位取り消しを正式に公表した。

 小保方氏は理研から研究不正の認定を受けた。それは実験部分ではなく、論文構成上のミスである。データ画像の貼り付けは論文を見やすくするためでしかも画像の不正使用とされるものは本人の学位論文からの引用であり、他者からの物ではない。

 STAP細胞問題はどこかで小保方さんの単なる論文構成上のミスを「実験データのねつ造」や「研究不正の常習犯」として取り上げられ、論点のすり替えが行われたような気がしてならない。大切なのは発見であり、その可能性へのチャレンジだ。メディアを含めた世間は、細かな書類上のミスにこだわり、発見や可能性への出発点を握り潰していたのではないだろうか。―――

 以上はビジネスジャーナル(株式会社サイゾー)に載った上田眞実というジャーナリストの評論だ(一部は捨象した)が、よく真実を衝いていると思う。

 細胞への刺激によって、多能性細胞らしきものが生まれる(細胞が初期化する)という現象は簡単すぎて権威ある学者たちには受け入れがたいものがあったのだろう。ましてそれをやってしまった(発見してしまった)のがまだ博士課程に籍を置いていた研究者の卵でありうら若き女性であったのも、「象牙の塔」に安住する大先生方の非承認を増幅したに違いない。

 しかしことは真実にかかわることだ。感情的になっては元も子もない。せっかく日本人が「ノーベル賞級」の発見をしたのだから、日本の学会もメンツを捨てて小保方氏の復権を図るべきだろう。

 

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