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米大統領予備選

アメリカの次期大統領候補を決める予備選挙が大きな話題だ。

 オバマ大統領の後継を目指す民主党候補のヒラリー・クリントンが社会主義者と言われているサンダース候補に思いのほか食い込まれているが、知名度から言うと軍配はクリントン候補の方だろう。現に19州の予備選の結果は12勝7敗とかなり差を付けた。

 一方で共和党の方は面白い。戦争仕掛人ブッシュ一族から立ったブッシュが1月末に早々と予備選から降りることを決めたのが意外といえば意外だったが、胸を撫で下ろしたのは自分だけではあるまい。Cimg8421共和党候補で現在のトップは、ドナルド・トランプという政治経験ゼロの不動産王だが、彼の人気の元だという毒舌は日本・韓国・中国に対して向けられており、「偉大なアメリカ」を復活させるのが念願だそうだ。(画像は3月6日の読売テレビ「バンキシャ!」から)Cimg8414 3月5日の某演説会場から降壇したトランプ氏にバンキシャが「日本を打ち負かしたいか」と問うと、目線を合わせず無表情のまま「日本は大好きさ」と答えていた。

 トランプ氏は「日本はアメリカ製品を買わないで、アメリカ人の製造業者の職を奪っている。」(これは中国人に対しても言われる)、「アメリカは膨大な金を使って日本を守っているのに、アメリカが何かあった時に日本はアメリカを助けに来ない。」など、言いたい放題だ。

 どちらにも一理はあるのだが、前者を言えばアメリカ製品の質が悪かったり、日本での使い勝手が悪いので日本では売れないだけだ(その典型が左ハンドルの燃費の悪い大型乗用車だ)。これは自由経済の原則だから仕方がない。それにアメリカは自国内の需要が極めて大きいので、わざわざ輸出までして…と消極的なのだろう。

 さらに加えれば、アメリカでは製造業(農業を含む)という実業より、株式やファンドで金を得る人間が異常に多いという現状がある。要するに汗水たらして働くより、マネーゲームで金を得た方が早いし、儲かるし、楽しい――というわけだ。

 アメリカをかってのように偉大にする方策は「汗を流して働くのが喜び」という人間を増やし、そういう人たちを当たり前の生活ができるようにすることではないだろうか。すべての人間がささやかでもよいから自由の国アメリカの「アメリカンドリーム()アメリカで生きるしあわせ)」をあじわわせることではないだろうか。

 後者の「アメリカは日本を守っているのに、日本は守ってくれない」という点だが、トランプ氏は終戦後のドイツ系移民だから知らないのだろうが、日本を打ち負かした連合国(主としてアメリカ)は二度と日本が「牙をむかないよう」に憲法9条の「国際紛争を解決する手段としての諸軍備は放棄する」と強制したのである。

 したがって日本は憲法上、国際紛争を解決するために他国に出て行って戦うための軍備は持っていないのである。ただし、独立国固有の「個別的自衛権」にもとづく「専守防衛(自衛)」の手段としての軍備は持って何ら差し支えない。だからこそアメリカは開発した戦闘機や空母やミサイル等の「武器(軍備品)」は堂々と日本に売っているのである。もし一切の軍備を持たないというのが憲法9条の意味するところだというなら、憲法9条はとっくの昔に「解釈改憲」していることになる。つまりあって無きが如しというわけである。

 しかし専守防衛(自衛)のための手段としてアメリカから言い値で買っているのであって、それ以上の使い方は許されないのが憲法9条の規定である。

 かっての社会党を中心に盛んに唱えられた「憲法9条によって、すべての軍備を放棄し(非武装)、自国の防衛さえも放棄する」のは狂気の沙汰で、憲法9条はよく読めば「国際紛争を解決する手段としての海外派兵をする軍備は一切持たない」が、「個別的自衛権に基づく自国内での自衛の軍備は否定していない」のである。(「自衛の軍備を持っていい」とか「持つべきだ」とは書いてないが、否定はしていない。)

 トランプ氏が「日本はアメリカに多額の金を使わせて守ってもらうばかりじゃないか!」というのであれば、「そうか、じゃあ、日米安保を解消して日本は自分で守る!」と突っぱねればよい。ただし、「兵器はこれまで通り買ってやるよ。ただしこれまでのよう言い値で買うことはしないぜ」と付け加えるのを忘れずに!

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